またコレ読むの!? 子どもが「同じ絵本ばかり選ぶ」理由と対処法2つ
2016年1月12日 | よみものまたコレ読むの!? 子どもが「同じ絵本ばかり選ぶ」理由と対処法2つ

【ママからのご相談】
3歳の息子がいます。寝る前に絵本を読むのですが、お気に入りの絵本ばかりセレクトします。せっかく本屋や図書館で新しい本を見つけてきても同じのばっかりです。
うちの子大丈夫でしょうか。
大丈夫です! 大切にしたい心が育っている証拠です。お子さんが飽きるまで付き合ってあげましょう。
寝る前の親子読書の習慣がついているなんてとても素晴らしいですね。習慣になっているからこそいろいろな本を読んであげたいと思われるのかもしれません。
麻布学園国語科教諭の中島克治さんも著書『小学校入学前にことばの力をつけるの魔法の本棚』で同じ絵本を繰り返し読むことは、お子さんのことばの力をアップさせるためにも良いと以下のように紹介しています。

繰り返し読むことは“言葉の力”をアップさせる
絵本ならではの言葉の美しさ
編集や制作の過程の中で膨大な手間がかけられた絵本は、その文ひとつひとつが短くても、選び抜かれた美しい言葉が使われています。
そのため、お子さんが何度読んでも味わい深く楽しめるものとなっています。
ことばの世界を広げるチャンス
繰り返し読むことで耳から体に染み込んだ絵本のことばを、絵本を読む時間以外の生活に生かすことができます。
言葉を使う楽しみを味わうことができます。
お子さんにとっても耳なじみのある大好きな言葉、知っている言葉がふとしたときにお母さんの口から出てきたらお子さんはきっと大喜びですね。
言葉の力をつけるためにも、一冊のお気に入りを読みこむ幸せをお子さんに与えてあげることが大切。
根気よく付き合うとある日するっと満足して卒業するとのことです。
筆者の2人目の子も、赤ちゃんのころから上の子の絵本を読む時間に同席しているせいか、年齢の割に言葉が達者です。
そしてその子がセレクトする入眠前の絵本も、「また、それ?」ということがよくありました。
まだ字も読めないころに、お気に入りの絵本の内容を全て暗記しており、ある日突然声に出して読んでくれるようにもなっていました。
これもお気に入りの絵本を繰り返し読んだからだとも実感できます。
お子さんのお気に入り絵本を、お子さんが飽きるまで付き合ってあげていただきたい思います。
それでも、もっとさまざまな本を読んであげたいというときにおすすめしたい対処法を筆者の経験からご紹介します。
新しい本を読んであげたいときの対処法2つ
(1)お子さんに絵本を選ばせる
図書館や本屋さんにお子さんと一緒に行って、お子さんに最終セレクトをしてもらいましょう。
3歳くらいでは多数の絵本の中から、初めての絵本を選ぶのは難しいかもしれません。
その場合は、読んであげたい絵本を3つくらい事前に選んでおき、最終セレクトをお子さんに委ねてみてください。
自分が選んだ絵本! といううれしさも加わり新しいお気に入りの一冊になることでしょう。
(2)一冊の昔話をまず読みこむ
日本昔話や海外の名作は、さまざまな出版社から多数のバリエーションで出版されています。
たとえば、日本昔話の名作『かさじぞう』を図書館で探すと4〜5冊は見つかることがあると思います。
お話の内容は同じでも表紙が違ったり、絵本のタッチや言い回しが異なったりしますので次の絵本を探すきっかけになり、新しい一冊との出会いが広がるスタートとなるかもしれません。
同じ絵本ばかり繰り返しせがむということは、絵本自体の内容が好きということもあるかもしれません。
しかし、それ以外に以前にお母さんにこの絵本を読んでもらった時間が心地良くて、その記憶も含めて大切にしたいという証明とも考えられるかもしれません。
心配せずとことんお子さんのお気に入り絵本に付き合い、新しいお気に入り絵本がひとつでも多く増えると良いですね。
【参考文献】
・『小学校入学前にことばの力をつける魔法の本棚』中島克治・著