イジメを誘発!? 学校や児童クラブで「ドッジボール」は禁止するべきか
2015年10月5日 | よみものイジメを誘発!? 学校や児童クラブで「ドッジボール」は禁止するべきか

【ママからのご相談】
小学校6年生と3年生の男の子の母親です。今、小3の下の子どもだけが放課後児童クラブに行っています。児童クラブで1日おきにやっている“ドッジボール”をするのが嫌だから行きたくないと言い出して困っています。私は、イヤがる子をムリに参加させる必要はないし、イジメの要因になるような球技を授業や児童クラブでやってほしくないと考えています。少し前にドッジボールを廃止すべきだという意見がネット上で話題になりましたが、その後どうなりましたか?
なぜドッジボールを取り入れているのかを考えてみましょう。
ご相談ありがとうございます、ライターの渦マキです。
私も、近隣の放課後児童クラブに勤務しておりましたが、必ずドッジボールはやらせていました。大喜びで遊んでいる子どもがほとんどですが、中にはドッジボールの時間になると、「やりたくないから室内で遊んでいい?」という子どももいました。
ドッジボールをやりたくない子はインドア派(男女ともに)や、自分が中心になって仕切りたいタイプの女の子が多かった記憶があります。そのときはドッジボールをやりたくない子に関しては“1回目の陣交代までやること”という決めごとを設けて最初だけやらせることにしていました。
「やりたくないなら室内で遊んでいていいよ」と簡単に言うこともできます。しかし、それをしなかったのは、ドッジボールだけではなく他の集団遊びにも支障が出てきてしまうからです。

児童クラブでの集団遊技の意義
児童期になると、子どもが関わる環境が急速に拡大する。関わる人々や遊びの種類も多様になり、活動範囲が広がる。また、集団での遊びを継続することもできるようになっていく。その中で、子どもは自身の欲求と相手の欲求を同時に成立させるすべを見いだし、順番を待つこと、我慢すること、約束を守ることや平等の意味等を身に付け、協力することや競い合うことを通じて自分自身の力を伸ばしていく。
(厚生労働省 放課後児童クラブ運営指針 より引用)
遊びの中でケンカやもめごとが起きたとき、子どもたちはそれを解決しながらコミュニケーション能力を身につけていくといえるでしょう。
相談者さまのお子さんの、「児童クラブに行きたくない!」という状態がずっと続くようであれば、指導員の先生に相談し、その原因を聞き出して、見守ってもらいます。その上で、指導員だけではなく、子どもたちが話し合いながら解決策を見つけることが大切です。
ドッジボールは禁止にするべきか?
さて、相談者さまが気にしておられる今年ネット上で話題になりました、あるコラムニストさんのブログ『ドッジボール、学校での強制参加を禁止にするべきでは?』。このブログを受けて、ドッジボールを禁止にするべきかどうかを問うアンケートがWeb上で実施されました。
禁止するべき……7.9%
禁止するべきではない……70.9%
生徒の意志に任せるべき……21.2%(意識調査 授業でドッジボール、禁止にするべき? より「Yahoo!ニュース 意識調査調べ」:http://polls.dailynews.yahoo.co.jp/domestic/17062/result)
筆者が知り得る範囲では、行政機関において、ドッジボールの扱いに関する具体的な方針はまだ公開されていないようです。
今後、どういった動きをとるかを見守るにしても、“社会性を身につける一環としての集団遊技の意義”を、もう一度考えてみる必要はあるでしょう。
【参考リンク】
・放課後児童クラブ運営指針 | 厚生労働省(PDF)
・授業でドッジボール、禁止にするべき? | Yahoo!ニュース 意識調査
●ライター/渦マキ(フリーライター)