声かけ次第!? 期待すると子どもの成績が上がる「ピグマリオン効果」とは
2015年6月4日 | よみもの声かけ次第!? 期待すると子どもの成績が上がる「ピグマリオン効果」とは

【ママからのご相談】
中学3年生の娘がいます。小学生のころは成績もよく、塾にもちゃんと通い、私も主人も娘の将来には大きな期待とお金をかけてきました。しかし、昨年(中学2年生)からは成績が落ちるばかり。主人も最近では、「もうアイツには期待するな」と言います。ちょうど反抗期でもあるので、あまりうるさく、「勉強しなさい」と言っても余計に反発されそうで、どうしていいか分かりません。
無意識なドリームキラーにならないで!
こんにちは。心理食育インストラクターのSAYURIです。ご相談ありがとうございます。
中学2年生という多感な時期においての娘さんの変化、そして厳しい父親との板挟み状態であるつらさ、しっかりと受け止めさせていただきました。
今回は、ピグマリオン効果とゴーレム効果からお話させていただきたいと思います。

ピグマリオン効果とゴーレム効果とは
ピグマリオン効果
“ピグマリオン効果”は、心理学でいう実験者効果のひとつで、“教師期待効果”、“ローゼンタール効果”とも言われているように、教師が期待すると生徒の成績が伸びるというものです。アメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタール氏らの研究チームの実験から名づけられました。
その実験とは、現在の成績に関係なく無作為に生徒を選び、「これから成績が伸びる生徒である」として担任の教師に報告しました。
すると、担任の教師はそこで選ばれた生徒に対して、「今は悪くても、この生徒は伸びる」という期待をするようになり、その結果、期待をかけられた生徒の成績が伸びたというもの。
ゴーレム効果
ピグマリオン効果の逆が“ゴーレム効果”と言われ、これは、教師が期待しない生徒は成績が伸びなかったというものです。
ゴーレム効果については、人の一生に大きな悪影響を及ぼすリスクが高いという理由で実際の人に対して実験はされていませんが、さまざまな報告がされています。
声のかけ方で変わる子どもの意識
たとえば、いつもは80点以上とれているテストで、60点しかとれなかった場合、「次もこんな点数しか取れなかったら、〇〇になるなんて無理よ!」とその先の夢までも否定してしまうような言い方と、「今回はたまたま調子悪かっただけ。次は大丈夫よ」と温かく見守る気持ちを持って次に期待する言い方をするのでは、子どものモチベーションが全く違いますよね。
大人は無意識に自分の不安を口にすることがありますが、それは子どもにとって大人が思う以上の大きな影響を与えてしまいます。
親の期待が大きければ大きいほど失敗した時の落胆があり、つい厳しいことを言ってしまいがちですが、親のたった一言で子どものモチベーションが大きく下がってしまい、「どうせ私はやっても無理だから」となってしまうことになりかねません。
日常のコミュニケーションを大切にしましょう
成績以外のことでも、しっかり親子のコミュニケーションを取っていれば、ゴーレム効果を軽減することもできます。時には母娘2人でおいしいものでも食べに行って、何気ない日常の会話の中で、「本当はあなたを信じている。期待してる」そんな気持ちをさりげなく伝えてみてはいかがでしょうか。
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●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)