子供の歯の“仕上げ磨き”はいつまでするべき?
2014年11月17日 | よみもの子供の歯の“仕上げ磨き”はいつまでするべき?

【ママからのご相談】
小学4年生の女の子のママです。歯が生え始めてからずっと、食後に私が仕上げ磨きをしています。その話をママ友にしたところ、「仕上げ磨きって、もうしなくていいんじゃない?」と言われました。ほかのママたちに聞いても、ほとんどが仕上げ磨きをしていないそうなのです。小学校中学年にもなれば、子どもの歯の仕上げ磨きはもう必要ないのでしょうか?
虫歯予防とスキンシップのために、できるだけ続けましょう。
ご相談ありがとうございます。フリーライターの小柚子です。
子どもの歯の仕上げ磨きは、いつまですればいいのか悩んでしまいますよね。小学校中学年くらいになると、子ども自身もママに仕上げ磨きをしてもらうことを、「面倒くさい」「恥ずかしい」などと思い始め、嫌がるようになってきます。
しかし、親の仕上げ磨きは、子どもの虫歯予防に欠かせないものであると同時に、段々と減っていく子どもとのスキンシップを取るための、貴重な時間でもあります。
ここでは、仕上げ磨きが必要な理由を再確認しながら、いつまで仕上げ磨きをすべきかを一緒に考えていきましょう。

仕上げ磨きが必要である理由2つ
まず、小学生になっても仕上げ磨きをした方がいい理由について、歯医者さんに伺った話をもとにお伝えします。
(1)子どもの歯磨きでは汚れが落ちない
私のかかりつけの歯医者さんの話によると、たとえ小学校高学年になっても、子どもが自分一人だけで歯磨きをしても、ほとんど磨けていないのが実情だそうです。子どもは歯磨きをしているつもりでも、ほかのことに気を取られたり、鏡を見ずに適当に磨いて終わりにしたりしてしまうため、汚れがきちんと落ちていないのだとか。
わが家の子どもたちを見ていても、歯磨きをさせるといつの間にか本を読んでいたり、あちこち歩き回ったりして、まったく磨けていないことが多くあります。そのため、パパやママがきちんと仕上げ磨きをして、子どもの歯の汚れをしっかり落としてあげなければならないのです。
(2)生えたばかりの永久歯は虫歯になりやすい
生えたばかりの永久歯は象牙質(ぞうげしつ)がまだ柔らかいため、虫歯になりやすく、進行しやすいと言われています。また、永久歯が生えてくるときは、歯茎に痛みや腫れがあらわれて、きちんと磨けなくなることもあります。
特に、6歳ごろに生え始める第一大臼歯、12歳ごろに生え始める第二大臼歯は、生え始めは背が低いために磨きにくいので、パパやママがきちんと磨けているかチェックすることが大切です。
仕上げ磨きはいつまで? 歯医者さんによる見解は?
いつまで親が仕上げ磨きをすべきかについては、歯医者さんそれぞれの考え方によって違うようですが、多くの歯医者さんは、第一大臼歯、つまり6歳臼歯が生えきるまでは仕上げ磨きが必要であるとしています。これは、第一大臼歯の生え始めから虫歯になるケースがとても多いためだそうです。
第一大臼歯が完全に生えたら、歯医者さんから子どもに直接歯磨きの仕方を指導してもらい、自分で磨かせるようにして、パパやママが磨き残しをチェックすると良いとのことです。
しかし、最近では、第二大臼歯が生え始める12歳ごろまでは親が仕上げ磨きをすることを推奨している歯医者さんも増えています。
12歳ごろまでは親が仕上げ磨きをしたほうがいい理由
・小学校高学年までは永久歯への生え変わりが進むこと
・空間把握能力が発達するまでは、奥歯がきちんと磨けないこと
・手首を返して、正しい磨き方ができるようになるのが小学校高学年くらいであること
生え変わったばかりの永久歯を虫歯にしないために、夜寝る前だけでも親が仕上げ磨きをすること、磨き残しの有無をチェックすることは、まだ必要であると言えそうですね。
歯の仕上げ磨きは、親子のスキンシップの時間でもあります。小学校中学年くらいになれば、ママとのスキンシップを恥ずかしがったり嫌がったりする子どもも増えてきますよね。今のうちだけと思って、虫歯予防とスキンシップのために、もう少しだけ仕上げ磨きを続けてみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
『こどもの歯をじょうぶにするQ&A64』羽田宣裕・著
【関連コラム】
・子どもが歯磨きタイムを好きになるコツ5つ
●ライター/小柚子(フリーライター)