想像以上にツラすぎる! 妊娠初期の“つわり”基礎知識&対策まとめ
2015年12月4日 | よみもの想像以上にツラすぎる! 妊娠初期の“つわり”基礎知識&対策まとめ

待望の妊娠発覚で「うちにもコウノトリがやってきた!」との喜びもつかの間、多くの女性を苦しめるのが妊娠初期の“つわり”。よくドラマなどで突然「うっ」とトイレに駆け込んでつらそうにしているシーンを見かけますよね。
でも実際、自分の身に降りかかると「どうしたらいいかわからない」「助けて!」という新米ママも多いはず。そこで今回は、この“つわり”について、基礎知識と対処法をまとめてみました。
(作成:パピマミ編集部・原)
50%以上の妊婦を悩ますと言われている“つわり”。そもそもなぜ起こるの?
つわり(悪阻)とは
妊娠初期から多くの妊婦さんに起こりうる悪心、吐き気、胃や胸のむかつき、嘔吐、嗜好(しこう)の変化、眠気、イライラ、頭痛などの症状を総称してつわりといいます。程度や持続期間は個人差も大きく、妊娠の度に違うこともあり、早ければ5週ごろから始まり、10~12週ごろには治まりますが、16週ごろまで続く場合もあるようです。
なぜつわりが起こるのか
現在、つわりのはっきりとした原因はまだ特定されていませんが、妊娠すると子宮の中から『ヒト絨毛性ゴナドトピン』というホルモンが、脳の嘔吐中枢を刺激して吐き気が起こるとされています。また、黄体ホルモンも急激に増えて体内の代謝が変わるため、その大きな変化に自律神経のバランスが崩れ、吐き気や頭痛などという症状が出てきます。
胎盤が未熟であるため、精子の侵入や胎児を母体が異物と判断して、アレルギー反応を起こしてしまうこともあるようです。その他にも母体をあまり動かないようにして、流産を防ぐためということも考えられています。
残念ながら、今現在つわりのはっきりとした原因は特定されていないようですが、“病気”ではなく“おなかの赤ちゃんがすくすく成長している体のサイン”と考えることで少し気持ちが楽になりませんか?
また、どんなにつらくても必ず終わりはやってきます。
つわりにも種類があるの!? 知っておきたい種類別の対策
(1)吐きづわり対策
まず多くの方が経験している“吐きづわり”。せっかく食べても吐いてしまう、食べても食べなくても気持ちが悪いもの。
これはわたし自身が経験者としてご紹介します。対策としては
・飲める飲み物を探す(わたしの場合は水もダメだったのでレモン系の飲み物)
・何でも良いから食べられるものを探す
・水分すらとれない場合は無理せずに病院へ(2)食べづわり対策
食べづわり経験者(32歳/2児の母)に話を聞いてみました。太りすぎないための対策としては
・小さいおにぎりを作って少しずつ食べる
・食事を少量にして回数を増やす(少量の1日5回食など)
・酢昆布をずっと食べていた(3)眠りづわり対策
とにかく寝ても寝ても眠い、という“眠りづわり”というものもあります。経験者(29歳/2児の母)に聞いてみると、
・とにかく寝られるときは寝る!
(4)よだれづわり対策
わたしが見た中で一番つらそうだったのが“よだれづわり”というものの経験者(29歳/1児の母)です。
口の中にどんどん不快な唾液が出てきて、飲み込むことも気持ちが悪いというもの。対策としては
・無理に唾液を飲み込もうとしない(吐いてしまうらしい)
・アメやガムでごまかせる場合はごまかす
・外出時はペットボトルや空き缶に唾液を捨てる
あなたのつわりはどのタイプでしたか? どれもしんどいことに変わりはありませんが、自分のつわりのタイプを理解し、同じ苦しみを経験した先輩ママの乗り切り対策がお力になると幸いです。
気持ち悪くて全然ごはんが食べられない……どうすればいいの?
つわりで気持ち悪くて思うように食べられないと、おなかの赤ちゃんの成長や、これから先の妊娠生活などの不安で押しつぶされそうになりがちですよね。でも、食事のとり方を少し工夫するだけで、これらの不安やつわりを軽減できるようになります。
(1)食べる物を変える
今までの食生活を続けようとするため、辛さが増します。つわり期は、“自分の食べられるもの”を少量口に入れるようにしましょう。例えば、こんなものなら食べやすいのではないでしょうか。
・赤ちゃんのこぶしくらいの小さいおにぎり
・具のないにゅうめん
・フルーツゼリーやプリン
・茹でた温野菜にドレッシングをかけたもの(1~2個)上にあげたような、口当たりがよくて、優しいものを中心に食べるようにしてみます。
(2)食べる回数を変える
つわり期は、1回の食事を5~10ほどにわけるといいでしょう。1口か2口で食べられるものを、30分おきに食べるようにすることで、「赤ちゃんのために、無理をしてでも食べなくてはいけない」という強迫観念のような気持ちが解かれますので、安心して食事をすることができるはずです。
“そのとき自分の食べられるものを少しずつ食べる”ことが大切です。「赤ちゃんのために何が何でも絶対食べなくては」という強迫観念を解放し、無理のないように食べられる範囲で食事をとるように心がけるといいですね。
マグネシウム摂取でつわり期の栄養不足解消!
今までバランスの良い食生活をしていたとしても、妊娠をすると赤ちゃんの分まで栄養が必要となるため、特定の栄養素が不足しがちになり、結果的につわりを始めとしたさまざまな症状が引き起こされることがよくあります。
妊娠期に必要量が増える栄養素
・熱量(カロリー)、たんぱく質、脂質
・ビタミンA、ビタミンD
・ビタミンB群:B1、B2、パントテン酸、B6、ビオチン、B12、葉酸
・ミネラル:マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、セレン葉酸の必要性は、近年よく知られるようになりましたが、他にも、ビタミンB6はつわりの第一選択薬にもなっています。
そして、ビタミンだけでなく、ミネラルの必要量も妊娠中には増えるのです。中でも今回は、マグネシウムに焦点を当ててみたいと思います。
マグネシウムが不足すると……
ー初期に見られる症状としては
(1)食欲不振
(2)無関心
(3)衰弱
(4)便秘
(5)不眠症ーさらに悪化するとこんな症状が
(1)吐き気や嘔吐
(2)低血糖症(頭痛、めまい、だるさなど)
(3)コムラ返り
(4)ものが飲み込みにくくなるまた、マグネシウムは医療現場では、便を柔らかくする目的や、胃酸過多、逆流性食道炎の症状緩和、妊娠高血圧腎症の予防を目的として処方されたりもしています。
ーマグネシウムを多く含む食品
(1)大豆、大豆製品
(2)魚介類
(3)海藻
(4)ナッツ類
つわりで気持ち悪いときでも、さっぱりした冷奴や海藻サラダ、おやつにナッツ類なら食べられそうですね! 妊娠中は特にマグネシウム不足に気をつけましょう。
パピマミ読者に聞く、つわり中にハマった食べ物 or 飲み物は?
・1位:油物類(ハンバーガーやフライドポテトなど)……22%(81人)
・2位:炭酸飲料……20%(76人)
・3位:かんきつ類(グレープフルーツ・みかんなど)……14%(53人)
・4位:ナシ・リンゴなど……11%(41人)
・5位:果菜類(トマト・カボチャなど)……9%(33人)
・6位:甘味(お菓子やスイーツなど)……9%(32人)
・7位:その他……7%(27人)
・8位:炭水化物(米・麺・パンなど)……4%(15人)
・9位:乳製品(牛乳・チーズ・ヨーグルトなど)……3%(10人)
・10位:酸味がある飲料……2%(6人)※有効回答者数:374人/集計期間:2015年10月30日〜2015年11月2日(パピマミ調べ)
「つわり中は酸っぱいものが食べたくなる」とよく聞きますが、実際は油っこいものにハマる人が多いようです。適量であればつわり中のストレス解消になると思いますが、くれぐれも食べ過ぎないように注意してくださいね。
気持ち悪くて作れない……つわり中の“上の子&夫”への食事対策
旦那様や、お子さんの体調&栄養管理は、母親として一番重要なお仕事ではないでしょうか? だからこそ、悪阻で思うように食事を作れなくなることを不安に思う気持ちは、母親として当然です。
しかし、これからの長い人生。あなたは家族のことを思い、食事を作り続けるのですから、悪阻で苦しんでいるときくらい手抜きしても大丈夫!案外、みんな悪阻中は手抜きしていますよ。
子どもの「おなか空いた」は突然やってくる
ー(1)ご飯
対策のひとつとしては、必ずご飯を炊いておきましょう。ご飯さえあれば、あとはふりかけ・生卵・漬物・納豆・ノリ……。なんでもかけてしまえばOK。お米の炊ける匂いがNGでしたら、気分の良いときにまとめて炊いておいて、冷凍しておくのも良いでしょう。レンジで温めるだけのご飯も便利です。
ー(2)すぐに食べられるものを常備
ヨーグルト・ゼリー・チーズなど、すぐに食べられるものを買いだめしていました。果物は手軽なバナナやみかんがオススメ。体に良い食べ物ですので、常備しておくと便利&安心です。
ー(3)ネットスーパー・宅配などを上手に利用
ネットスーパーで、パスタやラーメンをまとめ買いしたり、気分の良いときに散歩がてらお惣菜を買いに行っていたママ友もいました。
生協には質の良いレトルト食品や、湯銭で食べられる調理済みのおかずが売られているそうです。自宅まで宅配してくれるのも、お子さんがいる悪阻中のママにはうれしいですよね。今は冷凍食品も充実しているので、うまく利用したいもののひとつです。
旦那様対策
旦那様も、大切なわが子の食事に関しては心配しているもの。「思うように家族のお世話ができなくて、申し訳なく思っている」という気持ちを伝えることが大切です。
悪阻中は、お子さんだけでなく、旦那様の食事も、お惣菜やコンビニ弁当に頼ることが多くなるでしょう。
事前に、おいしい&旦那様好みのお惣菜が売っているお店をチェックして、リストを手渡すだけでも、あなたの気持ちが伝わるのではないでしょうか。
自分が気持ち悪くて食べられなくても、やっぱり子どもの健康・栄養面には気をつけてあげたいのが親心。子どもの「おなかすいた」は突然やって来るので、手間暇かけずにすぐに食べさせられるものを準備しておきたいですね。
2人目妊娠中のつわり……まだ小さい上の子のフォローは?
「妊娠=悪阻=幸福なこと」だと教えてあげる
悪阻はとても苦しいものです。(中略)そんなあなたの様子を、お子さんはじっと見ています。ママを苦しめるものの正体がおなかの赤ちゃんだとわかれば、ただでさえナイーブになっているお子さんの心に負担がかかってしまうでしょう。
そうならないためにも、「妊娠=悪阻=幸福なこと」だと教えてあげましょう。
トイレに駆け込むときも、「応援してね!」と一声かけて行くだけでも随分違います。
ずっと寝込んでしまうとき
ずっと寝込むときにも対策が必要です。「ママのおなかには赤ちゃんがいるから、ママは赤ちゃんです。お世話よろしくね」と頼んでみてください。オママゴトでお料理をしてくれたり、自分の横に来て寝かしつけてくれたり、絵本を読んでくれたりと、“母親ゴッコ”を楽しんでくれていました。
また、折り紙やシール遊びなら、寝ながらでもできるのでオススメです。普段は長い時間DVDを見せていないというご家庭でも、DVDに頼ってみたり、新しいオモチャを購入したと言うママ友もいました。
一時保育の利用
どうしても遊んであげられないことが気になるのであれば、保育園の一時保育を利用してはいかがでしょうか?
ベビーシッターを頼んだり、市区町村が管理しているファミリーサポートを利用することもできますよ。
特に上の子がまだ小さい場合には、思い切り外で遊んであげたり、思ったように面倒が見てあげられずに不憫(ふびん)に思うママも多いのではないでしょうか。でも、お子さんを上手に巻き込めば、「大好きなママのため!」と力を貸してくれる心強い存在になってくれると思いますよ。
つわりを軽減してくれるおすすめアロマ2選
妊娠中は以前よりも嗅覚が敏感になってしまい、苦手な匂いでさらに気持ち悪くなってしまう人も多いのではないでしょうか。今回は、そんな吐き気と戦う妊婦さんにおすすめのアロマを2つ紹介します。
特におすすめなのは“グレープフルーツ”
すっきりと甘く香るグレープフルーツは、つわりのときにおすすめ。ハーブやアロマテラピーの専門店で精油が手に入ります。それをティッシュなどに数滴たらして一日に2~3回香りを嗅ぐと良いです。精油が手に入らない場合はスーパーに売っているグレープフルーツで代用可能。剥いた皮の部分を置いておけば十分リフレッシュできますよ。
愛用者が多い“ハッカ”
ハッカとは日本でのミントの呼び方です。専門店でミントの精油を購入しても良いのですが、ドラッグストアや量販店などにもハッカ油なら扱っているところが多いですよ。
こちらもハンカチやティッシュに数滴たらし、匂いを嗅ぐと良いです。グレープフルーツと同じ消化促進の作用があるほか、消臭作用も期待できるので、つわりで匂いが気になるときの強い味方になってくれます。
手軽に手に入り、つらいつわりの症状を和らげてくれるアロマ、ぜひ活用したいですね! しかし、妊娠中は避けた方がいいアロマもあるので、よくわからないときはお店の人に相談しながら選んでくださいね。
いかがでしたか?
つわりの程度は個人差があり、全く感じない幸運な人から、入院するほど重度の人までさまざまです。また症状や、食べられるものも人それぞれです。つわりは“病気”ではなく、赤ちゃんの成長に必要なものです。自分に合ったつわり対策で、いつか必ず来る「え?気持ち悪くない!」という日を心待ちに乗り切ってくださいね。
あと少しでかわいいわが子に会えますよ!