佐藤ママが3人の息子を東大に合格させるために実践したこと8つ
2015年10月19日 | よみもの佐藤ママが3人の息子を東大に合格させるために実践したこと8つ

【2児のママからのご相談】
中学3年男の子の母親です。来年は高校受験です。県内で有数の進学校を受験する予定です。
高校入試もまだなのですが、ぜひとも東大受験をさせたいのが本音です。
先頃話題になった3人兄弟を東大に合格させたお母さんは、どのような対策をとっていたのかとても気になっています。
今から、そのお母さんと同じ方法でやりはじめても遅いでしょうか? そもそも私にまねできるような勉強法なのですか?
ご相談ありがとうございます、ライターの渦マキです。
夏ごろだったか、3人の息子さん全員を灘高に入学させ、さらに東大に合格させたというスーパーお母さんを初めてテレビ番組で知りました。
勉強をリビングでやらせること以外は、筆者には到底ムリだろうと思いながら番組を見ていました。
その後、スーパーお母さん=佐藤亮子さんが本を執筆されていることを知り、再来年受験の息子にも真似できることがあるかなど少々興味本位で読みはじめました。
読んだ後に感じたことは、勉強方法や受験に向けての生活管理など、全てに渡ってお母さんの信念のもとに動いているようでした。
佐藤ママってどんな人?

息子3人を灘中学→灘高等学校に入学させ、さらに東京大学の理科三類(医学部)に入学させたことで話題をよんだ佐藤良子(さとう りょうこ)さん。
東大理III(医学部)と言えば、国内最高学府の大学である東大の中でも最も難関であり合格者は年にわずか100名と言われています。
つまり日本で最も優れた頭脳を持った秀才が入る学部! と言っても過言ではありません。
そんな東大理IIIに息子3人を入学させた佐藤ママの受験に対する持論はメディアでも取り上げられています。
特に受験を控える親御さんたちの間では、『プロママ』『奈良のゴッド』とも呼ばれ広く知られているようですね。
佐藤ママ自身は、大分県内の私立高校で2年間塾講師として英語を教え、後に結婚。
結婚した旦那さんの仕事の関係で、奈良県に移住し3男1女を生み専業主婦としての生活を送っていました。
「やっぱ、佐藤ママも東大?」と思いきや、出身大学は津田塾大学だそうです。
ちなみに、旦那さんは息子さんたちのOBとなる東大卒で職業は『弁護士』。しかし、子どもの教育には一切口を出さないそうです。
子どもたちの可能性を最大限に広げよう、と考え始めた教育法が、“奈良のゴッドマザー”と呼ばれる佐藤ママを作り上げたようです。
関連記事:いつから始める? 3歳を境に変わる子どもの“バイリンガル教育”の違い
息子3人を東大に合格させた佐藤ママが実践していたこと8つ

(1)お母さんが中心になって学習内容の配分や時間の管理をする
小学校から高校までの宿題はすべて、お母さんがチェックしていたそうです。
日曜日も隔週で特別授業に参加させ、すごい量の宿題が出されても午前1時までかかってやらせていたという徹底した学習です。
音を上げない子どもさんもすごいですね。
佐藤家の場合は、お母さんが元塾講師の経験もあり得意分野といっても過言ではないスキルがあったのでできたこと。
学習配分をするには、子どもたちの全教科の内容を把握していなければできないでしょう。
筆者も含め一般家庭のお母さん方には、かなり難易度が高そうですね。
(2)食生活にも十分注意を払い、ポテトチップスやチョコレートなどのおやつは一切与えない
テスト前に遅くまで勉強しているときのご褒美として普段食べられないカップラーメンを用意しておいたそう。
食生活についての管理は、比較的容易にできるかもしれません。ただ、佐藤家と同じようにする必要はありません。
今まで好きな食べ物を食べていたのに、やめてしまうことで子どもが不自由さを感じて、受験への熱意がなえてしまう危険があります。
佐藤家とは逆の発想で、試験勉強のときはお母さんの心がこもった手作りの夜食が効果的ではないでしょうか。
(3)テレビはあえて夏は暑く、冬は寒い部屋に置く
1番上の子どもさんが生まれる前に、すでにテレビは子どもが行きたがらない部屋に移動されたそうで、すべての時間を絵本の読み聞かせや童謡のCDを聞かせるために使いたかったといいます。
それ以降も、1時間のドラマなどを“時間を守ること”を前提で見せる以外は、テレビやゲームは一切なしで通されました。
テレビは一般家庭では普通に見ているものであり、それをいきなり全面禁止とするのは考えものです。
試験前のスマホやゲームは、お母さんが預かって1日1時間くらいならOK。
自室のテレビは親が目の届く別室に移動するという方法などでもよいでしょう。
(4)勉強机はリビングに置く
子ども部屋が2階にあったとしたら、食事の後個室にこもる寂しさを解消するためにゲームなどの楽しいことに逃げてしまうだろうという理由からです。
勉強机をリビングに移動することは、スペース面を考えても一般家庭では思いのほか難しいもの……机や書棚も小学生サイズとは違います。
時間を決めるか、勉強範囲を決めて終わるまでリビングやお母さんの目が届く場所でやらせる方法がよいでしょう。
もちろん家族の協力が大切です! リビングのテレビは必ず消すことはしっかり守りましょう。
(5)模試の過去問題や参考書の整理はお母さんの役目

「片付けは子どもが自分でやるべきことじゃない?」とおっしゃる方もいるかもしれません。
しかしながら、受験前の子どもの時間を無駄遣いをさせてはいけないという母心からです。
過去問題の整理は、学習内容を熟知していなくても案外できてしまうものかもしれません。
筆者の場合はテストでできなかった問題をノートなどに書き写して、後から抜き打ちでやらせていました。
佐藤亮子氏が書かれた本書を参考にされるにしても、全てを本書の方法と同じくすることには一石を投じる発言をされています。子育てに臨む際、教育熱心な佐藤氏は、
あらゆる育児書に目を通したが、子どもには1人1人個性があり、性格や体質も異なる。情報にすぐ飛びつくのではなく、自身で考えて教育すべきだ。
と訴えています。
(6)お兄ちゃんと呼ばせない!
普通の家庭であれば、「お兄ちゃん」や「お姉ちゃん」といった呼び方はよく耳にしますが、佐藤ママ教育法ではみんな“名前”で呼ばせているそうです。
理由としては、きょうだいを比べることなく公平にしたかったからだそうです。
(7)家の手伝いはしなくていい!
家事の習得はいつでもできるが、勉強は頭が柔らかく多くを吸収できる時期にするべき。
手伝いよりも“勉強する時間”を優先させてきたそうです。
(8)恋愛は無駄!
1日24時間しかない中で女の子とデートをする時間があるのなら参考書をよみなさいという教育論。
カフェで2〜3時間お茶すれば、10回で約30時間。
30時間あれば参考書1冊は終わってしまう。そう思えば、受験に恋愛は必要ないという考えのようです。
関連記事:怠けてるわけじゃない? 子どもが勉強嫌いになる心理と親のサポート法
佐藤ママと尾木ママの激論バトルが話題に

2015年11月、情報バラエティ番組にて、佐藤ママと尾木ママこと教育評論家の尾木直樹さんが子育てや教育について大激論を交わしたことが話題になりました。
子供に手伝いをさせるべき?
育児における悩み相談から、“子どもの手伝い”について尾木ママは、「させるべき」と主張する一方、佐藤ママは、「させなくていい」と反論。
【尾木ママの考え】
お手伝いはやらせるべき! 料理だったら段取りの能力もつくし達成感も得られる。一緒に楽しみながらやればいい。
【佐藤ママの考え】
本人にその気がないならお手伝いはしなくていい! わざわざたくさんさせる必要はないし、受験に障害になるのでやらさないほうがいい。
と両者正反対の主張。
反抗期はどうすればいい?
さらに、「反抗期はどうすればいい?」という相談に対し、
【尾木ママの考え】
反抗期は子どもの自立には必要なこと。精神的に自立していくときの通過点。親が怖がる必要もなければ、親は言いたいことは言って深追いはしないことが大事。
【佐藤ママの考え】
反抗期が来ないように育てる! 反抗期の原因は親が頭ごなしに叱っているから。言葉遣いを気をつけたりして反抗期が来ないようにする。「うるせえババア」と言われたことがあるが、それを反抗期だとは思わない。
とそれぞれに一致しない持論を述べました。
この熱い激論に対し、ネット上に寄せられた視聴者からの意見には『しなくていいってのは言い過ぎじゃない?』や『手伝いは気持ちの表れだから無理矢理やらせる必要はないんじゃない』など、さまざまなコメントが飛び交ったようです。
そんな騒ぎに対し佐藤ママの次男がFacebookで“お詫び”をしたことがさらに話題に。そしてその文面が素晴らしいと絶賛の声も。
今回の次男がとった行動に対しては『英才教育にあやかりたい』といったママ層からの意見もあったようです。
とは言え、佐藤ママの『高3は恋してはいけない』などといった、あまりに“受験至上主義”な教育への考え方には異論を唱える声が多いようです。
関連記事:邪道じゃない? 勉強しない子どもをヤル気にさせるご褒美制度のススメ
佐藤ママの長女も東大理IIIを目指す!?

兄弟3人が東大合格となると、長女にも注目がいきますよね。
2015年度の現在、高校2年生で洛南高校に通っているそうです。
関西では屈指の進学校で、『女子の灘』とも呼ばれる名門中の名門。そんな彼女は現在、東大合格に向けて着々と準備を進めているようです。
佐藤ママの教育論には賛否はあるようですが、ともあれ、志望校の東大に合格すればきょうだいそろって現役合格!
ぜひ頑張っていただきたいですね。
関連記事:甘やかしすぎ? 小学生の“夏休みの宿題”を手伝う親のリアルな割合
まとめ
「佐藤ママについて」や「佐藤ママの教育法」などについてご紹介してきました。
教育論にはさまざまな見解があり、何が正しい・間違っているというのは当てはまりません。
だからこそ、いち意見に惑わされるのではなく、あらゆる書籍や意見を参考にしつつ、わが子に最適の勉強法を導くことが大切なのかもしれませんね。
佐藤ママの勉強法もぜひ、参考の一つにしてみてはいかがでしょうか?
【参考文献】
・『受験は母親が9割 灘→東大理Ⅲに3兄弟が合格!』佐藤亮子・著
●ライター/渦マキ(フリーライター)
●追記/パピマミ編集部
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