迷惑な上に菌だらけ!? 鳩に“エサやり”をしてはいけない理由
2015年5月29日 | よみもの迷惑な上に菌だらけ!? 鳩に“エサやり”をしてはいけない理由

【ママからのご相談】
先日、公園でハトにエサをやっている人を見かけました。子どもに、「ぼくもハトにエサをあげたい」と言われたのですが、私は鳥が大の苦手だということもあり、「せっかくだから公園で遊ぼうね」といってその場をしのぎました。ところで、ハトへのエサやりは良くないこととされているように感じますが、具体的にどういった理由でダメなのでしょうか?
公園でのハトのエサやりは条令で禁止している自治体もあります。またハトのフンには病原菌が多く含まれており、注意が必要です。
ご相談ありがとうございます。健康・美容ライターのMAKIです。
動物をかわいがる行為はお子さんの情緒面の発達においてもとても有益なことなのですが、残念ながら野生動物は衛生的にもなるべく触れないようにしたほうが良いでしょう。特に、都市型野生動物と言われるネズミ、カラス、ハトなどは、人間の食べ物やゴミ、住まいなどをうまく利用して生活しているため、餌づけしてしまうと異常に繁殖し、人間の生活をおびやかしかねません。

ハトのエサやりは禁止なの?
公園や広場などでのハトのエサやりに関しては、近隣住民がハトのフンに悩まされるといったケースもよく見られるため、たとえば東京都環境局のホームページや中野区のホームページでは、『ハトにエサを与えないで』と注意喚起がなされています。
京都市では今年3月に野良猫を減らすため、猫へのエサやり禁止の条例が成立しました。また、大阪府箕面市では平成22年から猿へのエサやりの禁止条例が施行されています。
現状では、ハトへのエサやりは“禁止”とはっきり制定されている自治体は多くありませんが、ハトのエサやりによってハトを集め、フンを撒き散らす結果となってしまった場合、近隣住民の方へ迷惑を及ぼすおそれのある行為をしたとして公園管理者から注意される場合があります。
ハトだけでなく、ハトの糞便にも注意が必要
ハトへのエサやりが良くないのは、ハトが集まってくることや、ハトのフンが増えることももちろん理由としてあげられますが、それよりももっと重要なのは、ハトのフンを介して人間に感染症を引き起こすリスクがあることです。
ハトのフンは小さいため、乾燥すると風にのって舞い上がり、フンに含まれる病原菌が人間の肺などで増殖し、病気を引き起こす場合があるのです。ハトのフン由来の感染症として代表的なものに、重症化すると髄膜炎などを引き起こすクリプトコッカス症やオウム病があります。
また、ハト自体にも寄生虫、ダニ、病原菌も多いため、症状が重症化しやすい小さな子どもや免疫力の低下している大人は特に注意が必要となります。
いかがでしたか。ハトは都市部でよく見られますが、野生動物です。自然の中で、自分たちでエサを捕り生きていかねばならないところに、人間が介入し、エサを与えてしまうと生態系のバランスも崩れてしまいます。
ハトのフンから起こる病気のリスク、近隣住民の方や公園を楽しむ方への配慮、生態系のバランスを考えると、安易にハトにエサをやるべきではないと言えるのではないでしょうか。
【参考リンク】
・ハトにえさを与えないで | 中野区
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●ライター/MAKI(健康・美容ライター)