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終末期医療の現状とは? “尊厳死”を望む人が増えているワケ

終末期医療の現状とは? “尊厳死”を望む人が増えているワケ

【女性からのご相談】
私は苦しんで死ぬことに不安を覚えています。母がガンで苦しみ抜いて亡くなった姿を見て、トラウマになっているんです。最近は尊厳死なる言葉も聞きますが、日本の現状でそれは可能なのでしょうか。

a 意見の分かれる問題で、現状では禁止されています。

こんにちは。ライターの佐藤俊治です。

高齢化社会の中で、尊厳死を考える人は増加傾向にあると言われています。しかし、人の死に関する問題は非常に難しく、意見が分かれています。

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終末期医療の難しさが根底にある

重篤な病気に侵され、余命が3か月程度しか残されていない状態を、“終末期”と呼びます。家族が終末期に入ってしまうのは非常につらく、トラウマになっても仕方がないと思います。

このような患者への治療を“終末期医療”と呼びますが、なかなか難しいのが現状です。死を前にして精神状態が荒れる人も居れば、全く元気がなくなってしまう場合もあります。

その姿を見て、「自分は苦しまずに死にたい」を考えても、不思議ではありません。

尊厳死の意思表示は有効になるのか

尊厳死とは、一般的に“自ら死を選ぶこと”とされています。しかし、自らが昏睡状態になっている中で、意思表示をすることは非常に難しいと考えられています。

かつて、ある病院で、家族の強い意向を受けた医師が、患者の嫌がる治療を停止し、塩化カリウムを注射したことで、患者が亡くなるという事件がありました。結局、この事件は患者が意思を示していないとして、医師が罪に問われました。ただし、家族の意向を受けたものだとして、情状酌量はなされています。

しかし、「罪に問われるはおかしいのではないか」との声も上がり、議論を呼びました。その結論は今も出ていません。このようなケースは“安楽死”と呼ばれます。“尊厳死”との違いは患者が明確な意思を示していないことにあります。


今もなお議論されている問題ですが、これに向き合っている組織も存在します。気になるようであれば調べてみることをおすすめします。

【参考リンク】
終末期医療のあり方に関する 検討会の設置について | 厚生労働省(PDF)

【関連コラム】
最期をどう迎える? 終末期医療の意味と考え方
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ゼロ葬、ゼロ墓……「ゼロ死」という新たな終活のカタチ

●ライター/佐藤俊治(フリーライター)

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