市区町村によって違う“妊婦健診”の公費助成
2015年2月17日 | よみもの市区町村によって違う“妊婦健診”の公費助成

【ママからのご相談】
先日妊娠が分かったばかりです。うれしい気持ちでいっぱいですが、経済面での負担が少し不安です。例えば妊婦健診についてですが、以前友人が、「妊婦健診は無料で受けられる」というような話をしていたと記憶しています。本当に無料なのでしょうか?
妊婦健診にはお住まいの市区町村から補助がありますが、必ずしも全ての検査が無料になるわけではありません。
ご相談ありがとうございます。フリーライターのパピルスです。
妊娠おめでとうございます! 妊娠が判明してうれしい反面、先々のことが心配になってくるお気持ち、よくわかります。とくに、妊娠や出産についてはまとまったお金が必要になるのでは? といった心配が頭をよぎりますね。
今回は、妊婦健診にかかる費用についてご説明したいと思います。

妊婦健診への補助(公費負担)は市区町村によって異なる!
妊婦さんは妊娠初期から出産までに14回程度の妊婦健診を受けることが望ましいと厚生労働省から推奨されています。
平成27年現在では、全ての市区町村で妊婦健診にたいしての公費補助が行われており、厚生労働省から推奨される14回の妊婦健診に対して補助が受けられます。ただし、市区町村によって妊婦健診補助の内容には差があることに注意してください。
例えば、厚生労働省の平成25年の調査では、国の示した“標準的な検査項目”の全てを公費で助成している市区町村は842市区町村(58.9%)でした。ある検査が無料(公費負担)で受けられる市もあれば、実費が請求される市もあるということです。
つまり、妊婦健診は必ず無料になるというわけではありません。
あくまでも、市区町村によって決められた回数、決められた検査に対して補助があり、上限が設けられている市区町村もあります。例えば、超音波検査(エコー)などは、無料で受けられる回数に差が出やすいようです。また、検査費用は病院が個別に設定しているため、補助の金額を上回る料金設定になっていれば、超えた部分が自己負担になるということもあります。
まず、病院で妊娠が確認されたら、妊婦健診が公費補助でどの程度まかなえるのかを病院に確認することが大切です。自分で費用負担する検査がどれくらいあるのか、また超音波検査は何回無料で受けられるのかなどをあらかじめ確認しておくと安心ですよね。
市区町村で妊婦健診の補助方法が違います!
妊婦健診の公費補助の方法ですが、多くの市町村では“妊婦健康診査受診券”や“補助券(チケット)”が使われています。これらは市区町村窓口に妊娠届を提出した際、母子手帳と共に交付されます。利用者側からの申請によって交付されますので、忘れずに手続きを行ってください。
手続のタイミングは、病院で妊娠が確認されたのち、病院に母子手帳の手続きはいつごろしたら良いのかを確認してからにすることをおすすめします。
妊娠は“病気ではない”ため、基本的には健康保険の対象にはならず、全額自己負担が基本ですから、公費補助が無ければ妊婦健診だけで出産前に10万円以上の出費にもなりかねません。また年度によって同じ市区町村でも公費補助の内容が変わる場合もあります。
上のお子さんのときやお友達が出産したときと、現在とでは補助の内容が変わっていた! という話もよく聞きますので、しっかりと内容を確認しておくことが肝心ですね。
【参考リンク】
・妊婦健康診査の公費負担の状況にかかる調査結果について | 厚生労働省
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●ライター/パピルス(フリーライター)