流産2回だと可能性アリ!? “不育症”の主な原因と治療法
2015年1月21日 | よみもの流産2回だと可能性アリ!? “不育症”の主な原因と治療法

【ママからのご相談】
これまでに流産を2回繰り返しています。かかりつけのお医者さんには流産自体はそれほど珍しいことではないと言われましたが、本当でしょうか?
2回以上の流産は“反復流産”を含め『不育症』の可能性があります。しかし、診察と治療で80%以上のご夫婦が無事に赤ちゃんを授かっています。
ご相談ありがとうございます。スチューデントドクターのひでくらてすです。
2回の流産ということで大変おつらいでしょう。“反復流産”や“習慣流産”を含めた“不育症”は少子化が進む日本では大きな問題です。今日は『不育症』についてお話ししたいと思います。

『不育症』と『不妊症』の違いは?
『不育症』とは、妊娠しても流産または死産を繰り返してしまい、なかなか生きた赤ちゃんが得られないことを言います。流産2回以上で“反復流産”、3回以上で“習慣流産”と言い、『不育症』はそれらを含む広い概念のことを言います。
似た言葉として『不妊症』がありますが、『不妊症』は受精がうまくいかない、または受精卵がうまく着床せず妊娠そのものに至らないことを言い、『不育症』は妊娠はするけれど流産してしまう、という点で2つは異なります。
“不育症”の主な原因5つ
不育症の主な原因として以下の5つが挙げられます。
(1)夫婦どちらかの配偶子(精子または卵子)に異常がある場合
(2)胎児染色体の異常・受精してもその後の成長がうまく進行しない
(3)母親の自己免疫の異常により妊娠が維持できない(抗リン脂質抗体症候群)
(4)子宮の奇形
(5)甲状腺の機能異常、糖尿病、多嚢胞性卵巣症候群といった疾患により正常な胎児の発育が進まない場合
厚生労働省の統計ではこれらの原因のうち、最も多いのは(2)の“胎児染色体の異常”で、その割合は約80%となっています。
『不育症』の治療
不育症の治療は検査により原因を特定することから始まります。しかし、原因はわからないことの方が多いのが実状です。実際、半数以上のケースで原因の特定ができていません。
しかし、厚生労働省の統計では、不育症で何も治療を行わなかった場合でも70%以上が、または治療された方の80%以上が次の妊娠で赤ちゃんを授かっています。
検査や治療では費用的な面も心配になると思いますが、不育症では一般的な検査や治療のほとんどが保険適用になっています。ご相談いただいたママも、たまたま偶発的な流産が2度続いた可能性もあります。
一度きちんと検査を受けられてもいいと思いますし、あきらめないことが肝心、いつかきっとステキな赤ちゃんが見られることを祈っています。
【関連コラム】
・切迫流産で自宅安静を指示されたプレママが最優先すべきこと3つ
●ライター/ひでくらてす(スチューデントドクター)