CT検査の料金はどれくらい? CT検査を受ける目的とメリット&デメリット
2014年11月20日 | よみものCT検査の料金はどれくらい? CT検査を受ける目的とメリット&デメリット

健康・美容ライターのMAKIです。
CT検査は画像診断装置の一種で、一般的によく知られているレントゲン検査と原理は同じです。
レントゲン検査では二次元的な情報しか得ることができませんが、CT検査であれば、さまざまな角度から立体的に情報を得ることができるので、がんなどの早期発見に役立ちます。
CT検査とは
CTとは、Computed Tomographyの略で、X線を使って体の断面を撮影する検査(コンピューター断層撮影法)です。マンモグラフィーもその一種です。
X線は体の組織や臓器によって、透過性(通過のしやすさ)が異なるため、その差を利用して画像を作り出します。
そして、正常な場合の組織と病変がある場合の組織では透過性が異なるため、病変を把握することができます。
CT検査は、体のさまざまな病巣を発見することができ、特に心臓や大動脈、気管支、さらに肺などの胸部や肝臓、腎臓などの腹部の病変に関する検査能力が優れていることが知られています。
CTの検査方法には、造影剤という薬を使用しない『単純CT』と、造影剤を静脈注射して撮影する『造影CT』の2種類があります。
またCTの機械本体に関しては、購入するとなると、数千万ほどかかるようです。
CT検査をする目的
CT検査を行う目的は、それぞれの臓器の形態異常の断層面を画像化することです。
また、造影剤を静脈へ注入して臓器の血流や血管との関連をみるために使われます。
CT検査は人間ドックの検査項目に入っている場合もありますが、一般的にはレントゲン検査や超音波検査で異常が見つかったときや手術前などの際に、より正確な情報を得るために追加で行います。
また、多方向からレントゲン検査を行いたい場合にもレントゲン検査の代わりにCT検査を行います。
レントゲン検査が二次元であるのに対して、CT検査は三次元で撮影できるため、病状がより詳しくわかりますし、MRI検査よりも検査時間が短い(検査内容によるが5分〜20分程度で終わる)ため、患者さんにとってのメリットも大きいです。
また、肺の病変部の画像を抽出するには、MRI検査よりも圧倒的に優れた検査方法だと言えるでしょう。
CT検査でわかること
腹部のCT検査では、肝臓がんや膵臓がんなど腹部の臓器に悪性腫瘍がないか、悪性腫瘍がある場合はどの程度進行しているか、腫瘍が腹部のリンパ節に転移していないかなどもわかります。
下痢や嘔吐などを伴う急激な腹痛(急性腹症)が起こったとき、胆石や胆嚢炎、膵炎、尿路結石、消化管穿孔、黄疸などが原因となっていないかを調べることもできます。
頭部のCT検査では、脳腫瘍や、脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血などの脳疾患の診断を行うことができます。それ以外の部位だと、副鼻腔炎などの検査や腰の検査を行うこともできます。
また最近では歯医者においてもインプラントCT検査というものも導入されていたり、動物においては犬や猫などに対しても行われております。ただしどちらも保険診療外なので初診料含め、費用は自費となります。
CT検査の料金
外来でCT検査を受けた場合の料金(検査費用)は、造影剤を用いない『単純CT検査』の場合と、造影剤を用いる『造影CT検査』の場合、冠動脈をみる『冠動脈CT』の場合で異なります。
保険適用外だと高額なこともありますが、保険診療が適用されていて受診すれば、そこまで費用はかからないようになっています。ただし、これはCT検査に限らず、夜間診療などになると別途費用がかかるので注意が必要です。
それぞれの詳細な値段の目安について検査料金の案内などを元に解説していきます。
単純CT検査の料金
単純CT検査の場合は、診療総額が約20,000円になるので、健康保険3割負担の患者が支払う料金は6,000円となります。1割負担であれば2,000円で済みます。
胸部や腹部、脳などCT検査は部位ごとにいろいろありますが、費用はどの部位でも同じ料金になります。
造影CT検査の料金
造影CT検査の場合は、診療総額が約35,000円になるので、健康保険3割負担の患者が支払う料金は10,500円となります。保険適用の医療費は1割負担であれば3,500円です。
造影剤を用いる造影CT検査は主に、腹部CTで行われることが多いようです。また、腹部以外でも血管の様子や腫瘍の血流状態を見たい場合などにも造影CT検査が行われます。
また診察後に予約などが必要な場合もあるので、医療機関に別途質問や問い合わせください。
冠動脈CT検査の料金
冠動脈CT検査の場合も造影剤を用いますが、造影CT検査よりも料金が高く、診療総額は41,000円〜45,000円になります。
健康保険3割負担の患者の支払い料金は12,300円〜13,500円、1割負担であれば4,100円〜4,500円です。
CT検査をするときの流れ
ではここからはCT検査の流れについて解説していきます。CT検査前とCT検査中に大きく分かれます。
検査前はいくつか持ち込みができないことや、禁止事項があるので、そこに注意しましょう。
検査中は検査部位によって流れが異なります。腹部、胸部・血管系、骨盤によってそれぞれ流れが違います。
それぞれ細かく見ていきましょう。
CT検査前
CT検査を受ける前にはまず、先生から患者に検査をする目的や検査の方法の説明が提示され確認できます。
検査前の一食は指示によって飲食が禁止となります。
寝床した静かな状態で検査を行うため、乳幼児など体の動きが活発にある場合には、医師の指示で催眠薬や鎮静薬が投与されることもあるそうです。
トイレで排尿を済ませたら、検査室に持ち込みができない時計やアクセサリー類などを外します。
金属製のものが衣服や下着についていなければそのまま検査を行うことが可能ですが、部位や指示に応じて検査着に着替えることが必要な場合もあります。
なお、下記のものは検査室への持ち込みができないため、必ず外しましょう。
- 眼鏡
- 腕時計
- 鍵
- 携帯電話
- ネックレス
- ピアス、イヤリング
- ヘアピン
- 使い捨てカイロ
- 湿布
- 入れ歯
- 磁気カード
- エレキバン
CT検査中
一般的に、単純CTと造影CTの両方の撮影を行う場合は、先に単純CTの撮影を行います。
【腹部の場合】
体を動かさないよう指示を受けた後、検査台に仰向けで寝たら、両腕を上に上げた姿勢で位置を決めるための撮影を行います。位置が決まったら、単純CTの撮影をします。
単純CTの撮影が終わった後、造影CTも必要だと判断された場合、静脈注射をして、血管痛がないかどうか、気分が悪くなっていないかを観察します。
問題がなければ、検査の10分前に、水にガストログラフィンを入れた“ガストロ水”を飲みます。ただし、『イレウス』や水分制限があるときには飲用しません。
その後、検査台に仰向けになり、呼吸方法を説明されます。
【胸部・血管系の場合】
撮影する部位を動かさないように説明された後、検査台に仰向けになり、撮影を行います。
造影CTも撮影する場合、静脈注射をして、血管痛がないかどうか、気分が悪くなっていないかを観察します。
問題がなければ検査台に仰向けになり、呼吸方法を説明されます。
【骨盤の場合】
撮影する部位を動かさないように説明された後、検査台に仰向けになり、撮影を行います。
造影CTも撮影する場合、静脈注射をして、血管痛がないかどうか、気分が悪くなっていないかを観察します。
問題がなければガストロ水を検査の30分前までに飲みます。
CT検査で注意すべきこと
(1)下記に該当する人は検査を行えない場合があるため、担当の医師に問い合わせが必要です。
- 心臓ペースメーカーを使用している
- 妊婦または妊娠の可能性がある
- ICD(植込み型除細動器)を使用している
- 閉所恐怖症である
下記に該当する人は造影CT検査における造影剤が使えない場合がありますので、こちらも事前に問い合わせましょう。
- 以前に造影剤で副作用を経験した
- アレルギー体質
- 喘息
- 授乳中
- 糖尿病治療薬(飲み薬)を服用している
(2)造影CTの場合、食事制限があります。※担当の医師の指示に従ってください。
(3)腹部CT・骨盤CTを受ける1週間以内に、造影剤を使用した消化管の検査を受けてはいけません。
(4)検査後は水分を多量に摂取します。
(5)検査当日に採血がある場合、CT検査の前に済ませましょう。
(6)顔色や全身の状態を観察する必要があるため、化粧やマニキュアなどは控えましょう。
造影剤の副作用
造影CT検査に使われる造影剤は薬剤であるため、副作用を起こす危険性もあります。
副作用が現れるのは造影剤注入中が最も多いようですが、検査後に副作用が現れるケースもあるといいます。
副作用の発生率は3.13%で、重度の副作用が発生する率は0.004%ということです。
以前にも造影剤で副作用を起こしたことがある人や、喘息の人、心疾患のある人は、重篤な副作用が出る可能性が高くなるため、特に注意が必要です。事前に医師に相談もしておきましょう。
また、不安感が強いことも副作用を誘発する原因になりうるという研究結果もあるといいます。
なお、副作用の主な症状は下記になります。
軽症の副作用症状
吐き気や嘔吐、発汗、蕁麻疹、皮疹、頭痛、めまい、悪寒、味覚異常、咳嗽、掻痒感、紅潮など
中等度の副作用症状
頻脈、徐脈、高血圧、軽度の低血圧、気管支痙攣、呼吸困難、全身性・局所性の紅斑など
重度の副作用症状
アナフィラキシーショック、痙攣、心停止、致死性不整脈など
最近よく聞かれる『PET−CT検査』とは
最近、病院の検査でも単なるCT検査ではなく、PET-CT検査を用いるケースがあります。pet-CTとは、PETとCTとで同時に検査するものです。
PET検査とは、ポジトロン断層法という陽電子検出を利用したコンピューター断層撮影法です。
CTやMRIが組織の“形態”を観察するものであるのに対して、PETは組織の“機能の異常”を観察することに特化した検査です。
PETとCTの両方の検査を組み合わせることで機能画像と形態画像の融合により、病巣の診断精度が高まるというメリットがあります。
また、CT検査では部位ごとに検査をしなければなりませんが、PET-CT検査は全身を一度に調べられるので予想外のがんの転移などの発見に威力を発揮してくれます。
まとめ
「CT検査の特徴」や「CT検査をする目的」、「CT検査の流れ」などをご紹介してきましたが、いかがでしょうか?
がんのスクリーニングとして人間ドックのオプション検査にも入り、一般の人にも良く知られるようになったCT検査、MRI検査、PET-CT検査ですが、それぞれメリット、デメリットがあります。
そのため、病院では症状や検査目的、患者さんの状態に合わせて検査方法を選ぶようになっています。
私たちの健康を支えてくれる医療技術は、日々、どんどん進化しているようですね。
●追記/パピマミ編集部
●モデル/神山みき(れんくん)、前田彩(桃花ちゃん)