新ルールで罰則強化! 改正道交法で禁止された「自転車の危険走行」とは
2015年6月4日 | よみもの新ルールで罰則強化! 改正道交法で禁止された「自転車の危険走行」とは

【ママからのご相談】
今、中学2年生の息子がいます。平成27年6月から自転車の交通ルールが変わり、自動車の免許証のように違反をすると切符を切られて、罰金を支払わされるようになるというニュースを見ました。これは何歳から対象になるのでしょうか? 子どもは関係ありませんか?
あぶない乗り方をしないよう、親からも注意を促して!
こんにちは、ご相談ありがとうございます。ライターの川中利恵です。
先日も自転車についての相談を受けたのですが、最近自転車ブームも相まって、自転車を乗る人を街で見かけることが多くなりました。通学や通勤の足としてだけでなく、ファッションやスポーツとしても普及しているようです。しかし、そこで問題になるのが、自転車の危険走行です。
自転車は免許証も不要で、誰でも気軽に乗れる乗り物です。しかし、道路交通法では自転車は“車両”と定められており、車の運転時と同様の義務を負うことになります。

新設罰則規定のポイント
平成27年6月1日から適用される道路交通法改正では、自転車の運転による危険を防止するため『自転車運転者講習』制度が定められた点が大きなポイントです。
たとえば、これまでも自動車運転中、道路交通法違反をすると、罰金を支払い、講習を受けなければならないものでしたが、それと同様のことが、自転車でも行われるということです。
具体的な対象は、
一定の危険な違反行為を3年以内に2回以上反復して行って摘発された、14歳以上の自転車の運転者
となります。上記に当てはまった方は、公安委員会の命令を受け、指定された期間以内に3時間の講習(受講手数料5,700円)を受けるか、5万円以下の罰金を支払うことになります。
若者がもっとも多い! 自転車による死傷事故
「14歳の子どもも?」と、驚く方もいるかもしれません。しかし、警視庁より発表された『平成26年中の交通事故の発生状況』で、自転車乗用中の交通事故のうち、死傷者数全体を年齢層別に分類した統計を見れば納得するはずです。
これによると、自転車事故の死傷者は『16歳~24歳』が最も多く、次いで65歳以上のシニア、3位が15歳以下の子どもであったという結果が出ています。
実に、自転車による交通事故の39.1%が、若者から子どもによる事故だったのです。しかも、自転車に違反があり事故につながったケースは全体の5分の3以上もあって、さらに15歳以下の子どもの死傷者で自転車乗車側に違反があったケースは全体の71.4%もあったというのです。
繰り返しますが、平成27年6月1日より施行される自転車運転者講習制度の対象者は、14歳からと定められています。その理由は、このデータを見れば納得いただけるのではないでしょうか。
「知らなかった!」では済まされない自転車の危険走行
「子どもだから……」「子どもなのに……」と思う方もいるかもしれません。しかし、自転車でもスピードを出し過ぎていたり、信号無視をしたりすれば、自分はもちろん、誰かの命を奪ってしまうこともあります。たかが自転車、されど自転車です。学校でも、安全教室などの授業が行われているように、ちゃんと知っておき、守らなければならないルールがあります。
今回、危険行為とされたのは、全部で14項目ある、以下の法令違反を行った場合です。
(1)信号無視(法第7条の規定違反)
(2)通行禁止箇所の走行(法第8条第1項の規定違反)
(3)歩行者用道路を徐行しないで走行する(法第9条の規定違反)
(4)車道の右側通行や、路側帯の逆走など通行区分を守らない(法第17条(通行区分)第1項、第4項又は第6項の規定違反)
(5)路側帯を走行する際、歩行者に注意しない走行(法第17条の2、第2項の規定違反)
(6)遮断した踏切への立ち入り(法第33条第2項の規定違反)
(7)交差点を進行するとき、優先車両の進行を妨げる(法第36条の規定違反)
(8)交差点を右折するとき、優先車両の通行を妨げる(法第37条の規定違反)
(9)輪状交差点で安全な走行をしない(法第37条の2の規定違反)
(10)一時停止指定のある場所で一時停止をしない(法第43条の規定違反)
(11)歩道走行時、安全な走行をしない(法第63条の4、2項の規定違反)
(12)ブレーキなど制御装置の不良状態による走行(法第63条の9、第1項の規定違反)
(13)酒気帯び運転(法第65条第1項の規定違反(法第117条の2第1号に規定した状態に限る)
(14)安全運転の義務を果たさない運転(法第70条の規定違反)
信号無視や踏切の立ち入りなど、当たり前と思えることから、歩行者専用道路の走行時は徐行をするルールなど、「そういえば意識をしたことがなかった」ということまであります。
これを機会に、親子で交通ルールを改めて見直してみてはいかがでしょうか。わが家でも夕ご飯のときに、じっくり話してみようと思います。
【参考リンク】
・平成27年6月1日から~自転車運転者講習が義務化に!〜 | 京都府警察署
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●ライター/川中利恵(在宅ワーカー)