女性にとって致命的!? “早食い”に潜む思いがけないリスク5つ
2015年9月10日 | よみもの女性にとって致命的!? “早食い”に潜む思いがけないリスク5つ

【女性からのご相談】
ずっと営業職で慌ただしい毎日で、なかなか恋人もできずにいた私にやっとパートナーができました。でも、ひとつ気になる点が。食事のペースが合わないのです。彼はすごく食べるのが遅くて、私が食べ終わってもまだ半分くらい残っています。彼に言わせると私が早いらしいのですが、こういう場合、私が合わせるべきですか?
肥満、老化……早食いには思いもしないリスクが!
こんにちは。トータルヘルスナビゲーターのSAYURIです。ご相談ありがとうございます。
食事のペースに極端な違いがあると、待つ方も待たれる方も何となく落ち着かず、ともすれば気まずい雰囲気になってしまいますよね。営業職の慌ただしい毎日で食事のペースが早くなってしまっていることも分からなくはありません。
今回は食育インストラクターでもある筆者が早食いに伴うリスクについてご案内させていただきますので、参考にしてくださいね。

早食いのリスク5つ
早食いをする人はあまり噛んでいない傾向が強く見られます。よく噛まずに食べ物を胃に流し込んでしまうとさまざまなリスクがあるので、その代表的なものをご紹介したいと思います。
(1)肥満
食事を開始してから満腹中枢に刺激が届くまでにかかる時間が約20分。しっかり噛んでゆっくり食べれば少量でも満腹感が得られるところを、早く食べてしまうと必要以上に食べてしまうので、肥満の一因となってしまいます。
(2)消化器官への負担
本来なら、口の中で唾液としっかり混ざることにより、唾液中に含まれる『アミラーゼ』という消化酵素によって分解されるはずのお米などの糖質が、分解されないまま胃に入ってしまいます。それだけでなく、大きな塊のまま胃に運ばれた食べ物は、胃にとって大きな負担となってしまいます。さらに、それが十二指腸や栄養を吸収するための小腸にも影響を及ぼし、栄養の吸収率までもが悪くなってしまいます。
(3)老化
上記のように唾液による消化が不十分であるとその他の消化酵素が必要以上に使われてしまい、その分、代謝酵素が減ってしまうため、新陳代謝が遅れてしまいます。その結果、老化の促進につながってしまいます。また、咀嚼で使用する顔の筋肉もあまり使われないので、頬のタルミの原因にもなりかねません。
(4)疲れやすい体になる
咀嚼は食べ物を小さく噛み砕くだけでなく、冷たい物を食べたときなどはよく噛んでいるあいだに食べ物の温度を上げ、人間の体温に近い温度にします。しかし、早食いで食べ物が口の中にある時間が短いと冷たい状態のまま胃に送り込まれるため、体は冷えた胃腸の温度を適切な体温に戻すべく、そこにエネルギーを使います。すると、本来なら他の活動に使われるべきエネルギーが不足してしまうので、疲れやすくなってしまうのです。
(5)集中力が持続しなくなる
海外の野球選手が試合中にガムを噛む光景を見たことがあると思います。あの行為は、実は集中力を高めるためにしていることなのです。咀嚼という一定のリズムを刻む行為は脳を刺激して集中力を高めてくれます。しかし、日常的によく噛む習慣がないと、脳への刺激が不足して集中力が低下してしまいます。
今回は代表的なものだけをご紹介しましたが、他にも顎関節症や食物アレルギーなど、早食いにはさまざまなリスクがあります。これをきっかけに、よく噛んでゆっくり食べる習慣を身につけられてはいかがでしょうか?
●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)