タバコで流産リスクUP!? 妊婦の喫煙が胎児に与える影響と禁煙方法
2014年12月1日 | よみものタバコで流産リスクUP!? 妊婦の喫煙が胎児に与える影響と禁煙方法

【ママからのご相談】
2児の母です。先月妹の妊娠がわかったのですが、5年ほど前から吸っていたタバコをやめていないようです。「胎児に影響が出るよ!」と言っても、「産婦人科で1日に2~3本ならいいって言われたから」と笑っています。
その言いつけは守り、1日に吸う量は2~3本に抑えているようなのですが……。数本であれば、妊婦がタバコを吸っても良いというのは本当でしょうか?
> 「禁煙ストレスの方が胎児に悪い」の意味(P2)
> 「2~3本ならいいよ」の意味(P2)
> 妊婦は受動喫煙にも注意!(P3)
> 妊婦が禁煙する方法4つ(P3)
> まとめ(P3)
妊婦の喫煙が胎児に与える影響6つ

(1)常位胎盤早期剥離による胎児死亡
妊娠中に喫煙をして胎盤機能が低下することにより、胎盤が胎児の娩出より先に剥がれてしまう『常位胎盤早期剥離』が起こりやすくなると言われています。
常位胎盤早期剥離が起こると、胎児仮死や胎児死亡などを引き起こす可能性があり、ママ自身が命を落とすこともあります。
(2)出生体重の低下
2016年1月6日に環境省が発表した調査結果によると、妊娠中に喫煙していた母親から生まれてくる子どもは、普通よりも100gほど少なくなるとのこと。
低体重で生まれてしまった赤ちゃんは、体の発達が十分ではないため、さまざまな感染症や合併症を引き起こしやすくなります。
主な合併症には、
・呼吸窮迫症候群
・低血糖
・新生児仮死
・肺の疾患
・無呼吸の発作
などがあります。また、知能や発達の遅れにも影響します。
タバコに含まれているニコチンと一酸化炭素によって胎児が酸欠状態になることで、胎児の発育障害が起こるのではないかと言われています。
(3)流産・早産
妊娠中にタバコを吸うことで、早産や流産の確率が上がることが『日本産婦人科医会』によって報告されています。
非喫煙者の早産率が6%であるのに対し、一日タバコを20本吸っている人は13%。2倍も早産の確率が跳ね上がるのです。
また、31本以上吸っている人に関しては、33%の確率で早産が起こると言われています。
(4)発達障害
タバコを妊娠中に吸ってしまうと、母体や胎児への血流が悪くなり低酸素状態になってしまいます。
どういうことかというと、血液にあるヘモグロビンは普段酸素と結びついていますが、タバコを吸うと一酸化炭素が酸素の代わりにヘモグロビンと結びついてしまいます。そのため、血中の酸素が不足して胎児が呼吸できなくなります。
つまり、妊婦がタバコを吸っているとき、胎児の呼吸は止まっている(あるいは減少している)のです。それが繰り返されることで胎児に痙攣が起きたり脳に障害が残ったりすると言われています。
さらに低酸素状態では胎児の身体的機能が十分に発達されないため、ADHDや言葉の発達の遅れなどにも影響すると言われています。
→次ページでは、引き続き“妊婦の喫煙が胎児に与える影響”について見て行きましょう。