5歳までが勝負!? 幼児期から英語教育を始めるメリットと注意点
2015年3月27日 | よみもの5歳までが勝負!? 幼児期から英語教育を始めるメリットと注意点

【ママからのご相談】
英語の早期教育について相談します。子どもを英語が得意な子にしたいと思っています。自分は英語が苦手で随分苦労したので、子どもには同じ苦労をさせたくありません。しかし、あくまで、“英語が好き”“英語が得意な子”になってもらえたら……程度に考えていたので、ママ友たちが幼児教室に行かせてガッチリ英語を学んだり、自宅での会話を英語にして頑張っているのを見ていると、私ももっと頑張らないといけないのかな? と心配になります。英語嫌いにならないためには、どのようなことに取り組んだらいいでしょうか。
重要なのは“聞き取る力”をつけておくこと。
ご相談ありがとうございます。プロ家庭教師の佐々木恵です。
英語教育はどんどん早期化されており、熱心な方は早いうちから英会話教室に通わせ、バイリンガルな子どもにできるように取り組まれている方も多いです。国の政策としても、英語の学習をより早期から行うように変更されてきています。そこで、どのような教育を行っていけばいいのかをご紹介します。

母語がしっかりしないと、精神的に不安定になる?
人工的に無理矢理バイリンガルにすることについては、普通に育てたときより精神的に問題が起こりやすいと教育学者である齋藤孝先生は指摘しています。
母語がはっきりしないと、「自分は何人なのか?」という不安がつきまとい、精神的に不安定になったり、ひどくなると英語でも日本語でもない言語を話すようになってしまうこともあるとのこと。バイリンガル教育には、細心の注意と覚悟が必要なのです。
書き取る能力は、いつ始めても問題なし
また、英語を始める時期ですが、書き取る能力はいつから始めても大きな差はありません。
英語が必須教科になるのは中学校からですが、中学校での学習でウェイトを占めるのは書き取り能力です。英語が心配だからと小学生のうちから熱心に英会話教室に通わせたのに中学校で英語の成績が芳しくない……と嘆くお母様は少なくありません。
反対に、小学校までほとんど英語に触れたことがない子でも、英語で好成績を取ることは十分に可能です。
聞く力には“5歳の壁”が存在する
とはいえ、「小さいころから英語を学ばせておいた方がいい」という意見はご相談者さんも聞いたことがあるかと思います。実は、2歳から5歳までは、日本語と英語の区別なく、音を聞き取る力が強く、まねする力も強いため、この時期は英語を上手にまねすることができます。つまり、5歳までに始めることで、発音や聞き取りに差が生まれるのです。
世界的に見て、日本人はあまり耳が良くありません。言語的に見ると、日本語は音が少ない言語だと言われており、日本語だけを聞いて育つと、英語特有の音や微妙な音の違いを聞き取ることができないそうです。
受験勉強など、学校での英語の成績が心配なのであれば、お子さんが小さいうちから躍起になる必要はそこまでないように思います。しかし、英語を話せるようにしたい、日常会話くらいできるようにしておきたいとお考えであれば、5歳までに、英語を聞いてマネするなど、英語の音に触れる機会を持つのは有効です。
ぜひ、方針を決めて取り組んでくださいね。
【参考文献】
・『子育ては諭吉に学べ!』齋藤孝・著
【関連コラム】
・子供をバイリンガルに育てる英語環境の作り方3つ
・あまりお金をかけない幼少期の英語勉強法4つ
・効果的な“早期英語教育”の取り入れ方
●ライター/佐々木恵(プロ家庭教師)