119番のタイミングは? 救急車を呼ぶべき子どもの症状5つ
2015年5月13日 | よみもの119番のタイミングは? 救急車を呼ぶべき子どもの症状5つ

【ママからのご相談】
先日、目を離した隙に2歳の息子が文房具用のハサミを触ってしまい、誤って手を切ってしまいました。慌てて傷口を見てみると、素人目に見ても明らかに縫わなくてはいけないほどの傷で、大急ぎで救急車を呼んで病院へ行きました。
後日、友人にその話をしたところ、「切った程度で救急車を呼ぶなんて、非常識だよ」と言われました。息子の傷を見たときの私は、確かに冷静ではなかったと思います。とはいえ、非常識だとまで言われるとは思わなかったのでとてもショックでした。
どの程度の症状であれば救急車を呼んでもいいのでしょうか? そのラインがイマイチわからず、今後似たようなことが起こったら、さらに混乱してしまいそうです。
救急車を呼ぶべきラインを確認しておきましょう。
ご相談ありがとうございます。ママライターの木村華子です。
日常生活で、救急車を呼ばなければいけない状況はなかなか起こりません。しかし、全くの無関係というわけでもありませんよね。わが子が急なけがや病気に見舞われたとき、または近しい誰かに“もしも”のことが起こったときに、冷静に判断ができる方がどれほどいらっしゃるでしょうか?
意識がない状態であったり、明らかに命に関わる症状やけがであるならば、迷わず救急車を呼ぶでしょう。ところが、体に起こる異常にはさまざまなものがあり、けがの重症度もケースバイケースです。“救急車を呼ぶライン”も曖昧で、いざそんなシーンに立たされると、「本当に呼んでいいのか?」が分かりづらいこともあるでしょう。
今回は、救急車を呼ぶべき症状のおさらいと、「救急車を呼んでいいの!?」と迷ったときの対処法についてご説明します。

救急車にまつわる仰天エピソード
看護師の仕事・プライベートに関する悩みを共有する掲示板『看護師お悩み相談室』では、救急車で来院した患者の仰天エピソードがいくつも書き込まれています。その一部をご紹介します。
・子どもの鼻血が止まらないと、救急車でやってきた親子がいた
・「待ちたくないから」という理由で、救急車に乗って小児科にきた患者がいた
・耳の痛みを訴えるわが子を夜間救急へ連れて行ったとき、同じ症状(中耳炎)で救急車に乗ってきた親子が優先された
・37度程度の発熱で救急車を呼んでいた
・タクシー代わりに救急車を使う人がいる
不適正利用者の存在によって引き起こされる救急車の不足が叫ばれて久しいです。救急車を呼ぶ前に、「本当に呼ぶべきなのか?」を冷静に判断したいものですね。
とはいえ、同掲示板では、「必要でない人が救急車を呼んでいる反面、救急車を呼べばよかったのに! という人に限って自力でやってくる」という声も多く見られました。大切なわが子の体です。救急車が必要かを冷静に判断して、利用してください。
こんな症状が起こったら迷わず119番!
それでは、どのような状態であれば救急車を呼んだ方がいいのでしょうか? 消防庁が案内している『ためらわずに救急車を呼んでほしい症状:小児(15才未満)』には、以下のような症状が挙げられています。
(1)頭
・頭を痛がって、けいれんがある
・頭を強くぶつけて、出血がとまらない、意識がない、けいれんがある
(2)おなか
・激しい下痢や嘔吐で水分が取れず食欲がなく意識がはっきりしない
・激しいおなかの痛みで苦しがり、嘔吐が止まらない
・ウンチに血がまじった
(3)顔
・くちびるの色が紫色で、呼吸が弱い
(4)胸
激しい咳やゼーゼーして呼吸が苦しく、顔色が悪い
(5)手足
・手足が硬直している
ここで紹介された症状は、重大なけがや病気である可能性があります。もしも子どもに上記の症状が起こった場合、迷わず救急車を呼びましょう。
それでも判断が難しければ、救急相談窓口に問い合わせを!
また、上で紹介した症状に当てはまらず、救急車を呼ぶべきかわからない場合、最寄りの救急相談窓口に問い合わせてみてください。
お住まいの都道府県や市町村にある窓口の問い合わせ先を事前にチェックしておくことをおすすめします。また、全国共通の短縮番号『♯8000』をプッシュすれば、最寄りの相談窓口に自動で転送され、適切な処置や受診についてのアドバイスを受けることができます。
【参考リンク】
・救急車を上手に使いましょう | 総務省消防庁(PDF)
・小児救急電話相談事業(#8000)について | 厚生労働省
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●ライター/木村華子(ママライター)