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ペットにも介護が必要? “老犬ホーム”利用のポイントと増加の理由

ペットにも介護が必要? “老犬ホーム”利用のポイントと増加の理由

【女性からのご相談】
40代の主婦です。子どもはいませんが、犬を3匹飼っています。旦那も子どものように犬をかわいがっています。そのうち、1匹は14歳でお年寄りのワンちゃんです。少しボケできたようで、夜中に大きな声を出して吠えたり、排せつ物を垂れ流したりするので、世話するのが大変です。

仕事をしていたのですが、ワンちゃんのために辞めて、いわゆる介護に専念することにしました。

とはいうものの、最近、私が疲れてきて、どうしたらいいのか悩んでいます。何か良い介護の方法があれば教えてください。

こんにちは。ママライターのKOUです。

ご相談者さんは、ワンちゃんの介護のためにお仕事を辞めてまで頑張っていらっしゃるんですね。

心身ともにお疲れだと、お察しします。たしかに、飼い主として最期までお世話をすることは責務ではありますが、ワンちゃんは、大好きな飼い主さんが疲弊するまで介護してもらうことを望んでいるのでしょうか?

ここでは、“良い介護の方法”ではなく、“介護を委ねる方法”の一手をご紹介します。

それは、飼い主の代わりに終生にわたって世話をしてくれる『老犬ホーム』という施設です。

報道によると、環境省の調べで、『譲受飼養(飼い主から動物を譲り受けて、その飼養を行うこと)』の登録業者は、昨年4月時点で全国20業者。

これらが老犬(猫)ホームに当たると言います。

このような老犬ホームが、近年、全国各地で増えている理由などを探りながら、お年寄りのワンちゃんのお世話を施設に委ねることについて、愛犬家の方々から集めてきたご意見もご紹介します。

老犬ホームを知ろう

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自分が引き取ったペットは、最後まで面倒をみるのが当たり前ですが、どうしても世話ができない状況もありますよね。そんな際は“老犬ホーム”を活用する人が多いようです。

老犬ホームは、首都圏をはじめ長崎、大阪など全国各地に開設されています。

広い高原や都会の住宅地などに作られ、動物病院やドッグランを併設しているところもあるそうです。

栃木県内にある施設では、犬たちが1匹につき約2畳の“個室”を与えられ、体調に合わせた餌が出ます。

また、獣医師による診察も定期的にあり、1日に3回程度の散歩が日課だと言います。

施設や管理方法については、清潔に保つことや運動時間を取るといった、環境省が定めた基準をクリアしなければならないそうです。

そんな老犬ホームについて、もう少し詳しくご説明したいと思います。

利用できる犬の基準は?

老犬ホームを利用できる基準は、施設によってまちまちで、1歳から受け入れるところもあれば、10歳以上の老犬、介護が必要な犬に限るというところもあります。

利用する際には、事前に施設のHPなどで確認するようにしましょう。

また、基本的に小型・大型に関わらず引き取る老犬ホームが多いですが、自宅開業などのばあいは大型犬の引き取りが難しい場合もあります。

健康状態に関しては、寝たきりだったり病気だったりしても基本的には受け入れOKのケースが多いです。

実際にどんな犬が利用しているの?

老犬ホームを利用することになる犬の特徴としては、

・飼い主の痴ほう・死亡などで一緒に生活できなくなった
・自力での排泄が困難になるなど、年老いた飼い主では世話しきれなくなった
・夜鳴きや徘徊が増え、近隣住民の迷惑になると判断された

などが挙げられます。やはり飼い主の高齢化に伴って老犬ホームに預けられる場合が多いですね。

どんな人が利用しているの?

上記で触れたように、高齢により犬の世話が難しくなった人が大半です。

しかし、老犬ホームの料金は決して安いものではありませんので、比較的経済的に裕福な人が利用する傾向にあると言えるでしょう。

料金設定はどうなってるの?

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料金をみると、1か月数万円から、終生世話をする契約を結んで、一括して100万円以上を支払う施設もあるようです。

これは施設によってまちまちですが、基本的に“小型犬”・“中型犬”・“大型犬”で料金が別れているところが大半です。平均的な金額としては、

小型犬……月額3万円前後
・中型犬……月額3.5万円前後
・大型犬……月額4.5万円前後

となります。

しかし、1か月ごとに預ける場合と一括で預ける場合とで金額が異なるので、ひとくくりにするのは難しいところです。

年間で一括支払いの場合、35万円程度のところから150万円以上かかるところもあります。

また、施設に入れる際にかかる入居費もまちまちで、10〜20万円ほどかかることが多いようです。

病気になったらどうするの?

老犬ホームにペットを預ける身としては、病気になったらきちんと対処してくれるのか気になるところですよね。

ほとんど老犬ホームでは、動物病院と提携しているため、入院中に病気になってもすぐに診察してもらうことができます。

また、治療費は月額の料金などに含まれているケースもあり、多少は老犬ホーム側が負担してくれるようです。

ペットが死んじゃったら葬儀はしてくれるの?

これも気になる問題ですね。一般的に、老犬ホームは霊園と提携を結んでいることが多く、ペットが亡くなったら葬儀を行ってくれるようです。

葬儀にかかる料金は事前に預けている保証料などで支払われ、余った分は返してもらえます。

もちろん、飼い主は火葬から葬儀、埋葬まで全てに立ち会うことができます。

老犬ホームが増えている理由3つ

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(1)動物愛護管理法の改正

新聞やテレビなどの報道によると、家庭などで飼えなくなり、保健所で処分された犬や猫は全国で年間17万匹に及んでいると言います。

かつては、世話が大変だからと、飼い主が老犬を保健所に引き渡すケースもありました。

しかし、2013年9月、「飼い主が最期までペットの面倒を見る責任がある」ことを明記した『改正動物愛護管理法』が施行され、自治体は飼い主から犬や猫を引き取ってほしいと依頼された場合も拒否できるようになりました。

こうした動きが、老犬ホームが各地に広がるきっかけになったようです。

(2)飼い犬の高齢化

ペットフード協会の調査(2013年)によると、国内の飼い犬の平均寿命は、2010年に13.9歳だったのが、2013年には、14.2歳に延びていると言います。

家族の一員としてかわいがられている犬たちは、医療技術の進歩や、ペットフードの改良などによって確実に寿命を延ばしているようです。

こうした高齢化に伴い、犬も人間の認知症に似た症状が表れるなど、夜鳴きをしたり、排せつ機能が低下したりと、介護が必要となってくることで飼い主の負担が増えているのが現状です。

ひどい場合には、付きっきりで排せつ処理を行うといった状況も出てくることもあり、その重い負担を施設にお願いする人も少なくないそうです。

(3)飼い主の高齢化

飼い主自身が高齢化し、介護施設などの入居で、飼い犬の世話ができなくなって、手放さざるを得ないケースもあると言います。

さらに、核家族化が進み、高齢で独り暮らしの飼い主が亡くなり、犬を引き継ぐ子や孫が身近にいないことも背景にあるようです。

改正動物愛護管理法の主なポイント

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老犬ホームが増加している要因の一つとして、改正動物愛護管理法の存在がありますが、具体的にはどのような内容なのでしょうか。

改正の主なポイントを簡単に列挙していきたいと思います。

【販売者側の改正ポイント】
・売れない犬猫の面倒を最後まで見なければならない
・動物の健康や安全のために、獣医などと連携して治療できる環境を確保しなければならない
・生後56日未満の犬猫を売買目的で引き渡したり展示をしたりしてはいけない
・犬猫のインターネットでの売買禁止

【飼い主側の改正ポイント】
・動物の脱走を防止するための対策を講じなければならない
・可能な限り最後まで適正に飼育しなければならない
・みだりに繁殖させて飼育が難しくなる状況を招いてはいけない

主なペットの平均寿命を見てみよう

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これまでは犬を中心にお話ししてきましたが、他のペットの老化も気になるとこですよね。そこで、各ペットの平均寿命を調べてみました!

・猫……15年
・ウサギ……5〜7年
・ハムスター……2〜3年
・インコ……7年
・カメ(水棲)……20〜30年
・カメ(陸)……50年以上
・カメレオン……5〜8年
・金魚……10〜15年

代表的なペットの平均寿命を挙げてみましたが、カメの寿命は飛び抜けていますね。反対にハムスターは2〜3年と短いです。

犬や猫の殺処分数は、約13万頭

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一般社団法人ペットフード協会の調べによると、飼育されている犬や猫の数は全国で2,061万頭と推計されています。

日本人の約6人に1人がペットを飼っている計算ですね。また、日本の15歳未満の人口は約1,650万人と言われていますから、子どもの数よりも犬や猫のほうが多いのです。

そんなペット好きな日本ですが、環境省の発表によると、1年間で保健所や動物愛護センターなどの施設に引き取られるペットの数は約17万6千頭と言われています。

そして、年間で殺処分されてしまう犬や猫の数は、12.8万頭と言われています。ちなみに、内訳は猫が約9万、犬が約3万となっています。

犬が老化してきたサイン

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老犬ホームに入る犬は基本的に年老いていることが多いです。そのため、ペットが今どのような健康状態にあるかを知ることはとても大切です。

【犬の主な老化サイン】
・散歩をしたがらなくなる
・立ち上がりの動作が重い
・段差を昇ったり降りたりすることができない
・トイレなどのしつけが守れなくなった
・言うことを聞かない
・夜鳴きが多くなった

他にもたくさん老化サインはありますが、主な症状を挙げてみました。

ペットがこれらに当てはまったら、老化してきたことを受け入れて、健康状態にあったケアをすることが求められます。

犬のアンチエイジング方法2つ

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ちまたでよく聞く“アンチエイジング”ですが、犬にもアンチエイジングする方法があります

上記の老化サインがでたペットの飼い主は、いろいろ工夫して犬の老化を食い止めましょう。

(1)こまめに散歩をする

人間でも同じことですが、年を取ると散歩がツラくなってきます。

これまでの散歩コースではへたってしまうという場合は、1回の散歩時間を短くして、分散させるようにしましょう。

そうすることによって、運動量を変えることなく足腰の負担を軽減させることができます。

(2)食事の内容を見直す

これもまた人間と同じことで、若いうちはばくばく食べても太りませんが、年を取ると代謝が落ちて脂肪がつきやすくなります。

タンパク質や食物繊維、ミネラルやビタミンを効果的に与えることが犬のアンチエイジングにつながります。

また、最近では犬用のサプリも出ていますので、活用してみてもいいでしょう。

「老犬ホームを利用してみたい?」愛犬家の意見は

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では、実際に愛犬家の方にもご意見を伺ってきました。

『お金をかけてまで、施設に入れようとは思わない。(介護が必要になったら)自分で面倒みる。仕事など外出するときだけ、動物病院で預かってもらう』(30代独身女性)
『ペットは家族と一緒。預けざるを得ないときには利用するかもしれない』(40代主婦)
『最近、飼えなくなった犬などを引き取って、別の業者や家庭に売る個人業者が、輸送中に死んでしまった小犬を遺棄して逮捕された事件があった。悪質な引き取り業者に頼むよりは施設にお願いする方がいいかも』(20代既婚男性)
『老犬ホームが広がれば、安易に(老犬を)預けてしまう人も増えるのでは? 預かる施設側のルールを決めるのも必要だと思う』(50代独身男性)

どうしても預けざるを得ない状況になったとき、老犬ホームに頼ることも選択肢の1つとして考えてみてはいかがでしょうか?

老猫ホームもある!?

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ペットの介護施設といえば老犬ホームがピックアップされがちですが、猫を引き取ってくれる“老猫ホーム”というものも存在します。

病気時の対応や葬儀など、基本的に受けられるサービスは老犬ホームとあまり変わらないようです。

料金としては、大体小型犬の料金に近く設定されている施設が多いようです。

まとめ

今回の追記では「老犬ホームの利用額」や「犬のアンチエイジング法」などについてご紹介してきました。

大切なペットを好きで手放す人はいませんよね。しかし、どうしようもない事情というのはあるものです。

介護施設に預けるのは多少お金がかかりますが、愛するペットのためを思えばしっかりとした施設に入れてあげたいですよね。

もしもペットの飼育が難しくなってきた場合は、老犬ホームへの入居も考えてみてはいかがでしょうか。

●ライター/KOU(ママライター)
●追記/パピマミ編集部

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