落ち着きのない子供に多くみられる「ADHD」のケア方法
2014年11月19日 | よみもの落ち着きのない子供に多くみられる「ADHD」のケア方法

【ママからのご相談】
6歳になる子どもがいます。学校の先生から、「お子さんは授業中に勝手に席を離れたり、集中していなかったりして、授業を全然聞いていない。ADHDかも知れない」と言われました。ADHDって初めて聞いたのですが、どういう病気なんでしょうか?
『ADHD』とは、注意力が低く、行動に落ち着きがないことが特徴の病気です。
こんにちは、ドクターのひでくらてすです。
学校の先生から言われるとお母さんも不安ですよね。『ADHD』は日本語では『注意欠陥多動性障害』と言われ、簡単に言うと極端に注意力に欠け、行動に落ち着きがない子どものことです。男児に圧倒的に多くみられる病気ですが、知能の遅れはありません。
今回は、『ADHD』について説明していきたいと思います。

小学校入学後も落ち着かない場合は注意! 『ADHD』とは
『ADHD』は脳内で分泌されるドパミンやノルアドレナリンといった物質の機能低下が原因と考えられている病気で、だいたい7歳より前に発症し、物事に集中できず、衝動的な行動が観察されます。
子どもであれば、ある程度こういったことは起こりますが、小学校に入ってからも落ち着きがなく、周りに迷惑がかかってしまうレベルであれば『ADHD』の可能性があります。
『ADHD』の子どもは誤解を受けやすく、集団生活になかなかなじめず、時にはいじめの対象となってしまうようです。そうすると、自尊心を失って劣等感を持ってしまったり、反抗的な行動を取ったりするようになるなど、二次的な問題が生じてしまいます。そういったことを防ぐためにも、正しい診断による対応と周囲の理解がとても大切です。
『ADHD』への対応
前述のように『ADHD』は脳の機能に問題があるので薬物治療を行うようです。もともと知能には問題がないので、薬物治療による効果で学校の授業を落ち着いてよく聞くようになり、成績が上がったというようなケースも多くあります。
また、薬物治療に加えて周囲からの社会的なサポートも重要です。たとえば、学校の席を教室の前の方にするとか、使用しない教室の備品を片付けるとか、注意を引くような要因を減らしてあげることで、ある程度症状を改善できるようです。
『ADHD』の子どもを持つ親は、責任が自分たちにあるのでは、と子育てに悩んでしまうこともありますので、両親に対する心理的なサポートも重要になります。
『ADHD』かな? と心配な場合は子どものためにも、自分たちのためにも、一度精神科で診てもらうことを検討されてはいかがでしょうか。
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●ライター/ひでくらてす(スチューデントドクター)