子育ては女の仕事!? 男性の育児参加を妨げる“パタハラ”体験談
2015年1月13日 | よみもの子育ては女の仕事!? 男性の育児参加を妨げる“パタハラ”体験談

すっかり時代遅れとなった「家事・育児は女性の仕事」という考え方。最近では育児に参加する男性を指す“イクメン”という言葉もすっかり一般的な言葉になりました。
芸能人でもタレントのつるの剛士さんやお笑いコンビ『アンガールズ』の山根良顕さんらがイクメンとして注目されています。
と、表向きは男性の育児参加が当たり前のような風潮ができていますが、実際のところはまだまだ“男性の育児参加”が社会に浸透していないのが現状です。
それを示すのが、厚生労働省が発表した2015年の男性の育児休暇取得率。なんとわずか2.65%です。
なぜここまで日本の男性の育児休暇取得率が低いのでしょうか。その原因のひとつに“パタニティ・ハラスメント”というものがあると言われています。
夫がなかなか育児に参加してくれない、と悩んでいる方。もしかしたら夫は“パタハラ”の被害に遭っているかもしれません。

男性の育児参加を阻むパタニティ・ハラスメント(パタハラ)
働く女性が妊娠や出産・育児をきっかけに職場から嫌がらせを受けることを“マタニティ・ハラスメント(マタハラ)”と呼びますが、パタハラはこれの“男性版”にあたります。
つまり、働く男性が育児参加をする上で育児休暇を取ったり休んだりすることを職場が阻害、またはそれをきっかけに嫌がらせをすることを指します。
パタハラを受けた人の中には、出世コースから外されたり、退職に追い込まれたりという被害に遭った人もおり、深刻な問題といえます。
パタハラを受けた人のエピソード
(1)「会社をやめろ」と脅された
『上司に3か月の育児休暇を申請したところ、「男が育児休暇なんて取るの? 本気で言ってんの?」と言われ、さらには「もしどうしても取るんだったら会社やめたら?」と脅されました。結局、怖くて育休を取るのは断念しました』(32歳男性/3歳娘のパパ)
この方は、妻の体調が回復するまでの間は育休を取りたかったそうなのですが、上司に全く理解されず、退職を促すようなことまで言われたようです。
育休を取った後のことを考え、結局育休は断念したとのこと。
(2)重要なプロジェクトから外された
『私は育休は取れたのですが、その際「先方に迷惑だから」という理由で重要なプロジェクトから外されました。実際に育休を取る日までには終わるはずのプロジェクトです。それだけならまだしも、その後評価を下げられて給料を減給されました。これってパタハラですよね?』(38歳男性/6歳息子・4歳娘のパパ)
この方は珍しく育休を取得することができたようですが、それをきっかけに重要なプロジェクトから外されたり、不当な評価を受け給料を減給されたりといった嫌がらせを受けたそうです。
(3)「自分だけ恥ずかしくないのか?」と叱責された
『社長に育休の申請をしたら「男が育休取るなんて馬鹿げてる。他の皆は我慢してきたんだ。自分だけ恥ずかしくないのか?」と同僚や上司の前で見せしめのように叱責されました。結局、育休は取れずじまいです』(35歳男性/2歳娘のパパ)
育休を取得する男性は少ないのが現状ですから、自分の会社でまだ誰も育休を取った男性がいないというケースも多いと思います。
その場合、育休の申請をしづらいものですが、この方は勇気を振り絞って相談したそうです。
すると、まるで見せしめのように他の社員の前で叱責されたとのこと。
日本人男性の育児参加を妨げている要因の一つに、“パタハラ”があるのは間違いないでしょう。
自分の夫が育児のために時間を割いてくれない、というママは、もしかしたら夫がパタハラに遭っているかもしれません。
頭ごなしに「ちょっとは育児に参加してよ!」と責めるのではなく、理由を聞いてみるようにしましょう。
二人で力を合わせることで、問題解決の糸口が見つかるかもしれません。
【参考リンク】
・「平成 27 年度雇用均等基本調査」の結果概要 | 厚生労働省(PDF)
●文/パピマミ編集部