夫婦仲が関係!? 子どもの「学習意欲」をアップさせる環境づくり
2016年2月23日 | よみもの夫婦仲が関係!? 子どもの「学習意欲」をアップさせる環境づくり

【ママからのご相談】
小学校3年生の息子が、学校の宿題をなかなかやりません。
学校から帰ってくるとすぐに遊びに行ってしまうし、やり始めてもすぐに飽きてしまい、テレビを見たり、漫画を読んだりと集中が続きません。
私も意識して声をかけるようにしているのですが、いつも宿題が終わるまでの戦いになります。
私が息子の様子に我慢がしきれずに、怒ってしまうこともしばしばあります。
自分から勉強するようになるいい方法はないでしょうか?
実は夫婦仲の良さが子どもの勉強のやる気を高めます。
ご相談ありがとうございます。家族を笑顔にする教師&6人の子育てパパ・荒川茂樹です。
子どもの勉強と家庭環境って、一見つながりがないように思えます。
でも、もし相談者さんが子どもだとしたら、どんな家庭でなら「勉強しようかな」という気になるでしょうか?
まずは、「ここでなら安心して勉強ができる」「集中して勉強頑張るぞ」など、安心して勉強ができる雰囲気、前向きに頑張れる雰囲気かどうかが重要な要素になるのではないでしょうか。
では、子どもが居心地良く感じる家庭とはどのような家庭でしょうか?
それは、親の仲が良く、子どもを受け入れる雰囲気がふんだんにある温かさです。子どもは親の姿をよく見ています。そして、敏感に察知します。
夫婦の仲が良く、いつも笑顔にあふれ、コミュニケーションも積極的に取る。
そんな両親を見ていたら、子どもの心はどんどん優しく、輝いていきます。
また、ご両親のお子さんへの関わりが常に肯定的で、愛情にあふれていれば、子どもの心も愛で満たされ、やる気も湧いてくるようになりますね。
勉強をするためには、それなりのパワーが必要です。そのパワーの根底を作るのは、誰でもないご夫婦の良き関係なのですよ。

子どもが勉強するようになる環境作り2つ
(1)親の言葉かけを工夫しましょう
子どもは、ママのことが大好きです。そのママから褒められるようなことが多ければ多いほど、やる気が出てくるものです。
そこで心がけて欲しいのは、「勉強しなさい」「なんでやらないの」などのような否定的な言い方です。
今村暁さんの著書『子どもの成績を決める習慣教育』でも、「勉強しなさい」という親の言葉の弊害を述べています。
言われれば言われるほど、子どもは勉強へのやる気を失っていってしまうからです。ではどうするか!
お子さんと話し合い、勉強する時間を明確に決めてください。
その時間帯に自ら勉強をしたら“褒める”。できなかったら、グっとこらえて“何も言わない”。
これをまず2週間続けてみてください。褒めるときは、ものすごくうれしそうに、大げさに! これが重要なポイントです。
2週間でたった1回かもしれません。でも、大好きなママが褒めたことは確実に子どもの心に残っています。
さらに、お子さんが進んで勉強したことがうれしかったことを、オヤツや夕食時の話題に出すのも良い方法ですね。
お子さんが自分から勉強する日が少しずつ増えてきたらしめたもの!
どんどん“ほめ褒め作戦”を行なうことで、学習習慣があれよあれよという間に付いていくようになりますよ。
(2)宿題の量チェック大作戦
お子さんは、日々の宿題がどれくらいあるのかを把握できているでしょうか?
もしできていないで、いざフタを開けてみたら大量の宿題があった……なんてことがあれば、大人でも嫌になってしまいますね。
そんなときの対応策をご伝授します。
お子さんが学校から帰ってきたら、やることは
・1……宿題をすべてリビングのテーブルに出す
・2……1つの問題だけやってみる
・3……遊びに行ってもOK
この重要なところは、“宿題の全体量チェック”“宿題の難易度チェック”を自分自身で確かめさせることです。
だんだん慣れてくると、どのくらいやれば終わるかという見積もりができるようになっていきます。
見通しを持って学習ができる子どもってステキですよね。
勉強する環境ができていますか?
お子さんが安心して勉強できる環境づくりとして、家庭における学習環境があります。
例えば、息子さんが勉強を始めるときに、下のお子さんは何をしているでしょうか?
そこで、テレビを見ていたり漫画を読んでいたりしたら、気になってしまうのは仕方のないことです。
また、ママさんが携帯やパソコン操作をしながら、なんとなくお子さんの様子を見ていたとしたら、それも集中をそらせる要因になってしまうんです。
だから、お子さんが勉強をする時間になったら、家族も協力をして勉強しやすい環境を作ってあげることが、親御さんの重要な役目なのですよ。
ママさんは、“下のお子さんと静かに読書をする”“一緒になって勉強する”などをしながら、息子さんの様子をよく見ていてあげるようにしてくださいね。
心からの応援がやる気を起こします
お子さんの勉強に対して、親のできることは限られています。
しかし、工夫しだいでさまざまな協力・応援ができるようになります。
親が勉強できる環境を整えていくことが、お子さんだけでなく、家族を笑顔にしていくことにもつながっていくのです。
【参考リンク】
・『子どもの成績を決める「習慣教育」』今村暁・著
●ライター/荒川茂樹(プロ学習講師)