必要or不要? 意外と知らない“耳垢”の役割と正しい耳掃除の仕方
2014年11月6日 | よみもの必要or不要? 意外と知らない“耳垢”の役割と正しい耳掃除の仕方

健康管理士のSAYURIです。
耳掃除は、使う道具が“耳かき派”や“綿棒派”に分かれたり、掃除を“毎日必ずやる”方や“数週間に1度程度しかやらない”方に分かれたり、人によってさまざまですよね。
耳垢ってそもそも何なの? と疑問に思われている方もいらっしゃれば、気にしたこともない方もいらっしゃると思いますが、実は耳垢にもちゃんと役割があります。
今日はその辺りから耳掃除の正しい方法までをご紹介します。
> 耳垢の主な役割4つ(P1)
> 人種によって“耳垢”のタイプ割合が違う!?(P2)
> 耳垢の種類5タイプ(P2)
> 耳垢と体臭の関係(P3)
> 耳垢を取るタイミングと頻度(P3)
> 耳掃除が気持ちいいワケ(P4)
> タイプ別! 耳掃除ガイド(P4)
> 耳掃除をすると“せきやクシャミ”が出てしまうワケ(P5)
> 耳掃除でひざ枕はNG!?(P5)
> 耳垢が多くなる原因4つ(P5)
> 耳垢に関する耳の病気4つ(P6)
> 耳鼻科で行う耳掃除(P6)
> 赤ちゃんの耳掃除(P7)
> イヌやネコにも耳掃除が必要!?(P7)
> まとめ(P7)
耳垢って何?

『耳垢(じこう)』というのが正式名称です。
耳垢とは、新陳代謝によってはがれ落ちた“耳の穴の皮膚”や、外から入ってきた“ホコリ”、耳の入り口から鼓膜までの間の部分にある耳垢腺(じこうせん)から分泌される“分泌液”が混ざったもの。
ちなみに耳垢腺とは、汗を分泌する汗腺の一種です。
耳垢には、“乾燥してカサカサするタイプ”と“ねっとりと粘性のあるタイプ”があり、日本人は“カサカサしているタイプ”が多いと言われています。
耳垢は遊離アミノ酸やシアル酸、脂肪分などの糖質成分からなっており、この中のシアル酸は水を吸収する特徴があるため、湿性耳垢はシアル酸の割合が高い傾向にあります。
耳垢の主な役割4つ

ただ汚いだけと思われがちな耳垢ですが、実はちゃんと役割があるのです。
(1)外部からのゴミを吸着する
耳垢腺から出される分泌物には粘りがあり、それによってできた耳垢が外部から耳の中に入ろうとする小さなゴミやホコリをキャッチしてくれます。
キレイにしすぎると、キャッチするものがなくなって異物を侵入させやすくなってしまいます。
(2)雑菌の繁殖を抑える
耳垢には、溶菌酵素とも呼ばれるリゾチーム、病原菌の毒素を中和させる作用があるIgG、病原体の感染予防に効果のあるIgAなどが含まれており、耳の中で細菌が繁殖するのを抑えてくれます。
これらの抗菌成分は日本人に多い乾燥タイプの耳垢に多く含まれており、粘性タイプの人に比べて外耳性の疾患にかかりにくいと言われています。
(3)虫の侵入を防ぐ
実は耳垢には“虫よけ”の効果もあります。
耳垢のにおいや苦みのある成分が、虫が耳の中に侵入するのを防ぐ働きをするのです。
成分だけでなく、耳垢があることで物理的に虫が入りにくくなり、鼓膜への侵入を食い止めてくれます。
(4)皮膚の保護
耳の表皮や鼓膜は薄い皮膚で守られており、非常にデリケート。
耳垢はこれらの部分を保護する役割も持っています。脂肪成分が含まれることから皮膚を保湿する効果もあり、潤滑性も高めてくれるのです。
→次ページでは、人種別の“耳垢”のタイプ割合について見て行きましょう。