将来は読書好きに? 子どもの成長に「読み聞かせ」が大切なワケ4つ
2015年8月17日 | よみもの将来は読書好きに? 子どもの成長に「読み聞かせ」が大切なワケ4つ

【ママからのご相談】
3歳になる子どもがいます。先日、子どもを連れて幼稚園の見学に行ったところ、会場で絵本の読み聞かせを行っていました。園の先生から、「読み聞かせはどのくらいやってますか?」と聞かれたので、「あまりやってないです」と答えたところ、「読み聞かせはとても大切なので、たくさんしてくださいね」と言われてしまいました。ただ、うちの子を見ていると、興味を示すのは体を使った遊びばかりで、読み聞かせは反応がいまひとつです。他の親御さんは絵本の読み聞かせを毎日やっているものなのでしょうか? そして、本当に大切なのでしょうか?
絵本の読み聞かせ頻度には差があります。メリットは4つあります。
ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐藤理香です。
「絵本の読み聞かせは大切だ」ということを、私自身もいろいろなところで見聞きしてきました。「大切だ」と言われれば、「やらなくちゃ!」と思ってしまいます。しかし、そうはいっても、絵本の読み聞かせを面白がっていないようだとちょっと迷いますよね。
そこで今回は、世間では子どもへの読み聞かせがどのくらいの頻度で行われているのか、またそのメリットは何なのかをお伝えします。

絵本の読み聞かせをする頻度
ベネッセが行った調査によると、絵本の読み聞かせを“ほとんど毎日”している割合は以下のようになりました。
・年少児:27.2%
・年中児:21.8%
・年長児:13.9%
一番割合の高い年少児でも、“ほとんど毎日”となると3割を切っていることがわかります。さらに、だんだんと自分で絵本が読めるようになることも一因かもしれませんが、年少→年中→年長と、年々、読み聞かせの割合が減っていることがわかります。
逆に、読み聞かせが“月に1~3日”と“ほとんどない”を合わせて割合を見ると、次のような結果になりました。
・年少児:22.1%
・年中児:29.8%
・年長児:41.3%
これをみると、読み聞かせを積極的に行っていない家庭も多いことがわかります。年長児では約半分近くが積極的に行っていないということになります。ただし、家庭の方針や環境、子どもの状況によっても差がありますので、一概に良し悪しはいえないところです。
読み聞かせが大切な理由4つ
読み聞かせをするかどうかは各家庭の意思で決めるのがよいと思いますが、読み聞かせにはさまざまなメリットがあります。
(1)子どもの読書習慣につながる
同調査によると、読み聞かせを“ほとんど毎日”している家庭の子どもは、一人で絵本や本を読んだりする頻度が55.5%。一方で、読み聞かせを月に1~3回以下の場合は20.9%と、2倍以上の差がでることがわかりました(年少児で比較)。
子どもに読み聞かせする頻度が高いほど、子どもが一人で絵本などに親しむ割合が高くなるんですね!
(2)言葉の発達につながる
絵本の中には、子どもをひきつける美しいフレーズ、好奇心をそそる描写が豊富にあります。何度もくりかえし絵本を読んでいるうちに、おもしろいフレーズを覚えたり、新しい言葉を発見したりと、子どもの言葉の発達を促してくれます。
(3)想像力を豊かにする
「次はどうなるんだろう?」「ちょっとこわいけど続きが気になる」など、絵本のストーリーは子どもの想像力を鍛えるよい材料です。想像力は、自分の力で物事を考えるベースでもあります。日常とは違う絵本の世界の中で、子どもは自然に想像力を豊かにできるのですね。
(4)親子のコミュニケーションが密になる
読み聞かせをするときは、親のひざに子どもをのせたり、抱っこしたり、対面になったりと、子どもに寄り添ってあげると思います。スキンシップをとったり、会話をしたりと、子どもにとってはママやパパを身近で感じる最高のコミュニケーションの時間なのですね。
いかがでしたか?
絵本の読み聞かせは、好きな子もいれば、そうでもない子もいると思います。子どもが嫌がっているのに無理やり読み聞かせをする必要はないと思いますが、興味をもっているようなら積極的にやってあげたいですね。
データからみてもわかるとおり、大きくなるにつれて、読み聞かせが必要なくなってきます。幼児期の数年こそが読み聞かせの黄金期かもしれませんね!
【参考リンク】
・「幼児期から小学1年生の家庭教育調査(2012年)」 | ベネッセ次世代育成研究所(PDF)
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●ライター/佐藤理香(教育コンサルタント)