家庭環境が訳アリ? 子どもの友達が発する“暴言”の原因と対処法
2015年12月21日 | よみもの家庭環境が訳アリ? 子どもの友達が発する“暴言”の原因と対処法

【ママからのご相談】
専業主婦35歳です。小学校4年生の息子の友だちについてです。友だちのAくんは、よくわが家に遊びにきて息子のおもちゃなどで一緒に遊んでいます。
最初は機嫌良く遊んでいるのですが、そのうちキレて息子に暴言を吐いたり、先日などは新しいおもちゃにマジックで“バカ”などと落書きしました。
最近息子から、「Aくんのお父さんはおうちからいなくなった」ということを聞きました。おかあさんとは、以前何度かあいさつを交わしたくらいです。
家に電話を入れると波風がたつので避けたいのですが。
家庭環境が不安定な家で育つと子どもに影響を及ぼします。
ご相談ありがとうございます、ライターの渦マキです。
親同士が懇意にされていないとなると、Aくんの様子を先方のお母さまに伝えることは少し難しいですね。お気持ちをお察しします。

寒々とした家庭環境で育った子どもは不安定になってしまいます
筆者が放課後児童クラブに勤務していたとき、小学校3年生の女の子がいました。年齢のわりに大人っぽく世話焼きタイプで、しっかりした子どもでした。
しかし、時々下級生の宿題を見てあげていたと思うと、「お前、こんな簡単な問題もできないの? バカか!」などと、かなりとげとげしい言葉をあびせます。
後から勤務しはじめた筆者にも、「いぇい! おばさん!」などの言葉も飛んできました。
彼女のおかあさんは、何度かお迎えを忘れてしまったりもしたのですが、その度に先生たちに一生懸命おかあさんをかばうような言葉を言ってきました。
後から知ったのですが、彼女の家庭もかなり複雑だったようです。
複雑な家庭に育つと乱暴になる理由
家庭の中が落ち着かないとなぜ子どもは乱暴になるのでしょうか?
両親が不仲であったりすると、親同士の憎しみのぶつけあいを目の当たりにしてしまうことが多くなり、精神的に不安定になってしまいます。
不安な気持ちから逃れるため、また自分の身を守るために乱暴になってしまうのです。
相談者さまの息子さんのお友だちのAくんにも、そのような環境が身近にあったのかもしれません。
家庭において毎日いざこざが絶えず、波立つ感情のまま大人たちがAくんに接してしまったことも考えられます。
やさしく声をかけてみましょう
まだ10歳のAくんは、お家で甘えることも許されていない、もはや家庭は安らげる場所ではないのかもしれません。
Aくんが相談者さまのお宅に遊びにきたときには、できるだけやさしく接してあげてください。
たとえば、息子さんに、「今日は、学校どうだった?」と聞いた後に、Aくんにも、「Aくん、何かいいことあった?」など、たわいもない会話で十分です。
それでも、またAくんが息子さんに暴言を吐いたとしたら、「どうしたの? ご機嫌ナナメなのかな? もし、Aくんがそんなこと言われたら? 悲しいよね。みんな同じなんだよ」と、Aくんの目をしっかり見て質問してみてください。
家庭での冷えきった空気に慣れてしまったAくんの心をときほぐしてくれるでしょう。
もしも、その後も暴言やいじわるな行動が見られるようであれば、Aくんのおかあさんに何があったかをお話しして相談してみましょう。
【参考文献】
・『子どもが育つ魔法の言葉』ドロシー・ロー・ノルト/レイチャル・ハリス<著>
●ライター/渦マキ(フリーライター)