なぜ個人差が!? お酒を飲むと顔が赤くなるメカニズム
2014年12月25日 | よみものなぜ個人差が!? お酒を飲むと顔が赤くなるメカニズム

【ママからのご相談】
子どもも高校生になり、夫婦で夜出掛けるのもいいね! と今年の年末は主人と二人で友人たちの忘年会に参加することになりました。しかし、主人はビール1杯で酔うわけでもないのに真っ赤になり、私は顔色が変わらず、いつも私の方が酒豪のように言われます。なぜでしょうか?
アルコールの分解能力の差が顔色に出ます。
こんにちは。健康管理士のSAYURIです。
お子さんが高校生になられても夫婦でお出掛け、素敵ですね。しかし奥様の方が酒豪だと言われてしまうのは少し心外なのでしょうか。
お酒を飲んで顔が赤くなることをフラッシングといい、赤くなる人のことをフラッシャーと呼びます。
酒を飲んで顔が赤くなるか、ならないかというのは、アルコールの分解途中にできる『アセトアルデヒド』という毒性のある物質の分解酵素が、活性型か、不活性型か、失活型かによって決まります。

アルコールは分解途中で有害物質に変わります
アルコールは分解の過程で、有害性のあるアセトアルデヒドになります。アセトアルデヒドは顔を赤くしたり、頭痛や吐き気を伴う悪酔い、二日酔いの原因物質です。
その後、無害な酢酸に、そして最終的には二酸化炭素と水に変わって排せつされるのですが、このアセトアルデヒドを無害な酢酸に分解するための酵素【アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)】が人によって活性型、不活性型、失活型と違いがあるのです。これは両親から受け継ぐ遺伝子によって決まります。
自分は何型? ALDHをチェックしてみましょう
自分の遺伝型はアルコールパッチテストという簡単なテストで知ることができます。エタノール(アルコール)をしみこませた絆創膏を腕の内側に貼り、7分経過後に剥がし、さらに10分後の反応を観察します。剥がした跡が白ければ活性型、赤ければ不活性型です。
お酒を飲んだときの症状で見分ける方法もあります。相当の量を飲まないとフラッシングがおこらないなら活性型、コップ1杯程度のビールですぐにフラッシングがおこるが、がまんして飲み続けられるなら不活性型、フラッシングがひどくて、それ以上飲めない人は失活型の可能性が高いです。
すぐに赤くならないために
一人や家族での家飲みであれば、特に冬場は空腹でいきなりビールをコップ1杯飲み干すようなことは少ないでしょうが、会社やグループでの飲み会では、どうしても乾杯のあとに最初の1杯はキュッと飲み干してしまいがちです。
しかし、アルコールの20%は胃で吸収されるので、空腹時にコップ1杯飲み干すというのはすぐにフラッシングを起こしかねません。飲み会の前に脂質の多いナッツ類を少しお腹に入れておくとか、乾杯の1杯は口を付けるだけにして、先に何かを食べるとかの一工夫をしてみましょう。
【参考文献】
・『暮しと健康 2004年10月号』保健同人社
【関連コラム】
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●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)