発症リスクが○割減! 赤ちゃんの“アトピー”を予防するスキンケアの効果
2015年4月6日 | よみもの発症リスクが○割減! 赤ちゃんの“アトピー”を予防するスキンケアの効果

【ママからのご相談】
現在妊娠8か月でもうすぐ女の子を出産予定の妊婦です。私自身、アトピー体質で小さい頃にアトピーで苦労した記憶があるので、産まれてくる子どもにもその体質が遺伝しないか心配しています。もし子どもにもアトピー体質が遺伝している場合、症状が出ないように防ぐ方法などがあれば教えていただきたいです。
アトピー性皮膚炎は自宅でのスキンケアで予防できます!
ご相談ありがとうございます。ベビーマッサージ&ベビースキンケア講師のfurahaです。
ご相談者様に限らず、お子様のアトピーに頭を悩ませているママはとても多いと思います。ご自身がアトピーで苦労された経験があれば尚更、わが子には同じ思いをさせたくない、と思うのが親心ですよね。
そんなママに朗報! 日々の自宅でのスキンケアでアトピー性皮膚炎を予防することができます!
生れつきなりやすい素質をもった子にでるアトピー性皮膚炎、残念ながら現在の医療ではその素質を変えることは無理なのですが、正しくスキンケアを行うことで症状を抑えたり軽くすることは可能です。

最新の皮膚科学でも証明されている! アトピーとスキンケアの関係性
スキンケアでアトピー性皮膚炎を予防できる、ということは最新の皮膚科学の世界でも証明されています。2014年10月、国立成育医療研究センターのアレルギー科から以下のような研究結果が発表されました。
「新生児期からの保湿剤塗布によりアトピー性皮膚炎の発症リスクが3割以上低下する」
この研究では、父母兄弟1人以上にアトピー性皮膚炎の経験があり、アトピー性皮膚炎の発症リスクの高い118人を対象に設定。そのうち59人には生後1週目から32週にわたって保湿剤を1日1回塗るように指導、残りの59人には乾燥している部分にのみワセリンを塗り、アトピー性皮膚炎の発症率を比較。32週目に検診を行ったところ、アトピー性皮膚炎の発症者数が、前者が19人、後者が28人という結果になったそうです。
上記の研究以外に、愛育病院皮膚科部長の山本博士も著書『赤ちゃんの肌トラブルを防ぐ本』の中で以下のような言及をされています。
『アトピー性皮膚炎はカサカサ肌として病気が始まりやすいですから、赤ちゃん時代の初めからスキンケアに注意することで、ひどいアトピー性皮膚炎にならずに過ごすことができるのです』
ママたちの間では意外に知られていない事実ですが、“生後すぐから正しいスキンケアを行うことで、アトピー性皮膚炎を予防できる!”というのは、皮膚科学の世界では既に当たり前の見解であるということ。スキンケアの中でも特に“毎日保湿をする”というのが重要であることがよくわかります。
少しでも肌に異変を感じたら病院へ! 医師の治療方針に従うことも重要!
生後すぐから毎日スキンケアを行っていても、アトピー体質がある場合は症状がでてくる可能性があります。その場合、肌に少しでも異変を感じたらすぐに病院へ行きましょう! 子どもがかゆがる様子がないから、そこまで症状がひどくないから……という理由で病院に行くのを遅らすと、その間に症状がひどくなってしまい深刻化してしまうことも。
アトピー性皮膚炎に限らず、肌トラブルは一旦症状がでると、それを自宅でのスキンケアだけで治すのはなかなか難しいのです。自宅でのスキンケアはあくまで予防であって、治療ではありません。 症状が軽いうちに病院で治療を行えば、その分軽度な薬で短期間で治すことが可能なので、子どもへの負担も少なくなります。
また、病院で治療を受ける場合は、必ず信頼できる医師のもとで、医師の治療方針に従いましょう! 病院で処方される薬を塗ると肌表面はすぐにキレイになってきます。見た目でキレイになったから治ったと思って、医師から指示された期間の途中で薬を塗ることをやめるママが多いのですが、その段階では肌内部はまだ治りきっておらず肌トラブルがすぐに再発する可能性があります。
医師は症状が完治するまでの期間を計算して薬を処方しているので、肌トラブルを完治させるためには、自己判断で治療を途中でやめないようにしましょう。
スキンケアの際に使う保湿剤にも気を使って!
生後すぐからの正しいスキンケアがアトピー性皮膚炎を防ぐ……ここまでご説明してきましたが、最後に1つ注意点があります。それはスキンケアの際に使う保湿剤!
自宅でのケアなので、日々使う保湿剤は病院で処方されるものではなく薬局などで売っているもので充分なのですが、保湿効果が低いものを使っているといくら毎日塗ったとしてもあまり意味がありません。最近ではベビースキンケアの教室も全国各地にできてきているので、そういった教室でアトピー性皮膚炎や赤ちゃんのスキンケアについて本格的に学ばれてみてもいいかと思います。
もし信頼できる皮膚科の先生がいれば、その先生におすすめの保湿剤がないかたずねてみるのもいいでしょう。
ぜひ生後すぐからスキンケアを初めて、赤ちゃんの大切なお肌を守ってあげてくださいね。
【参考文献】
・『赤ちゃんの肌トラブルを防ぐ本』 すこやか肌を育てる会
●ライター/furaha(ベビーマッサージ講師)