ママの所有物じゃない! 親が子どもを“支配”する弊害&改善法
2016年1月25日 | よみものママの所有物じゃない! 親が子どもを“支配”する弊害&改善法

【女性からのご相談】
29歳のOL独身です。4歳上の実姉のことです。彼女には、12歳と10歳の娘がいます。12歳の長女には異常に厳しく細かいことにも逐一口を出します。
長女が叱られているときに、そのときの状況などを説明しようとしているのに、「いいから! 親に口答えはなし!」とはねつけます。
私が、「あまりにも厳し過ぎる」というと、「今、しっかりしつけないと反抗期に手がつけられなくなる」と言います。
「後々あの子にはこの家に住んでもらうから、大学などには行かせる必要なし!」などとすでに将来のことまで決めている始末。
自分の老後も家で見てもらうとも言っています。あまりにも、身勝手だと思いませんか?
子どもは親の所有物ではありません!
ご相談ありがとうございます、ライターの渦マキです。
お姉さまは、かなり厳しい方のようですね。
長女の将来まで母親が決めてしまうなんて……うーん、長男・長女に家を継がせて親の面倒もみるといった、かつて田舎などにみられた古い風習のようですね。
この状況のまま娘さんが育っていくにつれ、問題が生じてしまいます。

おかあさんが子どもを支配する弊害
まず、相談者さまのお姉さまは、完全に長女を支配しようとしていますよね。
子どもさんに次々に命令を出して、自分で考えて行動させることをさせていません。
そのような育て方をしていることで、子どもは親の言われた通りにしか行動せず、受け身姿勢になっていきます。
子どもは、自分で考えて行動することで達成感を得て自信がつき、次のステップを目指して行きます。
このままでは、人をあてにせずに自力で成し遂げて行く“自立心”がまったく育たないことになります。
相談者さまのお姉さまは、それを目的として育てていらっしゃるといえるでしょう。
少し厳しい言い方になってしまいますが、それは“子育て”とは言えません。
わが子を自分の都合のいい人間につくりあげて依存していくことは、詰まるところ、自分しか見えていないということですね。
子どもは決して“私有物”ではありません
たとえ自分でお腹を痛めて産んだとしても、子どもは親の“私有物”ではありません。ひとりの“人間”であり、いずれは親の元を離れて巣立っていきます。
「子どもはいつかお返しする授かりもの」と常に心にとどめておくことを認識しましょう。
そうすることで、“自分の思う通りに子どもが育っていない”とイライラすることもなくなるでしょう。
親が抱えるそのイライラは必ず子どもに伝わるものです。
相談者さまは、お姉さまに以上のことをしっかり伝えてください。
自分の意志を伝えようとしても、「親に従え!」と封じ込められてしまうような育てられ方では、いつまでも親の私有物のままになってしまいます。
年齢だけ重ねても、精神面では大人になることができなくなってしまうのです。
また、親御さんが心配しなくても、子どもたちは立派に育ててくれたという感謝の念は忘れないでしょう。
【参考文献】
・『PHPのびのび子育て2016年1月号』PHP研究所
●ライター/渦マキ(フリーライター)