お願いだから逃げないで! 子どもが「歯磨き」を嫌がるワケ&対処テク
2016年2月10日 | よみものお願いだから逃げないで! 子どもが「歯磨き」を嫌がるワケ&対処テク

【ママからのご相談】
3歳の息子がハミガキを嫌がっていて本当に困っています。朝忙しいときでも逃げ回るような次第です。
虫歯にはさせたくないですし、歯医者に行くのもどうかと思って悩んでいます。何かうまくハミガキができるような方法はないでしょうか。
歯磨きが苦手な子は痛さと怖さを感じています。それをなくしてあげましょう。
こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。ご相談ありがとうございます。
幼児が歯磨きを嫌がるには、理由があります。これをクリアすれば、きっと相談者様のお子さんも歯磨きをしてくれるようになるはずです。
今回は専門的なことでしたので、娘が通っている歯科医院の歯科衛生士さんからお話を伺ってきました。

歯磨きを嫌がる理由とは?
歯磨きをしようとするお母さんの顔って、子どもの目線から見ると意外に怖いものです。
それには理由があって、親の焦りが表情に出てしまうからなんです。
その上、「歯磨きしないと○○になっちゃうからね」なんてことを聞いたらどうしても歯磨きが嫌になってしまいます。
そして、痛さも嫌がる理由の1つです。
子どもの歯は小さいので、歯に歯ブラシを当てていても歯ぐきにもあたってしまっています。歯ぐきに歯ブラシがあたると子どもの場合は痛さを感じてしまいます。
痛く感じてしまうポイントはまだあります。上唇と歯ぐきをつなぐ『上唇小帯』です。
ここも歯ブラシがあたると痛く感じてしまうため、「歯磨きキライ!」となってしまうわけです。
気持ちを聞き出してみる
子どもに「歯磨きをしよう」と言うと、「やだ!」という返事が返ってくることがありますね。
このようなときは、オウム返しをするようにして、嫌だと思っている理由を聞き出すことが大切です。
子どもが「やだ」と言ってきたら、「どうして嫌なの?」と聞きます。
幼児ですと、「やだからやだ!」と返ってくることもあるかと思います。
そんなときは、「お母さんが痛いことしたからかな? ごめんね」と子どもの目線でゆっくり話してあげる方法が子どもの心に届きます。
大好きなお母さんからの「ごめんね」を聞いた子どもは、案外素直に話をしてくれます。
その後は、「歯磨きのとき、お母さんはどういう風にしたらいいかな?」という感じで子どもに話させてあげてください。
そうすると、自分の気持ちを言ったことを聞いてもらえた子どもは、素直に歯磨きに向かえるようになります。
無理強いしても泣かせたり、余計に意固地にさせてしまったりしていいことは1つもありません。気持ちを聞き出してみることが大切です。
歯磨きテクニック
娘が通っている歯科医院の歯科衛生士さんからお話を伺ってきました。
大切なのは、歯に歯ブラシを当て、磨くようにすることだそうです。
そのためには、歯ブラシの磨く部分が子どもの前歯2本分の長さのものを使います。
対象年齢が書かれていますが、あれはあくまでも目安です。買う前に子どもの前歯に合っているか見てあげましょう。
合っている歯ブラシを買ってあげると、歯磨きがスムーズにいく上に、ちょっと気をつけるだけで、痛くない歯磨きができるようになるそうです。
歯磨きポイント
・歯ブラシは歯にだけ当てる
・歯ぐきが心配なら濡らしたガーゼでさっと拭くようにする
・上唇小帯に歯ブラシがあたらないよう、指で押さえてあげる
・歯ブラシは細かく優しく動かす
・鏡を持たせて自分の歯を磨いているところを見せる
こういった小さい方法を使うことで、歯磨きが楽しくなるように仕向けることができます。
私も子どもたちが小さいときは歯磨きで苦労しました。泣き叫ばれそうになったこともあり、前出の歯科衛生士さんに相談させてもらいました。
心に寄り添うこともそうですが、痛くないようにしてあげることもすごく大切なポイントだということでした。
小さいうちから歯磨きは大変です。
ただ、ポイントがわかれば、痛い思いをさせないだけでなく、子どもの意見も引き出すことができるので、いい親子関係を持てるようになります。
また、自発的な歯磨きを促すことにもなりますよ。
ご相談ありがとうございました。
【参考文献】
・『子どものこころが動きだすことば』七田眞・著
●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)