「お墓はいらない」という人向け供養法3選
2014年12月17日 | よみもの「お墓はいらない」という人向け供養法3選

【パパからのご相談】
親戚がなくなり帰省したのを機に、家族でもお墓の話が持ち上がります。正直、今回もかなり時間とお金を要しました。お墓参りなどの手間を考えると、お墓が必要なのか、それとも違った形でもいいのか、悩んでいます。
選択肢は以前よりも増えています。家族で話し合ってみましょう。
こんにちは。片付けパーソナリティあさがみちこです。
お墓については、以前お話しした仏壇の扱いに続き、なかなか悩ましい問題ですよね。
2014年8月に、保険クリニックが40歳~69歳までの男女500名を対象にアンケートをしたところ、先祖代々のお墓がある方は全体の58%、ない方が42%。そのお墓がない方にこれからお墓を購入するか聞いたところ、約47%の方が生前やこれから購入を考えているものの、約53%の方が購入(準備)しないという結果が出たようです。

お墓を持たない選択肢としての供養法3選
確かに、少子化や核家族化が進んでいる昨今、お墓の掃除やお参り、費用など、考えると難しいですよね。今回はお墓を持たない方々の選択肢を一部ご紹介します。
(1)だいぶ浸透してきたのが『海洋散骨』
一般的に業者にお願いする委託散骨だと5万円程度、遺族参加での散骨は10~30万程度とだいぶ幅があります。
自分の希望する場所に還りたい、のびのびとした大自然の中で眠らせてあげたい。そんな思いが込められているケースが多いようです。
(2)比較的新しい形の『樹木葬』
東京都など公営霊園でも樹木葬区画を設置しており、民間の霊園も増えてきました。継承者が居なくても購入でき、墓地や霊園によっては年間管理料が不要なところもありますが、費用は15万〜50万円とさまざまです。
墓石建立より費用はかからないのはもちろんのこと、海洋散骨に比べると、樹木という“しるべ”が、お墓の形態に近いのも、注目を集めている一因でしょう。
(3)認知度が上がっている『手元供養』
経済的な理由よりも、「お墓に納骨するのは寂しい」「大切な人を身近でしのびたい」「未だ故人と離れがたい」という故人に対する思いから選ばれている方法です。
かかる費用はというと、手元供養品の購入費のみとなるので、数千円〜10万円と、こちらもかなり幅広くなります。
ただ、この手元供養に関しては、「故人の自宅に行かないと供養ができない」というデメリットや、「もし遺族がなくなってしまった場合、誰がその遺骨を引き継ぐのか」といったように予測される事態も含めて検討しましょう。
他にも、宇宙に散骨することによって故人が大空から見守ってくれる『バルーン宇宙葬』や、『永代供養墓』などもありますよね。
何よりも大切なのは故人をしのぶ思い
さまざまな方法はあるものの、どれもお墓と同じようにメリット、デメリットがあるのが実情。特に墓石を持たないという選択をすると、家族よりも親戚からダメ出しの嵐、という事態になる可能性もあります。
経済面だけではなく、皆さんが納得のいく形を、家族で考えてみてください。何よりも大切なのは、愛する人をしのぶ思いですよ。
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●ライター/あさがみちこ(片付けパーソナリティ)