お肌がボロボロに!? 日本人が不足しがちな「タンパク質」の重要性
2016年3月3日 | よみものお肌がボロボロに!? 日本人が不足しがちな「タンパク質」の重要性

こんにちは、ママライターのfurahaです。
炭水化物、脂質に並んで三大栄養素の一つとされているタンパク質。
筋肉、臓器、血液、骨、皮膚、髪など人間の体を作っている主成分がタンパク質であるため、非常に重要な栄養素だとされています。
このタンパク質、1日にどれくらい取る必要があるか皆さんご存じですか?
ご自分、そしてお子様の摂取量が足りているか、チェックしてみましょう。
減少している日本人のタンパク質摂取量
戦後、高度経済成長に伴い食生活が豊かになった日本。
どちらかといえばエネルギーを取り過ぎなイメージもあるくらいですが、実は、1960年代から1970年代をピークに、国民1人あたりのエネルギー摂取量は少しずつ減少しています。
特に近年は、肥満やメタボ対策、ダイエットなどの影響が強いと考えられます。
そして、それに伴い、必要栄養素であるタンパク質摂取量も減少傾向にあります。
厚生労働省の『平成23年国民健康・栄養調査』によるとエネルギーとタンパク質の1人1日当たりの摂取量はそれぞれ以下の通りです。
エネルギー/タンパク質
1975年(昭和50年) ……2,188kcal/80.0g
1980年(昭和55年)……2,084kcal/77.9g
1985年(昭和60年)…… 2,088kcal/79.0g
1990年(平成2年)…… 2,026kcal/78.7g
1995年(平成7年)……2,042kcal/81.5g
2000年(平成12年)…… 1,948kcal/77.7g
2005年(平成17年)……1,904kcal/ 71.1g
2010年(平成22年)……1,849kcal/67.3g

タンパク質が不足するとどうなるのか!?
では、タンパク質摂取量が減ると、健康にどのような影響が出るのでしょうか!?
まずタンパク質が不足することで筋肉量が減り、基礎代謝が低下するので、脂肪が燃焼されにくくなります。
したがって、ダイエットやメタボ対策をする場合も、タンパク質摂取量を減らしすぎると逆効果であることがわかります。
成長過程にある子どもの場合は、タンパク質不足で筋肉量が減ることは運動能力の低下にもつながるので、特に注意が必要です。
さらにタンパク質は筋肉だけでなく私たちの髪や肌を作る際の主成分でもあるため、不足すると抜け毛や肌荒れの原因になります。
基礎代謝低下もそうですが、美容のためにダイエットをしたはずなのに、栄養バランスをないがしろにしたせいで、痩せたもののお肌や髪がボロボロ、という事態は避けたいものです。
あまり知られていませんが、タンパク質は免疫グロブリンという抗体の原料で、この抗体には体に入ってきた細菌やウィルスを排除する働きがあります。
そのため、タンパク質不足になることで、免疫力が低下し、感染症などの病気にもかかりやすくなるのです。
この他にも、タンパク質不足は、思考力や集中力の低下、体に必要な酵素やホルモンの不足、体力不足、貧血などを招き、健康に悪影響があることがわかっています。
タンパク質摂取量の目安
それでは、実際に1日あたりどれくらいのタンパク質を取ればいいのでしょうか!?
タンパク質の必要量は体重によって違い、成人の場合は、体重1kgに対して約1gのタンパク質が必要とされています。
成長期の子どもの場合は、体重あたりに必要なタンパク質の量が大人よりも多くなります。
以下は厚生労働省の『日本人の食事摂取基準(2015年版)』による年齢別タンパク質必要量です(日本人の各年齢の標準体重を基準に算出された数値です)。
厳密にいうと、女性の場合は妊娠中や授乳中は必要量が異なり、乳児の場合は月齢によって異なるので、詳しくは『日本人の食事摂取基準(2015年版)』の報告書をご覧ください。
【年齢別1日当たりに必要なタンパク質量】
(男性/女性)
・1〜2歳……20g/20g
・3〜5歳……25g/25g
・6〜7歳……35g/ 30g
・8〜9歳……40g/40g
・10〜11歳……50g/50g
・12〜14歳……60g/ 55g
・15〜17歳……65g/55g
・18歳以上……60g/ 50g
上記は目安量であるため、スポーツをしている場合などはより多くのタンパク質が必要になります。
良質なタンパク質をバランス良く取ることが重要!
ここまでタンパク質の必要性を紹介してきましたが、注意したいのは、良質なタンパク質を摂取しないといけないということ。
タンパク質は20種類のアミノ酸からできており、そのうち9種類は体内で作ることができないため、私たちは食物から取る必要があります。
そして、これら必須アミノ酸がバランス良く含まれている食品が良質なタンパク質なのです。
また、タンパク質には、肉・魚・卵・乳製品などに含まれる動物性タンパク質と、穀物類・豆類・野菜などに含まれる植物性タンパク質の2種類があります。
動物性タンパク質は脂肪分が多くはなりますが、バランス良く必須アミノ酸が含まれているという特長があります。
一方で、植物性タンパク質は、余分なエネルギーや脂質をカットしてタンパク質を取ることができます。
その分必須アミノ酸が少ない食品が多いのですが、大豆は魚や肉に匹敵するアミノ酸量を含んでいます。
したがって、動物性タンパク質と植物性タンパク質の両方を取ることが大切です。
タンパク質を取ろうとして、エネルギーや脂質を取り過ぎないようにしましょう。
食事のメニューを考える際に、脂肪分の多そうな肉ばかり食べないようにしたり、調理方法でエネルギーを抑える工夫をするのもおすすめです。
特にお子様がいる方にとっては、タンパク質は子どもの体を作る原料になるもの!
正しい知識を身に付けて、良質なタンパク質を取らせる食生活を意識したいですね。
【参考リンク】
・平成 23年国民健康・栄養調査報告 | 厚生労働省(PDF)
・日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要 | 厚生労働省(PDF)
●ライター/furaha(ベビーマッサージ講師)