夏休み終盤! 毎日ダラダラする子どもの“生活習慣”を改善する方法
2015年8月18日 | よみもの夏休み終盤! 毎日ダラダラする子どもの“生活習慣”を改善する方法

【ママからのご相談】
夏休みももうすぐ終わるというのに、息子(小6・2)が毎日ダラダラしていて困ってます。「学校が始まったらどうするの!」と、つい言ってしまいます。そのくせ、夕方になると無駄に元気になるので夜更かしが多いです。生活習慣を直すにはどうすればいいですか?
体の不調がなければ、生活習慣の改善をすぐにスタートさせましょう。
こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。ご相談ありがとうございます。
相談者様からの文面を読んで、少し心配になったことがあります。それは、「毎日ダラダラしていて」「夕方になると無駄に元気になる」の部分です。実際にお子さまの様子を見たわけではないので何とも言えないのですが、もしかしたらストレスが要因となって起こっている不定愁訴(ふていしゅうそ)が出ているのかもしれません。
まずは、本人に体の不調がないかを確認しましょう。不調がない場合は、簡単な生活習慣の改善法をしてみてください。

体の不調を訴えていませんか?
今年の夏もすごく暑いので、ダラダラしてしまうお子さんの気持ちがわからないでもないですよね。でもここで注意すべきは、体の不調があるのではないかということです。
・頭が痛い
・お腹が痛い(下痢や便秘)
・めまいや立ちくらみ
・ぼーっとする
・微熱
・だるい
などといった症状が出ている場合、熱中症もさることながら、ストレスからくる症状である場合も考えられます。子どもでも、友人関係や親の不仲など小さいことが原因で、ストレスとして体に症状が出てしまうことがあります。
親はつい、「仮病」「なまけている」「サボり癖だな」などと考えてしまうこともありますが、実は不定愁訴だったという可能性が考えられます。
特に、“日中ダラダラしていて夕方に元気になる”という行動を取る子どもに多く見られるため、お子さんに聞いてみることが必要です。「ただ暑かったから」というだけならそんな心配はないと思いますが、気にかけておくことも大事だと思います。
不定愁訴って何?
不定愁訴とは、上記に書いたような症状や、「何となく体調が悪い」という自覚症状があり、検査をしても原因となる病気が見つからない状態をいいます。
生活リズムの乱れやストレスが関係して起こります。心と体は密接な関係にありますから、どうしても自覚症状として現れてしまいます。
また、訴える相手によって症状の内容が変わることがあり、子どもの場合は身体の系統性(同じ部位)がなく訴えることこそが、不定愁訴なのです。
長年、教育カウンセラーとして従事されてきた富田富士也さんは、著書の中で、
いずれも症状としては、客観的に見ることができるものもありますし、主観的なものであれ子ども自身の中ではたしかにその症状があるというのが特徴です。つまり、「仮病」ではありません。
と言っています。
なまけているように見えても、実際に子どもたちは症状を感じていますので、仮病を使っているのではないと言うことを理解してもらいたいと思います。
体の不調がなければ、生活習慣を改善しましょう!
ダラダラしているお子さんに体調の不調がないかどうかを聞いてみましょう。ないことがわかれば、生活リズムの乱れを直すことが必要です。「新学期までに時間がない!」なんてことを考えずに、すぐに試してみてください。習慣を直すポイントは2点です。
朝は、登校に間に合う時間に起こします。すでにされているかもしれませんね。それでも起きずに困っている場合は、太陽の光を浴びせましょう。カーテンを開けて、日光を体に当てることで、自然と目を覚まします。そうすれば、否応なしに活動し始めるものです。窓を開けて空気の入れ換えをするのもいいでしょう。
そして、朝食はおにぎりやおにぎらずなど、手で取って食べやすいものを用意してみてほしいと思います。こうすると、自発的に食べることにつながります。
朝早く起きれば、当然のことながら眠くなるものです。
夜は、ゲームやマンガ、テレビに夢中になってしまっている時間かもしれませんが、6年生なら9時半~10時、2年生なら9時に眠れるようにテレビを消し、寝るための準備をしていきましょう。ベッドに横になることで眠気が襲ってきます。電気スタンドなどを用意して、ベッドでマンガを読むくらいは許可すると、早く起きている分、マンガに長い時間を費やすことなく眠ってしまうものです。
小学生のうちは、この方法でだいぶリズムを取り戻すことができます。抑えどころは朝と夜の2点です(できるだけ昼寝はさせないことが条件になります)。
わが子にも、毎年2学期スタートの1週間前からこの2点だけに手をかけています。最初はぐずぐずしますが、無理矢理にでも朝起こすようにしています(最初のうち、起きないときは、冷やしタオルを顔にあてるという荒技を使うこともあります)。
子どもって夏休みの夜更かしが楽しいと感じるものです。でも、学校の始業が近くなったら、親は生活習慣の立て直しを手助けしてあげることが大切です。それを実行されている相談者様は頑張っていらっしゃると思います。
もし、体調の不調を訴えるようなことがあった場合は、「なまけている」なんて思わずに受診を考えましょう。最初は小児科や内科で大丈夫です。一番大事な健康の面を、「仮病」の一言で片付けないようにしていただきたいと思います。子どもだって小さなことでストレスを抱えてしまいますよ。
【参考文献】
・『ストレスから子どもを守る本』富田富士也・著
●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)