育児用との違いは? 赤ちゃんに与える「フォローアップミルク」の知識
2016年1月22日 | よみもの育児用との違いは? 赤ちゃんに与える「フォローアップミルク」の知識

【ママからのご相談】
子どもが来月で8か月になります。6か月ごろから離乳食を始めて、混合で育てているので、ミルクと母乳を同じくらいの割合で与えています。同じ月齢の子を持つママたちで集まったとき、もうすぐフォローアップミルクだという話題になりました。
ミルクをあげているママ友はみんなフォローアップミルクに切り替えるようなのですが、本当に必要なのでしょうか。離乳食もよく食べているし、私自身は必要性がいまいちわからないのですがどうなのでしょうか。
必要な鉄分が取れていれば特に必要ありません
ご相談ありがとうございます。ママライターのマフィーです。
順調に離乳食が進んでいるようでなによりです! 食べてくれるというだけで気が楽になることがありますよね。
さて、フォローアップミルクですが、私は自分の子どもに飲ませませんでした。
特に飲ませないというこだわりがあったわけではありませんが、ほぼ母乳で育てていたこともあり、子どもの栄養不足を指摘されたこともありません。
ただ、9か月になったらフォローアップミルク、というなんとなくの意識はありますよね。
ではフォローアップミルクは、なぜ飲ませようと言われているのでしょうか。

フォローアップミルクは主に鉄分不足を補うもの
フォローアップミルクを一言で説明すると、「離乳食で不足する栄養成分を補うことを目的に成分組成を調整した補完食品」です。
フォローアップミルクは、牛乳の代わりになる栄養素という観点から生まれました。
牛乳は手に入りやすく、安価で、たんぱく質やカルシウム供給源としてとても優秀な食品です。一方で、月齢の低い赤ちゃんが口にすると、アレルギーを引き起こす可能性や貧血になる危険性があります。
このような牛乳の欠点を補い、離乳食時期に不足しがちな栄養素を組み入れたものがフォローアップミルクです。
牛乳では不足しがちな栄養素は以下の通りです。
●鉄分……レバー、パセリ、卵黄、あさり、ほうれん草などに多く含まれる
●ビタミンD……しらす干しなどの魚類に多く含まれる
●ビタミンC……ピーマン、アセロラなどの野菜や果物に多く含まれる
子どもの好みにもよりますが、特に鉄分は離乳食では摂取しづらいと言われています。
こういった、離乳食の時期に食事では取りにくい栄養素がフォローアップミルクには含まれています。
「不足しがちな栄養素を取れる」と聞くと、絶対に取らないといけないと思ってしまいますが、厚生労働省の『改定 離乳の基本』には『生後9か月ころから離乳食とは別に、鉄欠乏、腎への負担、蛋白質過剰などを考慮しつつ、母乳または育児用ミルクを1日2回程度与える』とあります。
もし、離乳食をきちんと食べてくれなかったり、好き嫌いのムラが激しく栄養不足が懸念されたり、という場合はフォローアップミルクが必要かもしれませんが、離乳食をよく食べて母乳が出ているのであれば必ずしも必要なものではありません。
育児用ミルクとフォローアップミルクの違い
普通の育児用ミルクと比較した場合のフォローアップミルクは、
・たんぱく質が多い
・鉄分が多い
・炭水化物が多い
・カロリーが少し低い
・価格が少し安い
・銅や亜鉛が入っていない
という違いがあります。これに加えて、各ミルクメーカーによってオリゴ糖やDHAなどが添加されています。
ただ、助産師の浅井貴子さんは、『鉄分について、育児用が6から7ミリグラム、フォローアップが8ミリグラムと若干多いだけ』とも言っています。
このことからも、離乳食をきちんと食べて鉄分が取れているのであれば、母乳や育児用ミルクを継続していっても構わないということが分かります。
赤ちゃんに必要な1日の鉄分量の目安
では実際に、どれくらいの鉄分を摂取すればよいのでしょうか。
厚生労働省の乳児の食事摂取基準によると、9か月から11か月の子どもに推奨されている鉄分は男児で1日5.0mg、女児で1日4.5mg。食べた分量の約15%が栄養として吸収されると言われています。
鉄分の吸収率の悪さを補うためには、ビタミンCが含まれている食品を一緒に摂取するのが効果的です。
レバーペーストを使った離乳食とともに果物を食卓に出すなど、組み合わせることが吸収率を高めるポイントです。
母乳、育児用ミルク、フォローアップミルク、これらは子どもに満足な栄養素を保管するための選択肢です。もちろん食事で栄養素を取ることが基本ですが、まだかみ砕きづらいものや味覚的に食べられないものが多くある時期です。
取って欲しい栄養素を含む食品を食べてくれなかったときなどの、1つの道として考えておけば良いのではないかと思います。
●ライター/マフィー(ママライター)