電車好きが優秀に!? 子どもの趣味を“勉強への関心”につなげるヒント
2015年10月15日 | よみもの電車好きが優秀に!? 子どもの趣味を“勉強への関心”につなげるヒント

【ママからのご相談】
小学2年生の男の子を持つ30代のママです。息子は幼稚園の時から電車に関心があり、駅名や電車の種類を暗記したり、電車の本をよく読んでいます。ところが、勉強に役立ちそうな本は読まず、宿題も声かけしないと始めません。電車のことはほどほどにしてもっと勉強してほしいのですが、どうすればよいでしょうか。
駅名の暗記といった興味の追求が勉強好きになるきっかけになります。電車好きな行動を温かく見守って。
ご相談ありがとうございます。ママライターの馬場じむこです。
駅名の暗記、電車好きのお子さんなら通る道ですよね。私の長男も以前ほど電車に興味が無くなったと言いつつも、結構長い路線の駅名をいまだに暗記していて驚いたことがあります。また、本についても長いこと電車関係の本ばかり読んでいてちょっと心配でした。

勉強に関係ない本であっても読む力は培われている
しかし、あるとき長男が夏目漱石著『吾輩は猫である』といった有名な文学作品も読んでいて驚いたことがあります。私も手にしてみましたが難解な表現もあり、よく読めるものだと感心しました。
どうやら、電車の本を読むうちに“読む力”はしっかりと培われており、何かのきっかけで難しい表現のある名著を手にしても自然に読みこなせるようになっていたようです。
好きなことを徹底的に追求することが大切
学習塾『探究学舎』代表であり、京都大学を卒業されている宝槻泰伸さんは、著書『勉強嫌いほどハマる勉強法』でこのようにおっしゃっています。
一つのことを深く追求し、究める経験をもつことで初めて、知識と知識がつながっていく感覚や、自分の頭で何かを発見する面白さにたどりつけるのです。
もしお子さんが「電車オタクでひたすら沿線の駅名を覚えている」とか「オシャレが好きでファッション雑誌しか読まない」という状態でも、決して嘆かないでください。
電車やファッションでも、とことん深めれば新たな発見があるものです。そうやって新しい発見に喜びを見いだすことが、勉強を好きになる道です。そして、そうやって学んだことこそ自分の好きなものにつながっていくのです。
私も長男に対して電車のことはほどほどにしてほしいと思っていた時期もありましたが、一見勉強に関係ないことでも、追求することが勉強を好きになる道ということを知ってから、温かく見守っています。
駅名の暗記が漢字や地理の興味につながった!
また、駅名に興味を持つことから、難解な漢字が書けるようになったり地理に関心を持ったりすることもあります。電車と勉強は関係ないように見えますが、実はつながっていることだってあるのです。そうやって身についたことは、無理やり勉強させられたことよりも、しっかりと知識として定着しているようです。
私自身も学生時代から演劇鑑賞が好きなことから、劇の舞台になっている歴史や物語は自分で調べてより詳しく勉強し、今もしっかり覚えています。そして、いろんな場面で役立っているのを感じます。
ぜひ、お子さんの電車への興味を大切にしてくださいね!
【参考文献】
・『勉強嫌いほどハマる勉強法』宝槻泰伸・著
●ライター/馬場じむこ(書評ブロガー)