狂犬病のリスクは? 犬に噛まれたときの応急処置と感染症の予防法
2015年6月1日 | よみもの狂犬病のリスクは? 犬に噛まれたときの応急処置と感染症の予防法

【ママからのご相談】
3歳の男の子のママです。子どもが犬好きで、お散歩中の犬を触りたがって困っています。かわいいのはわかるのですが、万が一、犬にかまれたら狂犬病になるおそれがあるんじゃないかと思うと心配なんです。もしも、犬にかまれたらどうすればよいのでしょうか。
犬にかまれた場合は、すみやかにせっけん水で傷口を洗い、母子手帳を持って早めに小児科を受診しましょう。
ご相談ありがとうございます。健康・美容ライターのMAKIです。
動物が大好きなお子さんをお持ちだと、もしかまれてしまったらどうしようと心配になってしまいますよね。私も犬好きの男の子のママなので、お気持ちがよくわかります。
犬にかまれてしまった場合は、心配になるのはやはり狂犬病ですよね。狂犬病は、狂犬病ウイルスを原因とする人畜共通感染症の一つで、感染し発症すれば死亡率が非常に高いとされる病気です。
しかし、現在の日本では昭和32年以降、発症はありません。日本では狂犬病予防法に基づき、飼い犬の登録及び狂犬病予防接種義務や未接種・未登録犬の処分などが実施されているためです。こういった行政の取り組みもあり、ある小児科の医師や獣医師の見解では、国内での狂犬病の発症はまず大丈夫だろうとのことです。
ただし、いくら国内なら安全とはいえ、海外から輸入されてくる動物もいますし、理論上はリスクがゼロとは言えません。そこで、犬にかまれたときの対処法、家庭でできる予防法についてご紹介します。

犬に噛まれたときの応急処置
犬にかまれた傷のことを医学的には『犬咬傷(いぬこうしょう)』と呼びます。お子さんをかんだ犬が狂犬病の予防接種をしていたとしても、犬の口にはブドウ球菌や連鎖球菌などの細菌やウイルスがたくさん存在するので、かまれた傷口からの感染を防ぐためにも傷と傷の周囲を水またはせっけん水でしっかりと洗い流しましょう。
家庭に消毒液があれば消毒しなるべく早く小児科を受診するようにしましょう。ちなみに子どもの場合は小児科か外科、大人の場合は外科をたずねましょう。
四種混合ワクチンを接種しておく
犬にかまれたらまず狂犬病の心配をされる人が多いのですが、狂犬病の発生については前述のとおり、日本ではリスクは低いと考えられています。
しかし、犬の口は不衛生で、特に外で飼われている犬だと土壌に多く生息する破傷風菌に感染している場合が多いので、家庭でできる予防法として、お子さんには破傷風のワクチンを接種しておくようにしましょう。
破傷風ワクチンは、生後3か月から接種可能ですので他のワクチンスケジュールと合わせて適正な時期に予防接種を受けておきましょう。
なお、2012年11月以降は現行の四種混合ワクチンになりましたが、それ以前に生まれたお子さんは三種混合ワクチンを接種していれば、破傷風ワクチンが入っているので大丈夫です。
いかがでしたか。国内においては狂犬病のリスクは小さいですが、予防接種をきちんと受けておくことと、特に海外旅行をするときには、日本に比べると犬の予防接種をきちんとおこなっていない国もあるので注意が必要です。お子さんには動物にむやみに触らないように言い聞かせておくようにしましょう。
【参考リンク】
・動物咬傷 | 土川内科小児科
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●ライター/MAKI(健康・美容ライター)