約30%がバカ舌!? 現代っ子が“味覚障害”になる原因と摂るべき食品
2015年5月7日 | よみもの約30%がバカ舌!? 現代っ子が“味覚障害”になる原因と摂るべき食品

【ママからのご相談】
小学3年の子どもがいます。最近、父親に似てきたのか、やたら濃い味を好むようになり、私の手作りでは、「味がない」と言ってしょう油をかけたりします。仕事で帰りが遅くなるときなど、子どもの食事は買ってきたお惣菜や冷凍食品ですませることもありますが、生活習慣病の低年齢化などの話も聞くので、できるだけ味の薄そうなものを選んでいます。他に気を付けることがあれば教えてください。
現代の子どもの30%に味覚障害の症状がみられ、加工食品がその原因であることも考えられます。
こんにちは。心理食育インストラクターのSAYURIです。ご相談ありがとうございます。
せっかく作った料理におしょう油をたっぷりかけられては、がっかりしてしまいますよね。もしかしたら、忙しいママの強い味方であるお惣菜や冷凍食品がその原因かもしれません。それらの食品を頻繁に食べていると、子どもは濃い味に慣れてしまうだけではなく、ひどくなると味覚障害になってしまう危険性があるのです。

子どもの21%は酸味が分からない!?
東京医科歯科大学の研究グループが、小学1年生から中学3年生の子どもたち349人を対象に行った、“酸味・塩味・甘み・苦味”の4つの味覚認識の調査によると、全体の21%の子どもが“酸味”を認識できなかったそうです。また、“塩味”は14%、“甘み”と“苦味”については6%の子どもが、「わからない」と回答しています。
全体的にはいずれかの味覚を認識できなかった子どもが107人と全体の31%を占めていたことが、2014年の10月にNHKなどで紹介されました。
研究グループによると、味覚を認識できなかった子どもはジュースなどの清涼飲料水を毎日飲んでいたり、野菜の摂取量が少なかったり、加工食品やファストフードを好む傾向が見られたということです。
亜鉛不足も一因に
亜鉛は新陳代謝には欠かせないミネラルのひとつで、舌は体の中でも新陳代謝のサイクルが早い部位です。そのため、亜鉛が不足すると舌の新陳代謝が遅くなり、それに伴い味を認識する『味蕾(みらい)』の機能が低下してしまいます。
また、亜鉛を摂取していても、清涼飲料水や加工食品などの添加物に含まれるリン酸を多く摂取することで吸収を阻害されてしまいます。
亜鉛を多く含む食品
亜鉛は牡蠣などの貝類のほか、煮干し・凍り豆腐・牛の肩ロースなどにも多く含まれています。煮干しはお味噌汁の出汁に使えますし、凍り豆腐は煮物だけでなく、粉末にしてハンバーグに混ぜて使うこともできるので上手く活用するといいでしょう。
味覚障害は自覚がないケースも多々あるので、家族がよく注意してみてあげないといつのまにか重症化してしまいます。あまりに味覚が鈍っているようであれば早めに医療機関を受診することをおすすめします。
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●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)