高齢出産のリスクと事前に準備すべきこと。45歳で初産は危険なの?
2015年2月12日 | よみもの高齢出産のリスクと事前に準備すべきこと。45歳で初産は危険なの?

※この記事は2019年4月17日に加筆修正致しました。
高齢出産というと「リスクがある」というイメージを持ってしまいがちですよね。
出産にはある程度のリスクがつきものであり、確かに高齢出産にもリスクはあります。
でもそれらのリスクは、出産と年齢が母体に及ぼす影響に関する知識を得ることで避けられるものも多いです。
高齢出産への理解や知識を得ることで、“不安”や“リスク”を減少させましょう
また、夫婦や家族で十分な意思疎通が行われていると、妊娠・出産・子育てで起こりうるリスクと立ち向かいやすくなります。
その結果、母体と胎児へのストレスを減らすことができるのです。
母体のストレスは、生理不順や無月経にも影響を及ぼす可能性があるといわれています。
リスクやデメリットを含めた知識を得て、一緒に話し合っていきましょう。
出産をするのは女性ですが、旦那さんはもちろん家族も友人も周りのみんなが高齢出産の受け皿です。
その受け皿が強固であればあるほど、安心感して出産を迎えることができます。
妊娠・出産に最適な年齢
高齢出産をする女性が増えている現状に対し、高齢出産のリスクを声高に叫ぶ人もいます。
それでは、何歳で産むことが妊娠・出産にベストなのでしょうか。
一般的に、最初の排卵は小学校高学年くらいから始まり、最後は50歳前後であることが多いです。
個人差が激しいため、年代別の正確な妊娠・出産能力を出すことは難しいとされています。
しかし、10代前半は体の発達が未熟なため、母子ともに負担やリスクが大きくなることも。
一番ベストとされているのは、10代後半から30代前半で、母子ともに安全に出産を迎える確率が高くなります。
30代後半からは胎児へのリスクが高まり、40代からは母体への負担も計り知れないものになるでしょう。
35歳以上の妊娠・出産は“高齢出産”
高齢出産と聞くと、本当に高齢の方の出産をイメージする方もいると思います。
しかし、医学上では“35歳以上”で妊娠・出産を行うことを指します。
ちなみに、高齢出産のリスクは35歳以上から突然現れるというものではなく、30歳前後から徐々に出てくると言われています。
近年では、初婚年齢が上がっていくことによる晩婚化が進んでおり、平成27年度の初婚年齢の平均は男性が30.7歳、女性は29歳であるといわれています。
また、女性の社会進出の影響もあり、高齢出産をする人は増えてきています。
ちなみに、厚生労働省が2012年に発表した『2012年人口動態統計』によると、その年の高齢出産の数は約26万で、全体の出産数の26%にも上ります。
また、2013年の初産平均年齢(一子を産む年齢)は30.4歳となっています。
今や30代で子どもを産む人が主流になりつつあることが分かります。 上記で挙げた“35歳以上”という線引きは、初産の人限定です。 2人目からは、“40歳以上”からが高齢出産のラインとなります。 ちなみに、3人目以降も40歳以上で高齢出産とされます(1人目の出産年齢は関係ありません)。 そのため、どんなママでも“40歳”を越えた出産は高齢出産だと思ってOKです。 なぜ2人目以降は40歳以上なのかというと、初産婦よりも経産婦の方が出産への身体的な負担が軽いとされているからです。 とはいえ胎児への染色体異常などのリスクが高いことには変わりありませんので注意しましょう。 初産は35歳以上、2人目以降は40歳以上が高齢出産にあたるとお話ししてきました。 しかし、さらに超高齢出産というものもあります。これは、50歳以降で出産する人のことを指します。 人によって時期に違いはありますが、基本的に50歳の人は閉経していることが多いです。 そのため、自然に妊娠する確率は非常に低く、数%程度とされています。 通常の高齢出産で懸念されているダウン症に代表される染色体異常のリスクが上昇するほか、母体にも大きな負担がかかるようになります。 50歳以降の出産というのは、命がけの大仕事なのです。 世界には常識では到底考えられないようなことをやってのける人たちがいます。 そのうちの一人が、インドのオムカリ・パンワーさん。 パンワーさんは夫の要望で体外受精を決意。見事男女の双子を出産しました。 そのときの年齢は70歳です。50歳で閉経する女性が多いことを考えると、とんでもない年齢だということが分かります。 ちなみにパンワーさんは生年月日が明確でないため、ギネスには登録されていないそうです。 ギネスに登録されている最高齢の出産はマリア・デル・カルメン・ボウサダさんで、66歳となっています。 ちなみに、この人も双子を出産しています。 子どもが成人したころには86歳……。パンワーさんなら90歳。 親孝行はぜひ早めにしてほしいですね。超高齢で無事に産まれただけでも十分親孝行と言えるかもしれませんが。 ちなみに、日本の最高齢出産記録は、2001年に更新され、60歳となっています。 高齢出産にリスクはつきものですが、具体的にどのようなリスクがあるのかご存じですか? ここでは、高齢出産で起きやすいリスクについてご紹介いたします。 高齢出産の際に気をつけていただきたいのは、 などが挙げられます。 昔は“妊娠中毒症”とも呼ばれていました。 妊娠期間中に高血圧になると、妊娠高血圧症候群と診断されます。 妊婦の20人に1人の割合で発症するとされている比較的メジャーな病気で、最高血圧が140mmHg以上または最低血圧が90mmHg以上(両方の場合も含まれる)の場合は高血圧といえます。 34歳以下の妊娠高血圧症候群の発症率が約10%なのに対し、40歳以上では30%の発症率となっています。 単純にこの数字だけで見ると、高齢出産による妊娠高血圧の発症率は約3倍ということになります。妊娠高血圧症候群は多くの妊婦さんがなりますが、母子に与える危険性はとても高いです。 胎児への影響としては、低出生体重児や常位胎盤早期剥離による早産、流産の可能性があり、命の危険にさらされます。 また、母親自身も高血圧脳症になる可能性があり、この場合も命を落とす可能性があります。 この病気は予防が難しいとされいますが、日頃の生活習慣を見直すことで多少リスクを緩和できるそうです。 妊娠中に発見した軽度の血糖値異常のことを娠糖尿病と呼びます。 娠糖尿病も妊娠高血圧症候群と同様に、加齢によって発症のリスクが高まるとされています。 妊娠糖尿病の場合は、血糖の管理が大切とされています。そのためには日々の食事を気にする必要があります。 厚生労働省が発表しているデータによると、35〜39歳で出産すると20%の確率で流産するそうです。 比較的妊娠・出産能力が高い25〜34歳までの流産リスクは約10%。約2倍になっていることが分かります。 また、40代以上になると流産率は跳ね上がり、40%となります。 高齢出産の場合、若い人に比べて4倍もの流産のとなるリスクがあるのです。 染色体異常児と言われてもピンとこないと思いますが、代表的な病気に“ダウン症”があります。 高齢出産では、先天性障害の中でも特に染色体異常に影響を与えると言われています。 年齢が上がることで卵子が老化し、受精卵の染色体異常が増加するのが原因といわれています。 ダウン症とは、普通の人よりも染色体の数が1本多く存在することにより、赤ちゃんに発症する先天性の病気のことです。 ダウン症は人類で最も罹患率の多い遺伝子疾患とも言われ、日本では4、5万人程度いるとされています。 高齢出産による影響に大きく左右され、20代出産の0.1%という発症率に対し、35歳以降は0.3%、40歳以降では1%、つまり100人に1人という確率まで上昇します。 ダウン症は基本的に予防することが難しく、出生前診断などで出産意思の確認が取られます。 妊娠期も出産も、そして子育てにも必要なのが“体力”です。 40代になれば、20代、30代に比べて体力や筋力の低下が起きるのは当たり前ですね。 肉体的な低下、体力不足は出産に時間がかかったり、産後の回復を遅らせることがあります。 リスクを避けるためにと安静に過ごし過ぎると、体重が増えすぎたり、長時間かかる出産に臨むための体力が不足してしまうのが事実です。 だからといって、span style=”color: #f75737;”>妊娠初期から激しい運動をするのも危険<です。 安定期に入るまでの妊娠初期は軽いストレッチをしておくと、股関節が柔らかくなり骨盤に柔軟性が生まれて、お産が楽になります。 また、安定期に入っても体に無理がなく、疲れが翌日まで残らない程度の適度な運動を続けていきましょう。 ストレスの解消やリラックス効果もあるため、おすすめです。 体重が増えてくると、これまでできていた運動ができなくなってきます。 専門家による妊婦のためのクラスなどで、体重管理と体力のキープに努めましょう。 妊娠中の運動は、家にこもり沈んでしまいがちな妊婦さんのいい気晴らしになります。 家族も積極的に行動すると互いに安心でしょう。 ただし、医師の診断を受けGOサインをもらってから始めること、少しでも体調に変化を感じたら休むことが大事です。 妊娠・出産・子育てすべてにおいてやっぱり健康が第一。 健康でいるために重要となってくるのは先程のべた運動の他に、 が大切です。 中でも気をつけていただきたいのは”食生活”です。 女性が不足しがちと言われている栄養素である「鉄」や「葉酸」をきちんと摂取することを心がけましょう。 葉酸を摂取するには、「葉酸サプリ」を飲むのがオススメです。 葉酸は緑黄色野菜やレバーなどに含まれますが、加熱等の調理により失われやすいといった特徴を持ちます。 一日に必要な葉酸の摂取量を食事だけで補うのは難しいとされておりますし、サプリメントにはその他の栄養素も同時に摂取できるというメリットがあります。 妊活中から普段の食事に加え、一日400μgの葉酸サプリを飲むことが厚生労働省から推奨されています。 サプリメントなどを使って足りない栄養素を効果的に補っていきましょう。 妊娠の途中で胎児が先天的な異常を持つとの診断を受けたり、流産や早産の危険に見舞われることもあります。 これらのリスクはあらゆる出産に起こりえますが、高齢出産の場合には出産時や妊娠時期に起こる確率が上がるといわれています。 年齢がいくつであろうと、ショックを受けるのは同じです。 ただ、高齢出産の場合には母体が、「高齢だから」と悲観的になってしまい、それが体調に影響を与えることもあります。 高齢での妊娠・妊活は不安要素がとても多いです。 そんなときこそ、夫をはじめとする家族の存在が大きな慰めとも支えともなります。 さまざまなリスクに関する情報を集め、話し合いをしてきた夫婦であれば、つらい場面でのショックを最小限に抑えることも可能でしょう。 また、そのような心構えを持つことが、母体の安心感につながり、リスクを減らすことにも役立ちます。 高齢出産の場合には、より母となり父となるための強い心を育てる心の繋がりが大切なのです。 妊娠は病気ではないから、妊娠したからといって環境を変える特別な配慮は必要ないとの考えもあります。 しかし、ここでいう環境とは必ずしも形ある家や車などのことを指すわけではありません。 日々の生活を送る空間すべてが環境です。 例えば、階段で3階まで上り下りしなければならない家という環境は、高齢妊婦の体力的な負担になることがあり、なんらかの手立てを考える必要があります。 そして同時に、相性が悪くストレスとなる同居人がいるならば、それも精神的な負担となるため、なんらかの配慮が必要となります。 特別扱いをする必要があるわけではありませんが、過剰な疲労やストレスは母体にとってマイナスの影響を与える可能性があります。 妊娠中は通常よりも神経質になったり、神経が過敏になったりする傾向もあります。 それが高齢であればより大きな影響となりやすいです。 可能な範囲で転居や別居などを考えていくべきでしょう。 また、出産前後の手伝いや産後の子育てや家事の分担などについても、あらかじめよく話し合い、慣れない部分は練習もしておきましょう。 たとえ高齢であっても安心して出産を迎えられる環境とは、ベビーグッズを買いそろえることだけではないのが分かりますね。 他にも、高齢出産の場合、定期健診の回数が増えがちなので、出産費用を普通の人より多く見積もっておくことが大切です。 高年出産は通常の出産に比べて難産による帝王切開になる確率が高くなるため、なるべく設備が整った病院を選ぶようにしましょう。 上でも少し触れましたが、妊婦健診で異常が疑われた際に行われる出生前診断というものがあります。 出生前診断の目的には、胎児に病気や染色体異常、奇形などがないかを事前に確認することが挙げられます。 検査の種類には、 などがあります。 これらは、確定診断と非確定診断の2つに分けることができます。 確定診断は検査の結果の精度がほぼ100%といわれておりますが、検査方法により母体や胎児への影響があるものがあります。 不確定診断は異常が疑われるケースを選別するために行われるもののため、確定的な結果は出ません。 母体血清マーカーテストとは、妊婦さんの血液中に含まれる赤ちゃんや胎盤由来のタンパク質やホルモンに関する4つの血清マーカーの解析です。 胎児の状態やダウン症の診断ができますが、こちらは不確定診断であるため正確な検査結果を得ることはできません。 この結果をもとに、確定検査を受けるかどうかを決めるかたもいるそうです。 流産の危険性もあるとされ、賛否があります。 羊水検査によって流産が起きる可能性は0.3%と言われていますが、絨毛検査同様、他の血液検査に比べて確実な検査結果が期待できます。 検査方法としては、おへその下に注射針を刺して行われます。このことにより、検査後に腹痛や出血などの症状がでることもあります。 ちなみに、羊水検査の相場は10万円程度だとされています。 流産の危険性があることから、不安に思うママも少なくありませんが、今後の家族計画に大きな影響を与える可能性があるため、有効な検査であるとも言えます。 絨毛検査は染色体異常の他に遺伝の検査をすることができます。 絨毛検査は確定検査であるため正確な検査結果が期待できますが、羊水検査よりも流産の可能性が高く、妊婦本人が強く希望しなければ選択されることはあまりありません。 超音波検査も胎児の先天性異常を調べる事ができます。 こちらも不確定診断のため、100%の確率ではありませんが、母体や胎児にとっても安全な検査になっています。 これらは赤ちゃんやお母さんの今後に関わる大切な役目を果たします。旦那さんや医師とよく相談して決めましょう。 数々のリスクを乗り越えた出産後でも、高齢ならではの苦労も続くようです。 以下では、高齢出産ならではのエピソードをご紹介いたします。 『私は40歳で子どもを産んだ高齢出産ママです。子どもの授業参観で「おばあちゃん?」と聞かれるのがツラいです。子どもは無邪気なので良いですが、たまに同級生の親にも言われます。仕方ないと思いつつ、ため息が出てしまいます』 こういった意見はネット上でも多く見られました。 たしかに、40歳で出産だと、子どもが10歳のときには50歳ですから、周りよりも少し高齢かもしれませんね。 しかし、ママの良さに年齢は関係ないので、堂々としてほしいですね。 『38歳で赤ちゃんを産みました。周囲と比べて、自分は家事や育児がしんどいように思います。ママ友との井戸端会議では皆楽しそうに子育ての話をしますが、私は「疲れる」といったニュアンスの話しかできません。子どものことは大好きなのですが……』 これも高齢出産のママにありがちな悩みかもしれませんね。 若いママのように>“気合い”だけでは乗り切れないことも多いようです。 しかし、長く生きている分、家事の効率が良かったり、多少のトラブルや物事に動揺しなかったりといった“高齢出産ママ”ならではの強みもあると思います。 子どもへの愛情を頼りに、頑張ってほしいですね。 “高齢出産”と聞くと、ネガティブなイメージを持つ人も少なくないでしょう。 しかし、高齢出産にもメリットはあります。以下では高齢出産のメリットについてお話ししていきます。 一般的に、年齢を重ねるほど経済的に余裕が出てくる家庭が多いです。 20代前半の家庭よりも比較的出費にかけられるお金に余裕があります。 とくに学費の捻出などは、私立・公立といった子どもの進路にまで影響するので、大切ですね。 また、生活にカツカツな家庭は心の余裕もなくなりがちですが、経済的に安定していると心も穏やかになります。 子どもへの教育にも良い影響を与えるのではないでしょうか。 アメリカの研究で、高齢出産をした人は若くして出産した人よりも17%近く子宮がんリスクが減少することが分かりました。 また、長寿の女性に高齢出産を経験した人が多いことから、寿命を伸ばす効果もあるといわれています。 さらに、お肌がツルツルになったり、冷え性が改善されたりといった若返り効果もあるようです。 たしかに高齢出産のママは、他のママに比べて“現役感”があることが多いような気がします……。 最後に、高齢出産に成功した芸能人の方をご紹介いたします。 高齢出産に不安がある人は、「この人もそうなんだ!」と安心するきっかけになるかもしれません。 【日本】 【海外】 「高齢出産の定義」や「高齢出産のメリット・デメリット」などについてご紹介してきましたが、いかがでしたか? 近年では海外も含め高齢出産の方が増えてきています。日本では平均出生年齢が30代なので、高齢出産の問題はもはや国民の問題とも言えます。 高齢出産にはさまざまなリスクもありますが、それでも無事に出産を乗り越えたママも少なくありません。 家族で協力し、正しい知識を持って、なるべく安全に出産できるようにしたいですね。 ●ライター/さとうあきこ(海外在住プロママライター)
超高齢出産もある!?
世界最高の高齢出産は、70歳
高齢出産のリスク3つ
病気やトラブルが起きやすくなる
妊娠高血圧症候群
妊娠糖尿病
不妊・流産
染色体異常児
高齢出産にむけて準備しておきたいこと4つ
体力づくり
生活習慣
心づくり
環境づくり
出生前診断とは
母体血清マーカーテスト
羊水検査
絨毛検査
超音波検査(胎児超音波スクリーニング検査)
高齢出産をしたママのエピソード2つ
おばあちゃんと間違われる
体が追いつかない
高齢出産のメリット2つ
経済的に余裕がある
子宮がんのリスクが軽減する
高齢出産を経験した芸能人
・辺見えみり……36歳
・宮沢りえ……36歳
・吉村由美(PUFFY)……37歳
・黒木瞳……37歳
・松たか子……37歳
・梨花……38歳
・江角マキコ……43歳
・永作博美……39歳
・中澤裕子……39歳
・松嶋尚美……40歳
・マライヤキャリー……41歳
・マドンナ……42歳
・セリーヌ・ディオン……42歳
・ジュリア・ロバーツ……36歳
・ビビアン・スー……40歳
・ニコール・キッドマン……41歳まとめ
●追記/パピマミ編集部