罰を与えてもムダ? 子どものしつけに逆効果な”しまった体験”3選
2015年2月19日 | よみもの罰を与えてもムダ? 子どものしつけに逆効果な”しまった体験”3選

【ママからのご相談】
5歳の息子がおもちゃをなかなか片づけられません。先日は片づけなかったおもちゃを捨てるところまでやったのですが、それでも直らないようです。何かいい方法はないでしょうか?
子どもにとって重い罰ではない“しまった体験”で改善していきましょう。
ご相談ありがとうございます。ママライターの馬場じむこです。
私も2人の息子がおり、おもちゃの片付けのしつけには頭を悩ませております。以前、相談者さんのように捨てる、もしくは、「捨てるよ」と言って、強硬な手段に出たこともあったのですが、その場で子どもが泣きながら片づけはするものの、次につながらないことがありました。

どなりつける、叩く、おもちゃを捨てるは伝わっていない
伊藤徳馬さんの著書『どならない子育て』に衝撃的な記述がありました。
『おもちゃをなかなか片づけられず、親に口答えしている子どもに対して、親が怒り、「これは罰だ」と言って、おもちゃを1つ捨てたとします。そしてこどもは泣きながら片づけました』
『この状況では、子どもには主体的な意志や理解は期待できず、前述のネガティブな感情の中で、混乱しながら、「言われた通りにしただけ」となりがちです』
『罰が一線を越えると、子どものほうは罰で頭がいっぱいになってしまい、「たしかにこれはまずかったな、次からはこうしよう」などと考える頭の余裕を奪ってしまいます』
なんということでしょう、“どなりつける”“おもちゃを捨てる”は重い罰過ぎて、しつけが伝わっていないのです。
“しまった体験”のパターン3つ
そういっても、重い罰以外にどうすれば、どの程度のしつけをしていいか途方にくれてしまうのではないでしょうか。そこで、伊藤さんの著書でお勧めされているのが、“悪い結果”と呼ばれる“しまった体験”です。
しまった体験として3つのパターンが提示されています。
(1)子どもたちの楽しみに制限を加える方法
テレビを見はじめる時間を数分遅らせる、食べるおやつの量を少し減らす、など。
(2)もう一度させる方法
「ただいま」と言わずに家に入ってきた子どもを玄関まで連れて行き、「ただいま」と言わせる。
(3)元に戻す責任をとらせる方法
洗面所を水びたしにしたので拭かせる、イスを倒して遊んでいたので元の場所に戻させる。
しつけが目的だともう一度思い出して
このしまった体験は、罰にくらべてかなり軽く感じるかもしれません。しかし、子どもにおもちゃを片づけないことを叱るのは、親のストレス発散ではなく、子どもが自ら片づけができるようになるというしつけが目的です。
もちろん、日々家事や育児が忙しいときは、しつけというより先にイライラが来てしまうことでしょう。私も何度もそんな思いからどなってしまうことがありました。
できるときだけでいいので、どなるまえに一旦深呼吸して、片づけについて子どもに言いたいのは“しつけ”ということを思い出してください。
いかがでしたでしょうか?
親の方も、せっかく買ったものをもったいないと思いながらおもちゃを捨てたのに、その行動が子どもにとって重い罰すぎて逆効果だったと知ったときは驚きました。
“しまった体験”で子ども自身が考えて、反省できる流れを作っていきたいですね。
【参考文献】
・『どならない子育て』伊藤徳馬・著
【関連コラム】
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●ライター/馬場じむこ(書評ブロガー)