10年後に消える職業も!? 「変化する社会」の子育てに求められるコト
2015年9月28日 | よみもの10年後に消える職業も!? 「変化する社会」の子育てに求められるコト

【ママからのご相談】
ネットで、“10年後に消える仕事”のリストを見ました。ほとんどの仕事がなくなると書かれており驚きました。その中には会計士のような国家資格が必要でお給料の高い仕事も含まれていて驚きました。できれば子どもにはいい大学に入っていい仕事についてほしいと思っていましたが、私たちの常識が通用しないかもしれません。今後、どんなことを意識して子どもを育てていけばいいでしょうか?
これからは“一人ひとり”の社会へと変化していきます。
ご質問ありがとうございます。教育コンサルタントの佐々木です。
「勉強していればいい大学に入れて、いい就職先を得られて、高いお給料がもらえる、だから勉強しなさい」と子どもに言って聞かせて、勉強するよう促している方は少なくないはずです。
しかし、英オックスフォード大学のオズボーン准教授らの論文によれば、10年後に消えると予想される仕事の中には、学生たちに人気の職業である教員やフライトアテンダント、一般に高給と言われている会計関連の仕事も含まれています。

これまでの教育は“大量生産型”
これまでの教育は、正解がひとつに決まっており、それを覚えることが重視されていました。情報処理の早さがとても重要だったのです。
しかし、これらの教育は、新しいものを創ったり、発展することが求められる先進国に合った方法とはいえません。
暗記しなくても、インターネットで検索すれば情報を簡単に得ることができるので、知識をインプットしてアウトプットするだけなら、機械のほうが断然早いということになるのです。
人間に求められるのは、“知識を使うこと”
つまり、記憶力がいいだけの人、記憶力だけが求められる仕事では、人間は機械やロボットに勝つことができないのです。求められるのは、その知識を実社会で応用することです。学校で学ぶ内容をきちんと理解、記憶するだけでなく、その内容を使うことができるかどうかです。
今後の教育は、知識詰め込み型の一斉教育をやめ、生徒が能動的に学ぶ“アクティブラーニング”の方向にシフトしていくと考えられます。その際に重要なのは、知識をどう使っていくかです。
覚えたことを披露したり、指示されたとおりに動くだけでは機械に仕事を奪われてしまいます。今後、わが子が社会で活躍できるようにするためには、自分から学ぶこと、自分から発信することが求められるでしょう。
今からできることは、今まで通り、知識を蓄えるための勉強はもちろん、勉強以外でも興味を持てることを探求し深めたり、知識を組み合わせたり、自分はどう思うのか、何ができるのかを社会に発信していくことではないでしょうか。
これらは一朝一夕にできることではありません。また、スクールに通って急に伸ばすこともできません。だからこそ、家庭での教育がとても重要です。
●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)