それは言っちゃダメ! 子どもが“本嫌い”になる親のNGワード5つ
2014年11月28日 | よみものそれは言っちゃダメ! 子どもが“本嫌い”になる親のNGワード5つ

【ママからのご相談】
小学校5年生と3年生の兄弟がいます。2人ともあまり本を読みません。私が子どものころは、『十五少年漂流記』や『シャーロック・ホームズ』などに夢中になっていたので、それをすすめてみたのですが、つまらないと言って読もうともしません。どうすれば本が好きになるのでしょうか?
押し付けはNG! 子どもの好みを尊重しましょう。
ご相談ありがとうございます。フリーライターの小柚子です。
お子さんにもっと本を読んで欲しい! そのお気持ち、とてもよくわかります。本が好きな子どもになって欲しいというのは、どのお母さんでも願うことでしょう。
独立行政法人国立青少年教育振興機構の調査によれば、子どものころに読書活動の多かった人は、大人になってから自己肯定感や物事に対する意欲、関心が高いという結果が出ているとのこと。子どものうちに本が好きになれば、その後の人生も豊かなものになるかもしれません。
そこで、今回から3回にわたり、本好きな子どもを育てるために工夫したいこと、気をつけたいことをご紹介していきたいと思います。
まずは、子どもから本を遠ざけてしまう、親の言動についてお伝えします。子どもが本好きになるかどうかは、親である私たちの言動も関係しています。日ごろから、子どもにこんなことを言っていないかチェックしてみましょう。

親の言葉一つで子どもは本を読まなくなる
たとえば、勉強をしていても、ピアノを弾いていても、サッカーをしていても、子どもは褒められればやる気を出しますし、もっと頑張ろうとどんどん練習します。本を読むことも、それと同じ。子どもが本を読まないからといって、叱ったり小言を言ったりしていては、逆効果なのです。
それでは、子どもの読書意欲を失わせてしまう、NGな親の言葉を5つあげてみましょう。
子どもを本嫌いにしてしまう親の言葉5つ
(1)「とにかく本を読みなさい」
本を読め読めとばかり言われると、かえって本を読みたいという気持ちがなくなってしまうものです。小学生にもなれば、親に反発を覚えることも増えてきます。親に「本を読みなさい」と言われるほど、読書から遠ざかってしまう子どもも多いのです。
(2)「そんな本じゃなくて、もっと難しい本を読みなさい」
子どもが好きで読んでいる本を否定し、難しい本、課題図書や推薦図書のような本を押し付けていませんか? こうしたママの言葉によって、子どもは自分の好みを否定されたと感じ、読書意欲を失ってしまいます。
大切なのは、難しい本を読むことよりも子どもが自分の好きな本を楽しく読むこと。それができなければ、読書そのものが嫌になってしまいます。
(3)「○○くんはもうあんな本を読んだの、すごいわね」
読書は他人と比べるものではありません。他の子どもがどんな本を何冊読んだとしても、それはお子さんには関係のないことです。本の好みや読書のスピードは、子どもによって大きく違います。大切なのは、子どもが自分に合った本を楽しく読むことですから、他の子どもと比較しないようにしましょう。
(4)「どうだった?」「感想は?」
やたらと本の感想を聞きたがるママもいますが、こうした言動は子どもに嫌がられます。本を読んだ感想というものは、簡単に言葉や文字にして表せないことも多いもの。聞かれても上手く答えられないと、子どもはそれを負担に感じて、本を読むこと自体をやめてしまうのです。
子どもが自分から本の内容や感想を話してきたときは、よくよく聞いて、それを認めてあげることが大切ですが、感想を無理に聞き出したり、子どもの持った感想を否定したりしないようにしましょう。
(5)「本を読むと国語の成績がよくなるよ」
読書は勉強のひとつですし、本を読むことは、漢字やさまざまな語彙を覚えるのに役立ちます。しかし、それを期待して子どもに読書をさせることはあまりよいこととは言えません。
子どもはママの、「本を読んで賢くなってほしい」「国語の成績が上がってほしい」という気持ちを見抜いているかもしれません。「何かのため」という目的が透けて見えると、子どもはかえって本を読まなくなります。
ママだって、本を読むときは現実の世界から離れ、本の世界へ飛び込んで行きますよね。それと同じように読書は子どもにとって、勉強から解放されて飛び込んでいく“遊びの世界”でもあるのです。
子どもの本嫌いは、親のこうした態度や言葉によって引き起こされる可能性もあります。
無理に読書をすすめたり、本をやたらと買い与えたりするのではなく、まずは子どもが読みたいと思ったときに、読みたい本を楽しく読めるように、環境を整えることが親として大切なのではないでしょうか。
【参考文献】
・『親が子供を本嫌いにする』嶋路和夫・著
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