サイレントベビーを防止! ママが赤ちゃんを抱っこする発育上のメリット
2015年5月21日 | よみものサイレントベビーを防止! ママが赤ちゃんを抱っこする発育上のメリット

【ママからのご相談】
生後3か月の娘がいるのですが、最近寝かせると泣くので1日中抱っこをしていないといけない状態です。母からは、「抱き癖がつくから泣いてもすぐに抱っこをしないほうがいいんじゃない?」と言われるのですが、抱き癖がつくことは良くないことなのでしょうか?
抱き癖はついてもOK! 赤ちゃんをいっぱい抱っこしてあげるのはとても良いことです!
ご相談ありがとうございます。ベビーマッサージ講師のfurahaです。
結論から述べると、抱き癖がつくことは悪いことではありません! むしろ、赤ちゃんのときにママがいっぱい抱っこをしてあげるのはとても良いことです。
抱き癖をつけないほうがいいと言われるのは、“抱き癖=甘えん坊”、“抱き癖がない=早く自立できる”、というイメージがついてしまっていることが原因ですが、これらは全く根拠の無い考え!
ハイハイができるようになって、歩けるようになって、外で友達と遊べるようになって、と子どもは成長するにつれてママの腕の中にいるよりも外の世界でもっと楽しいものを見つけて自然と自立していきます。したがって、抱き癖と自立や甘えは無関係。抱き癖がつくことが赤ちゃんにとってマイナスになることはないので、安心してください。
更に言うと、抱き癖がつくという考え自体が、赤ちゃんのためではなく親の都合からうまれたもの。抱き癖がなく1人で寝ていてくれるほうが家事がはかどる、仕事がしやすい、夜寝るときも抱っこで寝るのではなく1人で寝てくれたほうが夫婦の時間を大切にできる……。よく考えたら、抱き癖がついて困る理由は全て親の勝手で、赤ちゃんには関係のないことですよね?
以下では、その抱き癖を恐れるあまりに抱っこをしないことで起こり得るリスクと、抱っこが赤ちゃんの成長にもたらす効果について詳しくお伝えします。

泣いてもすぐに抱っこをしないと“サイレントベビー”になる危険性も……
抱き癖をつけないためには、赤ちゃんが泣いてもすぐに抱っこをしない、という方法をよく聞きますが、このすぐに抱っこをしてあげないというのは実はとても危険なこと。
そもそも生後間もない赤ちゃんというのは、泣くことでしか意思表示をできません。したがって、赤ちゃんが泣くのは当たり前。何かママに訴えたいから泣いているのであり、抱っこをして泣き止む場合は、抱っこをしてもらうことで安心感を感じられるからではないでしょうか?
そんな赤ちゃんに、「抱き癖がつくから泣いてもすぐに抱っこをしない」という接し方をしていると、次第に赤ちゃんは、「自分が泣いてもママは来てくれない。自分の言うことを聞いてくれない……」と感じて、いつしか泣くことをやめてしまいます。これがいわゆる“サイレントベビー”です。
“サイレントベビー”になってしまった赤ちゃんは無表情で感情表現が上手くできなくなり、そのまま成長すると情緒に問題がある子に育つとも言われています。
これを防ぐためには、赤ちゃんのうちは泣いたらすぐに抱っこをしてあげて、「自分が泣いたらママはいつでも飛んできてくれる」という安心感を子どもに与えてあげることが大切なのです。
スキンシップが赤ちゃんの心身の発達に与える影響
では、何故赤ちゃんの時期に抱っこをいっぱいしてあげると良いのでしょうか? それは、スキンシップが赤ちゃんの心身の発達にもたらす影響に関係があります。
スキンシップを通じて子どもがママの愛情をたっぷりと感じることで、母と子の愛情関係が強まり、情緒が安定し、安心感をもつことができます。そして、その経験が子どもの心の根っこを豊かにするのです。
これは心理学的にも証明されていることで、国際スキンシップ協会のWebサイトには、
母親からもらうたくさんのスキンシップこそが、赤ちゃんに「存在感」(自分が安心して外界と関わっているという生きた実感)を構築し、成長して社会に出て他者と快い人間関係を築いていける土台となる
と書かれています。
さらに、スキンシップは赤ちゃんの心だけでなく体の成長を促進させる効果もあり、これは次のことが理由なのだそうです。
赤ちゃんは母親の温かくて柔らかい肌の感触に、安らぎと信頼感を得ます。これは副交感神経を刺激し、インシュリンなどの成長にかかわるホルモンを分泌させ、食物吸収が高まり、成長を促進します。
抱っこでたっぷりとスキンシップをとって愛情を伝えてあげて!
このように、スキンシップは赤ちゃんの成長にとても重要なもの! そして、抱っこはそのスキンシップを日常生活の中で一番簡単にとれるものです。
確かに、1日中抱っこをしているのはママとしては体力的にもつらく、家事などもなかなか進まずイライラしてしまうこともあるかもしれませんが、そんなに抱っこ抱っこと1日中言ってくれるのもわずかな期間のこと。子どもとベッタリできる時期を思いっきり楽しむつもりで、ぜひいっぱい抱っこをして、ママの愛情をたっぷりと伝えてあげてください。
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●ライター/furaha(ベビーマッサージ講師)