類人猿時代の習性!? 雨の日に気分が沈む“意外な”ワケ
2015年5月26日 | よみもの類人猿時代の習性!? 雨の日に気分が沈む“意外な”ワケ

【女性からのご相談】
雨が続くと、特に何があったわけではないのに気分が沈むなど精神状態がよくありません。雨と精神状態との因果関係はありますか?
雨が続くと副交感神経系の働きが強くなるため、意欲が低下することがあります。
ご相談ありがとうございます。ライターの佐藤です。
今年(2015年)の4月は異常気象で、とにかく雨ばかりでしたね。雨ばかり降られると過ごしにくく、体の調子も悪くなってしまう気がします。しかし、雨が全く降らないと今度は水不足で困ってしまいますから、雨とうまく付き合っていく方法を探ってみましょう。

天気と人間の密接な関係
「天気が良いと活動的になる」「雨が降ると室内にこもりたくなる」というのは、もともと人間の進化の過程で身についた“習性”です。
人間は雨の日に外へ出て濡れると体温を奪われて体の動きが悪くなり、気温が低い場合には死に至ることもあります。そのため、類人猿時代のわれわれの祖先は、餌を取るのは天気の良い日にして雨の日はこもって体力を温存するという“生きていくための知恵”を身につけたわけです。
この習性は、雨の日は副交感神経が優位になるという形で私たちに受け継がれています。副交感神経が優位になると、リラックス状態になるという良い点もありますが、体力温存モードになっているため活動する意欲が低下してしまうのです。
例外もあります
ただし、例外もあります。「雨の日だとうれしくなる」「雨だと調子が良い」という人もいます。元F1レーサーの中嶋悟氏のように、「雨はゲンが良い」という人もいるでしょう。
これは、成長の過程で雨の日に良い思いをしたことがある場合に現れるケースです。人間は良い経験をすると、それが記憶されて習性をも凌いでしまうことがあります。これもまた、人間の面白いところでしょう。
対処法は?
雨で気分が落ち込んでしまったときの対処法ですが、“雨の日こそ好きなことをして気をまぎらわそう”と考えてみてはいかがでしょうか。音楽を聴く、趣味などの自分の好きなことをするといったように、雨の日に良い思いをした経験を作ってみるのです。うまくいかなかったとしても、やりすごすことができるでしょう。
どうしても憂鬱になってしまう場合には、お医者さんに相談して薬を処方してもらうのも一つの手です。
【参考リンク】
・天気と気分の関係 | 健康栄養インフォメーション
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●ライター/佐藤俊治(フリーライター)