お酒は百薬の長!? アルコールと寿命の意外な関係
2015年1月5日 | よみものお酒は百薬の長!? アルコールと寿命の意外な関係

【男性からのご相談】
妻から、「お酒を毎日飲んでいると、寿命が短くなるよ」と言われました。でも、お酒は百薬の長という言葉もあります。妻の言っていることは本当なのでしょうか? もし本当だとしたら、一日でどれくらいの量に抑えておけばよいのでしょうか? 正確な数字が知りたいと思います。
お酒は敵にも味方にもなります。
年末年始の季節になり、アルコールを飲む機会も増えてきました。しかしそこで気になるのが、やっぱりお酒の害でしょう。そこで、ここでは、フードアナリストの私が、“お酒は敵か味方か”という疑問に答えていこうと思います。

米国で出された見解3つ
1993年に米国保健科学協議会によって出された研究で、
・1……2~4日に1~2杯のお酒を飲む人は、死亡リスクが少なくなる
・2……まったくお酒を飲まない人に比べると、適度な飲酒をしている男性は、死亡リスクが21%~28%少なくなる
・3……過去13年間において、適度な飲酒をしている人間は、あらゆる病気での死亡リスクが少ない
ということが分かりました。
これらは、飲酒によって適度に緊張がほぐれ、ストレスが軽減されることが理由の1つと考えられます。
Jカーブと適正飲酒量
しかし、“お酒は飲めば飲むほど良い”というものではありません。飲酒の量が増えれば、むしろ逆に、死亡リスクは高くなります。これは“Jカーブ曲線”と言われています。
では、“適量”とはどのような量を指すのでしょうか。もちろんこれは個人差がありますが、ビールなら中瓶1本程度(1日)、ワインなら2杯程度(1日)とされています。
アルコール依存症とは
逆に言えば、このように“適量”を守って飲酒をしている分には、お酒は力強い味方と言えます。しかし、アルコール依存症などになると話は別です。
【アルコール依存症の症状4つ】
・a……お酒を飲みたいという欲求が非常に強い
・b……やめようと思っても、お酒がやめられない
・c……禁断症状がある
・d……飲酒のデメリットが分かっているのに、やめることができない
などのような症状が出てきます。
アルコール依存症の場合、“自分とお酒の付き合い方”が問題にされることが多いのですが、飲酒量としての1つの目安もあります。それが、“ビールで大瓶3本以上、日本酒で3合以上”です。
これよりも多くの量を、しかも継続的に飲んでいるのであれば、ライフスタイルを見直すことが大切です。
お酒は、健康上も精神上も、味方にもなれば敵にもなるものですので、上手に付き合っていきたいですね。
【参考リンク】
・適量飲酒は長生きをもたらします | KIRIN
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