大人になっても治らない!? 子供が“愛着障害”を発症する原因とケア方法
2015年2月20日 | よみもの大人になっても治らない!? 子供が“愛着障害”を発症する原因とケア方法

【ママからのご相談】
テレビで『愛着障害』に関する特集を見ました。“3歳までの親の接し方が大切”だと話しているのを聞いて、わが子(3歳と1歳)の接し方に不安を覚えました。仕事を掛け持ちしている上に家事などがあってしっかり接することができてないので、愛着障害になってしまうのではと不安です。
> 愛着のタイプ4つ(P1〜2)
> 愛着障害とは(P2)
> これに当てはまったら“愛着障害”かも(P2)
> 子どもが愛着障害になる原因(P3)
> 子どもの愛着障害『反応性愛着障害』(P3)
> 子どもを愛着障害にしないための接し方(P3)
> 子どもの愛着障害は治療できるのか(P4)
> 大人の愛着障害(P4)
> 愛着障害を持つ大人が発症しやすい病気2つ(P5)
> 大人の愛着障害を克服するポイント4つ(P5〜6)
> ADHD(発達障害)との違い(P6)
> まとめ(P6)
時間ではなく、質(愛情)を重視した子育てをすることが大切
ご相談ありがとうございます。メンタルケア心理士の桜井涼です。
昨年、広島で起こった少年犯罪によって『愛着障害』が今、注目されてきています。
こういった心の問題についてしっかり考えていらっしゃる相談者様は、お子様のことを考えておられるようですね。とてもすばらしいことだと思います。
お仕事をかけ持ちでされた上、家事育児まで頑張っていると、どうしても子どもと接する時間が少ないと考えてしまいます。
しかし、時間ではなく質を重視した接し方をすることで愛着障害を引き起こすようなことにはならないと考えます。
そもそも愛着って何?

イギリスの精神科医ボウルビーによると、人間は乳幼児のころに他人への愛着が作られると言われています。
乳幼児は親と一緒にいることで安心感を抱き、親も愛情を持ってそれに応えるのが普通(適応的)ですよね。
このような親子のスキンシップ(愛着行動)が繰り返されることで、子どもは他者に対して安心感・信頼感を獲得するようになります。
他者(主に母親など)に対する安心感・信頼感は愛着となり、
・恐怖や不安などのマイナスな感情を抱いたときの安全基地になる
・危機がないような状況でも、「いつでも帰る場所(安全基地)がある」という安心感を持つことで、外界を自由に探索できる
といった精神的作用を持つようになります。
逆に愛着がうまく形成できないと、常に心に安定がなく、孤独感を抱くようになります。
愛着のタイプ4つ

一口に“愛着”と言っても、子どもの性質により4つのタイプに分類されます。
以下では、子どもが持つ愛着の種類についてお話ししていきます。
(1)安定型
親(特に母親)と離れるときに、泣いたり怒ったりなどのパニックを引き起こします。
しかし、親と再開すると喜びやうれしさ、安心感などを抱き、スキンシップを求めます。
親を“安全基地”として、外界の探索行動を起こします。
安定型の子どもの親の特徴としては、
・子どもの様子に敏感
・子どもと調和的・楽しげな関係を築いている
・比較的情緒が安定している
といった傾向が見られます。
→次ページでは、引き続き“愛着のタイプ”について見て行きましょう。