「○○」で全部チャラ! 夫婦円満でいられる会話の秘訣と重要な一言とは
2015年9月20日 | よみもの「○○」で全部チャラ! 夫婦円満でいられる会話の秘訣と重要な一言とは

【女性からのご相談】
1年半交際した彼と結婚することになりました! これからの生活で役に立つ夫婦円満の秘訣があったら教えてください。よろしくお願いします。
ネガティブな話も避けられないのが夫婦なら、どう表現するかが鍵。
日常の迷宮脱出ガイド、心理分析士の咲坂好宥です。
まずはご結婚おめでとうございます! 夫婦円満の秘訣というものすごーく広範囲なご質問ですが、まさか、「結婚生活には大切な3つの袋があります。1つ目は給料袋……」みたいなお話を期待されているワケじゃないですよね(笑)?
仲人さんのスピーチのネタを奪わないためにも、ここは“会話”というポイントに絞って、心理学的な角度からお話することにしましょう。

相手のいいところに意識的に目を向け続ける
心理学者のジョン・ゴットマンは夫婦関係の研究のスペシャリストです。彼は著書『結婚生活を成功させる七つの原則』の中で、離婚する可能性が高い夫婦に特徴的なNG会話パターンを4つ指摘しています。決してマネしないようにしましょう。
1つ目は相手を軽蔑したり見下したりするような発言で、これが一番危険みたいなのでお気をつけください。2つ目は人格批判をすること。人格じゃなくて相手の言動に対して文句を言いましょうね。3つ目は防衛的な自己弁護。これは責任転嫁や言い逃れ、アラ探しにつながりますので要注意です。最後は逃避的態度で、感情的に引きこもって二人の問題と向き合わないことです。火種は残ったままですからいつか爆発する危険がありますよね。
さて、ゴットマンは夫婦関係が長続きする会話のポイントも研究してきました。中でも共感、理解、許しなどの“プラスの言葉”と、敵意、批判、軽蔑などの“マイナスの言葉”に関心を寄せて割合を調べ続けました。そして、夫婦円満を長く続けるためにはプラスの言葉がマイナスの言葉の、なんと5倍必要だと結論づけたのです。
これはなかなかできることじゃないですよね。ぼくは5倍という数字を見てちょっとクラッときました(苦笑)。まあ、どんなに親しい間柄でもそれだけの配慮が必要なんだ、と言ってしまえばそれだけのこと。
でも、そんな配慮だけで長年プラスの言葉を5倍って、かなりむずかしいと思いませんか? やはり、相手のいいところに意識して目を向け続けてはじめてできることなのではないでしょうか。
サンドイッチ話法は有効?
とはいえ、一緒にいればネガティブなことを伝えなきゃならないシーンも出てきますよね。そんなときに有効な手段として、『サンドイッチ話法』というのが有名です。
ネガティブな話をするときはその前後にポジティブな話をして、まるでサンドイッチのように挟み込むというものです。これによって、相手のダメージを少なくすることができるんですね。
ただ、これはネガティブな話題でも比較的軽めのものに限定されるのではないでしょうか。というのも、サンドイッチをすることで聞き手の気分を害することは減るものの、ネガティブな話題の印象が薄れてしまい効果的に伝わらないという研究結果もあるのです。っていうか、ムカついてケンカしている最中にサンドイッチなんてできませんよね(苦笑)?
5倍ポジティブを目指すにしても、いつでもどこでもポジティブなんてやっぱり不自然でしょう。ちゃんとあとでフォローができていればヨシ、としたほうが楽な気持ちになれるのではないでしょうか。
夫婦円満に効果テキメンのキーワード“でも”
最後に、旦那さんや奥さんの話題を他の人にするときにも夫婦円満の秘訣があるみたいなのでご紹介しますね。リチャード・ワイズマンは著書『その科学が成功を決める』の中で、心理学者サンドラ・マレーとジョン・ホームズの研究を紹介しています。
それによると、円満が続いている夫婦には、相手の欠点について話した後、“でも”という言葉でつなげてネガティブなムードを和らげる傾向があったそうです。「夫はなまけ者なの。でも、それをネタにして二人で笑えるわ」「妻は料理が下手でね。でも、そのかわりいつも一緒に外に食べに行けます」……というように。
他人に旦那さんや奥さんのネガティブな話をするときって、謙遜みたいな雰囲気だったり不平不満を愚痴るときだったり、状況はさまざまでしょう。いずれにしても、“でも”という言葉でつないでポジティブな話をするというのは、相手や二人のポジティブな面に意識をフォーカスしなければできないこと。そんな風に意識し続ける習慣が、夫婦円満の秘訣なのかもしれませんね。
お二人が、末永く幸せであり続けますように!
【参考文献】
・『結婚生活を成功させる七つの原則』ジョン・M・ゴットマン、ナン・シルバー(著)
・『その科学が成功を決める』リチャード・ワイズマン(著)
●ライター/咲坂好宥(心理分析士)