黒豆はなぜ入ってるの? 「おせち」にまつわるマメ知識集
2016年1月26日 | よみもの黒豆はなぜ入ってるの? 「おせち」にまつわるマメ知識集

日本のお正月の風物詩といえば、“おせち”。 今回はこのおせちのいわれについてお話ししていきましょう。
おせちの品名や食材には意味がある
“おせちに何を入れるか”というのは家によって違うと思います。ここではいくつか代表的なものを紹介しましょう。
まず、黒豆。これは「まめまめしく働く」というところからきています。
次に、たづくり。これは「田作り」という漢字を当てます。名前からもわかるように、「田んぼを作ること」につながっています。
かつて肥料としていた“ごまめ”を使うことからきているのだとか。
名前からイメージしやすい数の子は、子孫繁栄の願いが込められています。
エビには、「背中が曲がるほどまでに長生きできるように」という思いが込められています。また、エビにはヒゲの長いものもいますから、これも「ヒゲが長くなるまで長生きできるように」という長寿の願いが込められています。
栗きんとんの場合は、色が黄金をイメージさせることから縁起物とされています。
このため、くりきんとんの色は濁ってはいけません。ミョウバンなどを使い、しっかりと色止めを行いましょう。
ナマスは紅白で仕立てています。このほかに、紅白卵を作るおうちもあるでしょうが、それも同じところからきています。
タイのこぶ締めについては、「めでたい」と「よろこ(ん)ぶ」からきています。ばらばらに料理をするところもあります。

お重にも意味がある
実は、おせちは、中身だけでなく、“外側のお重”にも意味があります。
一の重には、上であげた黒豆などを入れます。二の重には甘い物を、三の重には焼き豚や焼きえびを、与(四)の重には煮物を入れ、五の重は空にしておくのがもっとも正式な形です。
ただし、現在では一の重と二の重を一緒にして三の重の中身を二の重に、与の重を三の重に入れることもあります。また、五の重は用いない、というケースもあります。
“空になっている五の重”の意味は、「まだまだ詰められる余地を残し、子どもにそれを詰めさせる=子どもや孫の代でも栄えるように」という意味が込められているとも言われています。
また、これはあくまで私自身が母から聞いた話なので、出典は明らかではないのですが、「五の重は神様に召し上がっていただくためのお重だから、空(かすみ)が入っているのだ」というものもありました。
これらのうんちくを知った上でおせちを楽しみたいですね。