子供が左右逆に書いてしまう“鏡文字”の原因4つ
2015年1月28日 | よみもの子供が左右逆に書いてしまう“鏡文字”の原因4つ

【ママからのご相談】
年長になる息子の鏡文字についてです。小学校入学を控え、自宅で読み書きを教えてきました。ところが、何度書かせても特定の文字が逆になってしまいます。初めは気にしていなかったのですが、何度も間違えるので少し心配になってきました。鏡文字は学習障害の症状の1つだと聞いたことがあります。病院で診断を受けた方がいいのでしょうか?
何度教えても鏡文字に……何が原因なのでしょうか?
ご相談ありがとうございます。ママライターの木村華子です。
鏡で写したように左右逆になってしまう“鏡文字”。実は小さなお子様には珍しいことではありません。
今回は、鏡文字を書いてしまう原因についてお話しいたします。

なぜ逆になるの? 鏡文字の原因4つ
実は鏡文字の原因について、明確なものは判明していません。しかし、いくつかの説は存在しているようです。
(1)左右の判別が曖昧だから
鏡文字は左右が反転しています。上下が逆さまになることはありませんね。これは、生活の中で“上と下”というものを感じることが多く、小さな子どもでも上下がきちんと判別できているからです。
“左右”というものは大人でも、とっさに間違ってしまうことがあるほどですから、幼児にしていればなおさら判別がつきにくいのでしょう。
幼児教育などをテーマに研究する愛知大学教授の長田勇さんは、5歳児に“上下逆の文字”や“左右逆の文字(鏡文字)”を見せ、「おかしな文字はどれ?」と聞いてみる実験を行いました。子どもたちは“上下逆の文字”のおかしさに気づいても“左右逆の文字(鏡文字)”のおかしさに気がつかなかったそうです。
(2)左利きだから
左利きの人が鏡文字になりやすい、と聞いたことはあるかもしれません。なぜなのでしょうか?
試しに“丸い図形”を紙に書いてみてください。もしもあなた自身が右利きだった場合、時計回りに書いたのではと思います。逆に左利きの人にとって、反時計回りにペンを滑らせる方が書きやすいのです。
そのため、上から下へ、左から右へと書くことの多いひらがなが逆さまになってしまうと言われています。
(3)幼い子どもは左脳が未発達だから
目から入りインプットした情報は、右脳でイメージされ、左脳を経て文字としてアウトプットされます。ところが、左脳が未発達な幼い子どもは、右脳にあるイメージだけで文字を書いてしまうのだそうです。そのため、文字は逆さまになってしまいます。左脳の発達とともに鏡文字は直ると言われています。
逆に右脳(感性や感覚)を発達させたい大人が、意識的に鏡文字を書いて脳トレをすることもあるようですね。
(4)いつ直るものなのでしょうか? 直す方法は?
鏡文字がいつ直るのか、個人差はありますが、小学校入学後しばらくすれば落ち着くケースがほとんどです。
ですので、あまり必死になる必要はないのではないでしょうか。「逆さまになっちゃったね」と声をかける程度で問題はなさそうです。また、何度も文字を書く機会を作り、慣れさせることや、左右の方向をきちんと教えてあげることも鏡文字の改善に役立つかもしれません。
お子様のペースを見守ってあげてください
ご相談者様のおっしゃる通り、学習障害の症状の1つに鏡文字があげられることは確かですので、ずっと治らない、また別の症状も気になる場合は専門医での診断を受けた方がいいかもしれません。
とはいえ、小学校2・3年生には正しく書けるようになったというお子様も多いので、ご相談者様のお子様の年齢であれば、まだまだ猶予がありますね。焦らずのんびりと成長を見守ってあげてください。
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●ライター/木村華子(ママライター)