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サザエさん症候群かも? “月曜”に出社すると体調を崩す人の病気リスク

サザエさん症候群かも? “月曜”に出社すると体調を崩す人の病気リスク

【女性からのご相談】
30代。金融機関に勤務しています。半年ほど前に職場のマネージャーが性格のキツい女性に変わって以来、日曜日の夕方に憂鬱になるようになりました。日中は夫とショッピングをしたり映画を観たりして楽しく過ごしても、テレビから“サザエさん”のテーマソングが聞こえてくると、「明日からまた会社か」と、沈んだ気分になります。

ひどいときにはそのまま月曜日の朝まで熟睡ができなかったりもします。睡眠不足のまま何とか出勤しますが、マネージャーに会うと激しい動悸が襲ってきます。週の後半は彼女がエリア内の店舗巡回でオフィスに居ないため、心の平静を取り戻すことができますが、日曜日の夕方になるとまた憂鬱が襲ってくるのです。精神科か心療内科で診てもらった方がいいでしょうか?

a いくつかの精神症状が併発しているように見えます。専門医の診察を受けてください。

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。

お話をうかがう限り、いくつかの精神的な症状が併発しているように見えます。ご相談者様自身がおっしゃるように、休日が終わるのが悲しい“サザエさん症候群(またはブルーマンデー症候群)”も疑われますが、特定の苦手な人とのコミュニケーションをおそれる“対人恐怖症”があるようにも見てとれます。

ここでは、都内でメンタルクリニックを開業する精神科の医師に聞いた見解を交えて予診的な意味での回答をさせていただきますが、週の前半のご相談者様の状態がたいへん気になりますので、お読みいただいたうえで必ず精神神経科か心療内科の専門医の診察を受けてくださるよう、お願いしたいと思います。

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ただの“サザエさん症候群”なら誰にでもありますが、心身症の所見が大変気になります

『日曜日の夕方、テレビアニメの“サザエさん”を観ているうちに、「これで休みも終わりか」と憂鬱な気分になってしまうことを、わが国では俗に“サザエさん症候群”と呼んでいます。これは、世界的には“ブルーマンデー症候群”として認識されている症例とほぼ同じようなものと考えられます。勤務や学校の授業が月曜日から始まるパターンの会社員や学生に広く見られ、軽度な“うつ病”の一種とする説も存在します。

ただ単に、「憂鬱だ」くらいなら誰にでもあることですが、ご相談者様のように月曜日のことを考えると“眠れない”。睡眠不足と憂鬱感を引きずったまま通勤電車に乗るために駅のプラットフォームを“フラフラと歩く”。出社して性格のキツい上司に会うと“激しい動悸が襲ってくる”。こういった言わば“心身症”の所見が認められる点は、大変気になるところではあります』(50代女性/都内メンタルクリニック院長・精神科医)

自殺の多い曜日は“月曜日”。“ブルーマンデー”経験者は30代が最も多い

『ここに気になる2つのデータがあります。1つめは厚生労働省が2005年に公表した曜日別の自殺者のデータです。それによると、平成15年の自殺者総数はおよそ32,000人。曜日による自殺者が均等であれば各曜日で14%ずつ程度に自殺者を分け合うはずですが、このうち最も多かった月曜日には約18%の自殺者が集中していて、最も少なかった土曜日の約12%と比べるとおよそ1.5倍もの開きがあったのです。

2つめのデータは数年前に“オウチーノ”という企業が行った“土日休みの仕事に就く20~59歳のビジネスパーソン451人”を対象としたアンケートの結果です。“ブルーマンデー”の年代別経験者は、最も多いのが30代で実に51.4%の人が“憂鬱な月曜日”を経験。次に多いのが20代で48.7%。ところが、40代になるとブルーマンデーの経験者が38.0%と激減し、50代に至っては33.9%と、3人に1人程度の人しか“月曜日の憂鬱”を感じていないというデータがあるのです。

つまりご相談者様は、年齢的には最も“ブルーマンデー症候群(サザエさん症候群)”になりやすい30代に属します。月曜日は、他の曜日に比べて人生を自殺という方法で終わらせてしまう人が格段に多い曜日であるということができるのです』(50代女性/前出・精神科医師)

激しい動悸は“対人恐怖症”のおそれも。心療内科で抗不安薬を処方してくれます

『さきほどの曜日別自殺者数のデータをみると、ブルーマンデー症候群(サザエさん症候群)は自殺を引き起こす重大な原因の1つである“うつ病”の一種であるという精神医学上の説はかなり信憑性があると言えます。程度はどうであれ、うつ病による睡眠不足によってフラフラした状態で朝の駅のプラットフォームを歩くことは大変危険であり、やはりご相談者様には一度ご近所のメンタルクリニックを訪ねられることをおすすめいたします。

しかし、ご相談者様の症状でそれにも増して気がかりな点は、“性格のキツイ女性マネージャー”と会うと激しい動悸に襲われなかなか止まらない、という部分です。人間であれば誰しも“苦手なタイプの人”というのはいるものですが、だからといってその人と会うと“激しい動悸に襲われて止まらない”ということになると、“対人恐怖症”という神経症の症状を発している可能性があります。これを放置し、慢性化させてしまうことは将来“パニック障害”や“引きこもり”につながりかねないため、早いうちに精神科ないし心療内科を受診してください。

たかだか半年前に着任したばかりの上司がそうそう近いうちに異動して行くことは考えにくいですから、ご相談者様は今の職場に勤務する限り、“性格のキツい上司”に相対することの不安をやわらげ、心を落ち着けて仕事に向かう必要がどうしてもあるわけです。

精神科や心療内科といったいわゆるメンタルクリニックを受診すれば、たとえ一時的な対処法であるにせよ不安をやわらげ気持ちをリラックスさせる薬を処方してくれますので、“性格のキツい上司の前でも動悸に襲われない、大丈夫な自分”というものを自覚できるようになります。そうしているうちにいずれ薬がなくても、「自分は大丈夫だ」と思えるようになってきます』(50代女性/前出・精神科医師)


いかがでしたか。

やはりドクターの予診的な見解でも、ご相談者様の場合単なる“サザエさん症候群”“ブルーマンデー症候群”というよりは、新しく赴任してきたやや苦手なタイプの上司に対する対人恐怖症が見て取れるようですので、ここは早いうちに専門医の診察を受けに行ってください。

ご相談者様は今の職場ではマネージャー以上の実務キャリアをお持ちなわけですから専門医に適切な薬を処方してもらって心が楽にさえなれば、きっとまた楽しい日曜日の夜を旦那様と過ごせる日々が戻ってくるかと思います。

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●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

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