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子供を叱ると怒るの違いとは

子供を叱ると怒るの違いとは

【ママからのご相談】
小学5年生の息子がいるのですが、宿題をしないでゲームばかりやっていたり、学校からのお便りを出さずにいることが多々あります。そのせいで、日々息子に対して怒ってばかりです。「怒るのではなく叱るように……」と言われても難しくてできないでいます。

a やり過ぎなければ、“怒る”行為は子どもの心に響かせることができる方法の1つです。

こんにちは。学習塾で講師の経験があるメンタルケア心理士の桜井涼です。ご相談ありがとうございます。

反抗期に入りかけの子どもは、言うことを聞かなかったりして大変ですよね。わが家にもその年頃の息子がおりますので、お気持ちはよくわかります。

私“叱る”より“怒る”方がはるかに多いです。お子さまを怒ってしまうのは、行く末のことを考えて良い方向に導こうとする際に感情が入ってしまうからではないでしょうか。確かに冷静な注意をすることの方がいいのはわかりますが、感情を込めることで、子どもの心に響くことだってあるはずです。やり過ぎは逆効果になってしまいますので、程度を考えなくてはいけませんが。

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“叱る”と“怒る”の違い

この2つの違いは、感情の入り方にあります。

“叱る”は、感情的にならず冷静な言葉で注意をすることです。“怒る”は、相手に対して激しい感情のままに言葉を発してしまうことになります。

さまざまな書籍やテレビなどで、「子どもを怒るのではなくて、叱るようにしなくてはいけない」なんていうことが言われています。しかし、実際のところは、「どうしても“怒る”ことが多くなってしまう」という声が多く聞かれます。

私自身、小学校の参観日に行くとそういった話をよく聞きますし、私も自分の子どもたちには“叱る”というより“怒る”ということの方が多いと感じます。

親の“怒る”について

作家で大手進学塾の講師をされている太田連太郎氏はご自身の本の中でこんなことを言っておられます。

『本気で子供に向き合っているからこそ、感情から言葉が出ることもある』

と。

この本を読んだとき、私は、「まったくその通りだ」と思いました。きっと一生懸命に子育てをされている相談者様だけでなく、多くのお母様がそう感じることでしょう。わが子に良くなって欲しいと思うからこそ、感情的になってしまうということがあるはずです。

親は、子どもの年齢を通り過ぎてきていますので、その時分に何が大切なのか、どんな誘惑があるかを知っているはずです。通ってきた道だからこそ、自分がしたような失敗やミスをかわいいわが子にさせたくないと思うでしょう。しかし、そのことを知らない子どもたちは言うことを聞かないことも多く、“叱る”ことが難しい場合も多いです。

“怒る”は、そのような場合に出てしまいます。親は、塾や学校の先生とはまた違った視点から見ているので、“叱る”ではなく、“怒る”が先に出てしまうのだと考えます。

私が学習塾で講師をしていたときも“叱る”は容易でした。しかし、わが子のことはどうしても“怒る”になってしまっています。

ほめることが大前提だけど、“怒る”ことをやめる必要はない

ほめて伸ばした方がいいことも重々承知のことでしょう。育児書なんかではこの言葉がたくさん出てきますから(私自身もほめることの有効性についてさまざま書かせていただいてきました)。

しかし、時には本気で怒らなくてはならないときもあります(命の危険や人様に迷惑をかけてしまうような行為をしたときなど)。それが、子どもの心に響いて気がつけることも絶対にあるでしょうし、わが子を守ることにもつながる場合があるのですから。

でも、過剰に暴力をふるったり、脅して何かをさせようとしたり、ご飯を与えないなどのようなやり過ぎた行為はいけません。“ほめることを7割、怒ることを3割”で子育てをしていくのも大切だと思うのです。


“親の心子知らず”という言葉があります。親の心は子どもが実際に親になってみないとわかるはずはありません。しかし、親は子どもをしつけ、守ることが仕事です。その場合、感情を込めて怒ることも必要ではないでしょうか。

やり過ぎてしまい、過剰に手を出すような行為などは絶対にいけませんが、子どものことを考えての“怒る”を全否定する必要はありません。親の場合、叱らなくてはいけない問題によって、“叱る”ができないこともあります。そんなときは、無理して“叱る”ことを考えず、“怒る”のままでもいいと思うのです。毎回冷静に“叱る”ができるのは、第三者であることが多いのですから。

【参考文献】
・『「叱る」と「怒る」はちがう。』太田廉太郎/梶原裕希・著

●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)

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