“好き”が自信に! 発達障害の子どもの習い事を選ぶポイント4つ
2015年2月26日 | よみもの“好き”が自信に! 発達障害の子どもの習い事を選ぶポイント4つ

【ママからのご相談】
5歳の息子のママです。息子が発達障害で発達支援施設に通っていますが、そこでは集団生活になじめるようにする指導が多いので、息子の良さを伸ばす習い事を考えています。習い事を選ぶポイントや習い事をさせる上で気を付けることを教えてください。
お子さんの得意なことよりも何が好きかを重視して、自己肯定感を持たせることを第一に。
ご相談ありがとうございます。ママライターの馬場じむこです。
発達障害の通所支援や、園や学校の指導はどうしても集団生活に困らないための欠点の克服になりがちですよね。
しかし、発達障害は苦手な作業やコミュニケーションなどがあると言われている一方で、発想や感性、物事を追求する特性でかなり秀でている面を持っているという話もよく聞きます。そういった面を伸ばすために、親として何かしてあげたいというお気持ちかと思います。
そこで今回、このご相談について、発達に悩みを抱える幼児から小学生がアート、IT、ダンスなどの習い事ができる、東京未来大学こどもみらい園の副園長として70人以上の子どもたちに関わってきた平林景さんに、習い事を選ぶポイントを教えていただきました。

習い事を選ぶポイント4つ
(1)一番は子どもの得意なことより好きなこと
子どもの得意な部分を伸ばして、将来に役立ててほしい、自信を持ってほしいという気持ちがあるかと思います。もちろん、得意なこと=好きなことであれば、それを活かした習い事を行うのがいいと思います。
しかし、そうではなく親から見れば幼稚園で絵を上手に描いているけど、本人は絵を描くよりダンスが好きという場合は、まずダンスを習うという方が子どもにとって自己肯定につながります。そして、自己肯定ができれば自然に上達して秀でたものになっていきます。
ぜひ、お子さんのスキルよりも、楽しんでいるかを一番に見てあげてください。
(2)お子さんの上達スピードを大人が無理に要求しない
習い事を始めるとお子さんの上達するスピードが気になる、もっと練習を頑張れば早く上手になりそうと思ってしまうかもしれませんが、発達障害でより秀でた部分があるという話があっても、スピードは人それぞれです。
親や先生が焦って子どもの上達にスピードを求めないように気を付けてください。
(3)お子さんが、「他のことをやりたい」と言ったときは、まずそちらを優先させて
習い事を始めると、壁にぶつかっても乗り越えてほしい、やり通して欲しいという場面がでてくるときもあります。しかし、そこで無理強いしてやらせるというのはやめてください。一旦休ませる、辞めることも考えに入れてください。
他のことがやりたくなっても、他のことをやって気がすんだらまた元の習い事を再開したくなることもあります。そのときにいつでも再開できるような環境にしておくほうがよいでしょう。
また、習い事で壁にぶつかっても、お子さんが自ら乗り越えたいと思ったら、自分で乗り越えるか、習い事の先生に助けを求めるでしょう。そのときに頭ごなしに叱るのではなく、上手に子どもを援助できる先生を選ぶのがいいですね。
(4)好きなダンスで内気な子が自信につながることも
運動は苦手だけど、本人がやりたくてダンスを習っている小学生のお子さんでこんなことがありました。
そのお子さんは通院などで学校を遅刻した際に、1人で教室に入れないほど内気なお子さんなのですが、ダンスを習ってから、学校の担任の先生に、「みんなの前でダンスをしたい」と話して、終わりの会で披露し自信につながったようです。
いかがだったでしょうか?
適切な習い事をすることで、自己肯定感を持つことがいかに子どもの良い部分を伸ばし、自信につながって生きるための必要な力になるかを知ることができました。ぜひ習い事選びの参考にしてください。
【取材協力/平林景氏】
発達に悩みを抱える子どもたちのイノベーションスクール『東京未来大学こどもみらい園』副園長
・東京未来大学こどもみらい園
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●ライター/馬場じむこ(書評ブロガー)