小学1年生の憂鬱! 子供の“音読”を楽しく上達させるコツ3つ
2015年3月30日 | よみもの小学1年生の憂鬱! 子供の“音読”を楽しく上達させるコツ3つ

【ママからのご相談】
小学校1年生の息子についての相談です。学校で毎日のように音読の宿題が出ます。そばで聞いているのですが、何度も同じところを読み間違えたり、文字を抜かして読んだりしています。その都度注意をするのですが、なかなかよくなりません。もっとスラスラ読めるようにするためには、どのような関わり方が必要なのでしょうか?
どんなことも楽しく興味をもってできる環境が重要です!
ご相談ありがとうございます。家族を笑顔にする教師&6人の子育てパパ・荒川茂樹です。
わが家にも1年生の息子がいます。毎日のように音読の宿題のオンパレードです。入学当初と比べると、ずいぶん読み方が上手になってきました。しかし、たまにつっかえたり、文字を抜かして読んだりすることがあります。友だちと遊ぶ約束をしてきたときなどは、集中にかけ、読み方が雑になることもあります。
私が教員時代に数多くの国語の先生方に聞いたお話を中心に、そんなときの対応策を3つお伝えします。

子どもの音読を上達させるコツ3つ
(1)多少間違っていても注意しない!
親って、どうしても100%きちんとやらせようとします。私も実はそうでした。しかし、音読って実に高度なことをやっているんです。
“目で文字を捉える→脳で認識する→言葉で発する”
大人でさえ間違えることのあるこの活動を、まだ発達の浅い1年生が間違ったとしてもまったく心配ありません。もし気になるならば、
・親御さんが一文を読んだあとに子どもに読ませる
・短いまとまりで親御さんが読み、子どもが読む
・子どもに、短いまとまりごとで読ませる
などの工夫が必要です。
そこで一番やってはいけないことは、“その都度注意する”ということです。子どもは一生懸命読んでいます。まずは、その行為を認めてあげてください。多少の間違いには目をつぶり、音読の時間を親子で楽しむ時間としていくことが何よりも大切ですね。
(2)間違えたり、つっかえる言葉は、意味が分かっていない可能性がある!
子どもが上手に読んでいるからといって、すべての言葉の意味が分かっているとは限りません。流暢に読んでいる子だって、間違えずに読んでいる子だって、家で特訓してきている子だって、すべての言葉の意味を理解している子はほとんどいないでしょう。
しかし、よく間違えたり、つっかえたりする子は、言葉の理解ができていないことを読み方で表現してくれているのだと捉えてみてください。たった1つの言葉を理解できないばかりに、文章全体がわからなくなってしまったり、読むのが嫌になってしまったり、国語自体が嫌いになってしまったりすることだってあるのです。
L.R.ハバード著の『親子で楽しむ学び方』には、勉強がうまくいかない3つの理由や、それに対処するための辞書の効果的な使い方、デモンストレーションの仕方、実物や写真、映像を効果的に見せることなどの良さが示されています。
1年生には国語辞典や漢和辞典は早いかもしれませんが、ママと一緒に少しずつ使い方にも慣れていくと、自然に1人でできるようになっていきます。このやり方をマスターしたら、大人になっても大いに役立つこと間違いなしです。
この方法で言葉をはっきり理解できたら、スムーズな音読にもつながっていくこと間違いなしです。いつでも手の届くところに辞書や百科事典が置いてある環境づくりを意識してくださいね。
(3)音読の仕方をいろいろ工夫しましょう!
音読というと、“子どもが読んで親が聞く”という画一的なパターンができていることでしょう。1日に何回も同じところを親の前で読むって、子どもにとっても苦痛のはず。せっかくやる音読なので、少しでも子どもが生き生き楽しくできるような、そんな工夫をしてみませんか?
工夫としては、
・何回も読む宿題なら、最後の1回が最高の読みになるようにその前は練習の読みとする
・子どもと役割分担をして読む
・親の後に子どもが続けて読む
などが考えられます。
「今日はどのやり方にする?」など親子で相談してから始めると、なんだかいつもと違った楽しい感じで音読を行うことができますね。
音読の宿題は、今後も続いていきます。
お子さんが1年生の今、一番重要視しなければならないことは、「音読は楽しい」「ママに聞いてもらえるとうれしい」という心情を育てていくことです。
多少歯がゆい部分があっても大丈夫! この3つのポイントを意識して、取り組んでみてくださいね。
【参考文献】
・『親子で楽しむ学び方 LEARNING HOW TO LEARN 』L.R.ハバード・著
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●ライター/荒川茂樹(プロ学習講師)