ママの就業に反対!? 子どもの心を満たす関わり方は“時間”か“質”か
2014年11月19日 | よみものママの就業に反対!? 子どもの心を満たす関わり方は“時間”か“質”か

【パパからのご相談】
妻のことで相談させてください。今まで専業主婦でしたが、「働きたい」と言ってきました。これでは子どもと関わり合う時間が少なくなってしまったりして、子どものことがおろそかになってしまうのではないかと思っています。考え方が古いのでしょうか。
大事なのは“時間”より“質”です。
こんにちは。桜井涼(メンタルケア心理士)の桜井涼です。ご相談ありがとうございます。
父親からすれば、子育てや家のことを優先して欲しいと思うことでしょう。経済的な問題がなければなおのことです。ですから、ご相談者様の考え方が古いとは思いません。
ただ、女性が働きたいと思う理由など大切なことを知ってもらいたいと思います。そして、子育ては“時間”ではなく“質”が大切なのだということを知ってもらいたいのです。

妻が働きたいと思う理由とは
女性が母親となって考えてしまうことの1つに、「社会から取り残されているのではないか」ということがあります。
男性の場合は、父親になっても会社を辞めることはありませんよね。女性の場合は、出産を機に辞めてしまったりすることが多々あります。産休を取得する人が増えてきてはいますが、現実的にはまだまだ少ないでしょう。
専業主婦になり、子どもを育てるやりがいを感じていたとしても、なぜか取り残されているような気がしてしまいます。だから、社会復帰をして、人のためになりたいと考えるのです。これは自然なことですし、子どもの世話が嫌だとか、家事から逃れたいからという考えからではないということをご主人には理解してあげてほしいと思います。
子どもとの関わりは、時間より質が大切です
ずっと子どもにかかりきりだからといって、子どもに愛情をかけていることにはなりません。大事なのは時間よりも質だからです。
子どもの愛情欲求は、底なし沼と言っていいほどです。だからといって、長い時間一緒にいないと愛情が埋められないわけではありません。
ちょっとの時間でもお母さんにぎゅっと抱きしめてもらったことや、洗濯物を一緒にたたみながら話を聞いてもらっただけでも満たされることがあるのです。寝る前に抱っこして本を読んであげるだけでも子どもの心は、「大事にされている」と感じますし、欲求も満たされます。
子どもとの関わりをおろそかにしないために
“一緒に○○をする”ことを生活の中心におくことで、子どもとの関わり方の“質”が良くなります。
特に一緒に家事をしたりすることで、話を聞いてあげることも、甘えさせてあげることも、目を合わせることもできます。こうして接することで、褒めてあげられる部分だって見えてきて、それを言ってあげることができるのです。
そうすれば、子どもの心も満たされますし、お手伝いを覚えますし、良い関わり方ができるはずです。夫婦で力を合わせてお互いがおろそかにならないよう、子どもと“一緒に○○をする”ことを大切にしてみましょう。
先ほども言いましたが、奥様は子育てから逃れたくて、「働きたい」と言っているわけではないと思います。育児がおろそかになってしまうようなこともないのではないでしょうか。働くことを決めたときにそのこともしっかり考えているはずですから。
お互いが働くのであれば、それを尊重し合って一緒に育児に関わっていきましょう。両親が互いに子どもとの関わりを持てば、夫婦仲も子どもとの関わりも良くなりますよ。
【参考文献】
・『ほめすく〜叱らずほめて、すくすく子育て〜』尾木直樹・著
●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)